傲 慢 第七話
清花は自分の見せ方を、よく知っている。
どうすれば美しく、妖艶に見えるか。
俺とのひと時を、まるで舞台に立っているかのように華麗に魅せる。
本気で感じながら、本気で演じている。
清花の絵は、傑作が多い。
それは、清花がこうして、俺に最高の自分を見せてくれるからだ。
実際どんな女よりも、挑発的で情熱的だ。
清花に男を教えたのは俺だが、さらにいろいろ技を持っている。
俺は、清花の身体は好きだ。
やばいくらい興奮する。
清花は、俺の首に手を廻し、激しく口づけた。
息が止まるくらいの口づけは、意識を失いかける。
正直、愛してる、というのは分からない。
清花の事は、もちろん好きだ。
抱きたいと思う女は数居れど、清花ほど相性の合う女には、
そうそう出会わない。
だから俺は清花に会いに行く。
最高傑作の絵を、描くために。
愛してる、という言葉は俺にとって、そんなに意味のない言葉だ。
聞かれるから答える。
相手が言ってほしいと思ってるから、言う。
嫌いではないから、言う。
その程度の言葉だ。
でもその言葉に清花は満足し、俺にすべてをさらけ出す。
俺は、それをすべて受け取り、傑作を描く。
ちゃんと成り立っているのだ。
女に対して、冷たくしたことはない。
求められれば、なんでも答えた。
女がして欲しいように、してあげる。
男と女なんて、欲望の吐き出し合いだ。