プロローグ
私、立花 沙也加には最近気になっている人がいる。
私が気になっている彼は、私がよく利用している街のお菓子屋さん『アテル』の店員さんー。
彼の名前は紗倉 肇さん。
忙しい店長さんに変わりお店を任されているそうで、私が訪れる際はいつもいらっしゃるイメージがある。
整った顔立ちといつも笑顔で優しく接してくれる姿はまるで絵本の中から出てきた王子さまみたいだ。
私は彼のことを密かに『お菓子屋の王子さま』と呼んでいる。
本日も仕事でくたくたになった体に甘いご褒美をと思い、お店へ赴いたもののお店の前には『臨時休業』の張り紙が…
「うそ!朝開いてたから楽しみにしてたのにぃ…」
残念、仕方ない…帰るか…と思いお店を後にしようとすると、お店の前に鍵が落ちているのが目に入った。
鍵についているタグには『アテル』の文字が…
慌ててお店に電話をするも、もちろん中に人はいないため返事はない。
「交番に届けた方がいいよね…?」
そう思い近くの交番へ向かおうとした時、少し先の路地に見慣れた後ろ姿が目に入った。
(あれ、アテルの紗倉さん…?)
鍵を届けないと…!と思い、私は急いで彼の後ろ姿を追いかけた。
まさか、追いかけた先であんなものを見ることになるとは…
この時の私は思うはずもない。




