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序章 ~想い・願い~
例えば、空を見上げて。
雲一つない青空で、心地よい風が吹いているときに、
「あー、仕事めんどくせえ。
このまま寝ていたい。」
と思えることが、どれほど幸せなのかということに。
満点の星が降り注ぐ静寂の夜、
「寂しい、怖い」と思わずに眠れていた毎日が、
どれほど幸せだったのかということに。
そんな当たり前のことに、気付かせてくれた舞桜。
人を愛することの強さも・・・弱さも、
知らなかった俺を優しく包み込んでくれた君に。
会いたい。
もう一度、会いたい。
心から、そう願うよ。