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神様にも聞こえない


ねぇ フォー


もう一度あの歌を歌って?

お母さん昔歌ってくれたあの哀しい歌


ねぇ フォー


お母さんは子守唄がわりに歌ってくれたから最後の歌詞をよく覚えていないけれど


私はいつも幸せな気持ちで眠りについていたから哀しいだけの歌ではなかったはず


フォー もう一度歌って?


今なら思い出せそうな気がするの

あの歌の続きを




                    ◆




話声が途絶えた

少しして少年が朽ちた小屋へと戻ってくる。そっと足音を殺し少女を起こさないように細心の注意を払っているのがわかる


少女は静かな寝息をたてている


夜は少し寒く、身体を丸め眠っている少女は

ひどく無防備でか弱く見えた



少年は少女の隣にしゃがみ

そっと、そおっと手を握る


小さな小さな手



瞬間


少女が微笑んだ

この世で一番の幸福を掴んだというように

瞳を閉じたまま眠りに落ちたまま


少年は微笑をうけて


泣きそうなほど


世界を忘れるほど


幸福だった










「      」


誰にも


神様にも

聞こえないほど小さく


少女にささやく




恐らくそれは生まれて死ぬ事に意味があるのなら

人が「命を懸けて解く謎」と呼ぶであろう感情の欠片



チリン


チリンチリン チリン


             …チリン



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