第二章
第二章の終りまでの内容を含みます。ご注意ください。
【皆瀬アキヒロ】
〈イマガイズ〉
皆瀬はイマガイズを出せなかった。
想像の力の存在に気づきさえすれば、イマガイズを出すのは難しいことではない。これほど時間をかけてもイマガイズを出せないのは逆に珍しいことである。
〈イマジン〉
皆瀬はイマガイズを出せなかった。そしてイマジンも出せないかと思われた。
しかし、すでに出現しているのではないかと岸戸たちは推測する。アパートに居ついたカラフルな謎の生物がそれだ。
その猫のような生き物には何か特殊な力があると皆瀬は確信しながらも、それが何なのか見いだせないまま、行動を共にすると決めた。
【岸戸ユウ】
〈イマガイズ〉
岸戸のイマガイズはドクロの形で頭部全体を覆っている。
左目には炎のような光が灯り、右目は黒い眼窩が空いている。右目の上は何かで叩き割られたようになっており、その隙間を黒鉛を表面に塗ったような煤色の金属が充填し、破片同士を繋げている。下顎に該当する部分は骨ではなく、バイクの排気筒のような円筒が顎のラインに沿って後頭部へと抜けている。
イマジンの使用や本人の感情の高ぶりによって、左目の炎は揺らぎ、排気筒からは蒸気が噴き出す。
〈イマジン〉
岸戸のイマジンは煤色をした金属の板を出現させる。
金属は重く、頑丈かつ粘り強い。板の形状や大きさの選択できる幅は広い。
特徴は以下の二つ。
岸戸本人は重さを無視して扱えること。そして、本人の体を中心とした極近距離に固定できることである。
盾のようにした防御はもちろんのこと、重量を活かした戦線維持や打撃攻撃にも向くイマジンである。
【北城ミズハ】
〈イマガイズ〉
北城のイマガイズは鬼のような面で、顔全体を覆っている。
朱色の面の中央は刀の鎬のように高くなっている。面の下部三分の一ほどは山型に低くなっており、それに逆三角の突起がつき、簡略化された牙の生えた口のようになっている。目の部分はくり抜かれており、北城本人の目が見える。その周囲は白く縁取られる。面上部に角柱状の角が生え、その根元には白い帯が巻かれている。
四本の帯は基本、面の前に垂れ下がるが、彼女の長い黒髪と共に、激しい動きに合わせてよく動く。
〈イマジン〉
北城のイマジンは、彼女が起こした作用を大げさにする。
自身の移動力を疑似的に向上させたり、対象の移動、破壊効果の増幅など用途は幅広い。
効果は一瞬で、連続で使うと疲労が溜まりやすい。また、大げさにした作用の反動を軽減できないという欠点も持つ。
【ジョウ】
〈イマガイズ〉
ジョウのイマガイズは拘束器具のような印象を与える、顔全体を覆う鉄仮面。後頭部にかかる五列のバンドで固定されているように見える。
仮面はにび色で不規則な大きさの金属板が、複数の真鍮色の錠前によって接続され、形を成している。
眼部は楕円に空いており、ジョウ本人の目が見える。
バンドの隙間から髪の毛が飛び出し、ぼさぼさになる。
〈イマジン〉
ジョウのイマジンは触れた金属を変形する。
およそ金属と呼べるものであれば、あらゆるものに作用し、変形後は非常に強固。
変形の際、金属同士が接触し合い、不思議な音を立てる。
変形は空間に展開されるように行われるため、変形の力というものはほとんどない。
このイマジンは金属の展性に働きかける。そのため、金属を含んでいても、バッテリーの溶液や血などには全く効果がない。
〈サブ〉
身体能力を強化する。イマガイズを発現せずにこれを発揮することは不可能。
【イナリ】
〈イマガイズ〉
イナリのイマガイズは白い狐を思わせる面で、顔全体を覆う。口の辺りが細くなりながら前に突き出ている。
左右に二本の赤いラインが縦に走り、その突起の先まで流れる。ライン上部は大きく外側にカールしており、それが笑った目のようにも見える。
イマジンを使う際に周囲に青い人魂が現れ、周囲の想像によって大小する。
〈イマジン〉
イナリのイマジンは他人の想像にその手で干渉する。
イナリにはその想像の内容こそわからないが、サブによって内容を推測し、取り出すように具現化したり、その反対に握りつぶすようにして消すことができる。
想像が他の人には見えないのでわかりづらいが、対象となる人物の周囲に漂う想像に直接触れて、初めて効果を発揮するイマジンである。
〈サブ〉
対象の想像に対する印象を大まかに読み取ることができる。
いい印象か、悪い印象か、そしてその程度がわかる。イナリはこれを利用し、相手が望むものを具現化している。
ただし、あくまで相手の印象なので、どんなものかまでは実際に取りだすまでわからない。
このサブはイマガイズなしでも発揮できる。




