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傲 慢 第三話
清花はけらけらと声をあげて愉快そうに笑った。
「そんな遊び人かなあ、俺」
「この遊郭じゃ、潤之助のことを知らない女はいないわよ。
女ならみんな、あなたの女になりたいと思ってるわ。
お金もあって顔もきれいで、扱いも上手ってみんな言ってるわ」
「そんなに数、こなしたかな、俺?」
「自覚ないのね。あきれた」
清花は、くすくす笑いながら再び櫛を使い髪を束ね始めた。
色っぽいうなじをわざと見せつけるように髪をあげ、鏡越しに俺を誘う。
「みんな、あなたに描いてもらいたいのよ、あなたに描いてもらった遊女は必ず頂点になるもの」
「俺の中で最高の女しか、描かねえからな」
清花は、スッと振り向きにやりと笑った。
「それが、今は私」
そういいながら俺の頬をなでた。
「この間描いてくれた私、すごくきれいで嬉しかった。
潤之助には、私がこんなに、美しい女に見えるんだって思ったわ。
潤之助に認められた私は最高の女ね」
「そう・・・だな。そういうことになるかな」
少し違和感を覚えつつ俺は答えた。