平凡への嫌悪
毎日、毎日、バイトをして過ごす日々。
同世代の子達が今何をしてるかって?
知らねぇよ。
「はい!はい!」とか馬鹿みたいに上司に頭を下げながら朝から晩まで会社に入り浸ってんじゃねぇの?
だってそうしていれば上司に好かれて、今度は自分が入って来たばかりの新入社員にペコペコと頭を下げさせる立場に立つことが出来るんだから。
そうやって無駄に月日を過ごしてけばいいんだよ。
何の代わり映えもない、サプライズもない、やりがいもない。
そんな生活を、一生過ごしてればいいんだよ。
俺は違うぞ!
朝に起きて、夜に寝る。
月、火、水、木、金、平日はちゃんと働き、土、日、の休日は休み。
そんな当たり前の学校みたいな生活、もう沢山だ。
好きな時に寝て、好きな時に起きる。
どっかの天才みたいに頭にパッと浮かんできたら、
それが夜だろうと朝だろうと、昼だろうと、ド深夜だろうと、それを文字やら絵やらに書き写し、それを世間に発表する。
それを見た世間は俺に感嘆し、称賛の声を上げ、
人は俺を天才と呼ぶようになる。
馬鹿げてるだろ?
面白ろ可笑しいだろ?
いいさ。
笑うがいい。
笑ってればいい。
そうやって笑ってればいいんだ。
今のうちはな。
だって俺は、必ずこの世界の誰もが知っているような、歴史に残るような偉大な人物になってやるんだから。
そんな僕の思想に、一番笑い転げていたのは、他でもない
自分自身だった。
何を言ってるんだ。
馬鹿げてる。
恥ずかしくないのか?そんなことばかり言って。
結局お前は、何もしてないじゃないか。
ありもしない夢世界でバカみたいな顔をして泳ぎ回っている僕を、現実世界に引っ張り戻すのは、決まって僕だった。
強引に、かつ冷酷に、僕自身を引っ張り戻す僕。
そして決まって残るものは、
何もない。
僕はまた、バイトに行く。