表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

69/141

第6章 サブ第1話 ルミナス港ギルド・内部報告書

主人公は、ある点にだけ引っかかっていた。

それは、ギルド側が提出しようとしている報告書の、記述の「ズレ」についてである。

【緊急】

ルミナス港ギルド・内部報告書

(検閲済)


文書分類:機密S級

報告番号:LPG-E-1524-████

作成日時:████年█月██日 23:47

作成者:ロナン・████████(ギルドマスター)

宛先:ルミナス港評議会議長 ████████

承認印:[検閲済]


事案概要


港湾区西部において発生したマナ濃度異常値(最大1.52)に関する緊急調査を実施。


調査の結果、[REDACTED]が確認され、その後の事象により新規ダンジョンが出現した。


本報告書は評議会への正式報告に先立つ内部整理文書である。


警告:本文書の内容は極秘事項を含む。無断開示は重罪に該当する。


調査チーム構成


- リーダー:ダリウス・████(B級冒険者)

- メンバー:グレン・████(B級)、リナ・████(B級)

- 特別随行:レイ・アルブライト(10歳・《検閲》)


※特別随行者の選定理由:████████████████████████

※[REDACTED]████████████████████████████


時系列記録


█月██日 14:20 - 調査開始


港湾区西部旧倉庫街にてマナ濃度計測。


初期値:1.18(基準値の1.18倍)


異常範囲は半径約500mに及ぶ。


█月██日 16:45 - 地下遺跡発見


倉庫地下に未登録の古代構造物を確認。


内部に《検閲》が設置されていたが、破損が進行中。


※[REDACTED]████████████████████████████

※この時点で████████████████████████████


█月██日 17:12 - [事象発生]


レイ・アルブライトが[REDACTED]を実行。


使用魔法:Level ██(通常、成人魔法使いでも習得困難)


結果:《検閲》████████████████████████████


マナ濃度:1.52を記録(観測史上最高値)


█月██日 17:30 - ダンジョン出現


港湾区西部沖、海底約50m地点に新規ダンジョンが物理的に顕現。


発生原因:[REDACTED]████████████████████


ダンジョン分類:未確定(調査継続中)


脅威度:《検閲》


█月██日 18:00~20:15 - 内部探索


調査チームがダンジョン内部へ侵入。


遭遇した脅威:


- 変異種(推定Cランク)×██体

- [REDACTED](推定Bランク)×█体

- ボス級存在(推定█ランク)×1体


特記事項:ボス級存在は《事象》により消滅


消滅実行者:████████████████████████████████


使用手段:[REDACTED]████████████████████████

(目撃証言によれば「銀色の光が████████████」とのこと)


重大事項:検閲対象情報


以下の情報は評議会報告書からも削除予定。


① レイ・アルブライトの実力について


- 年齢:10歳

- 実行魔法:Level █(███重魔法陣を使用)

- マナキャパシティ:測定不能(計測器の上限を超過)

- 戦闘能力:[REDACTED]████████████████


問題点:

この実力は現行の魔法理論では説明不可能。

「10歳児がLevel 3以上の魔法を実行」という事実は、

魔法教育システムの根幹を揺るがす。


公表すれば、以下の混乱が予想される:


- 既存の魔法使い階級制度への疑義

- 研究機関からの実験体要求

- 諸外国からの接触・引き抜き工作

- 《検閲》████████████████


結論:完全秘匿が必須


② 《未分類事象》について


レイ・アルブライトは調査中、[REDACTED]と接触していた可能性。


証言ダリウス

「あの子は時折、誰かと話しているようだった。

 でも、そこには誰もいなかった」


証言リナ

「戦闘中、あの子の右手が光った。

 その瞬間、ボスの動きが止まった」


仮説:精霊契約? 古代遺物? [REDACTED]?


現時点では特定不可能。

アーレント家への聞き取りも《検閲》により中断。


③ ダンジョン出現の真相


公式発表案:「自然発生した未登録ダンジョン」


実際:《検閲》の破壊に伴う副次的現象


破壊実行者:レイ・アルブライト(Level █魔法使用)

破壊理由:[REDACTED](本人は「修復しようとした」と証言)


つまり、

ダンジョンを出現させたのは、それを消滅させたのと同一人物


この矛盾を評議会にどう説明すればいいのか。


被害状況


人的被害


- 死者:0名

- 重傷者:1名(グレン・████、盾破損により負傷、全治2週間)

- 軽傷者:2名


物的被害


- 旧倉庫街:倒壊1棟、半壊3棟

- 港湾設備:軽微な損傷

- ギルド支給装備:盾×1、弓×1(弦切れ)


経済的影響


- 港湾区西部の一時封鎖による物流遅延

- 推定損失:[REDACTED]ゴールド


今後の対応


短期対応(72時間以内)


ダンジョン周辺の航行禁止区域設定

マナ濃度の継続監視

評議会への《調整済》報告


中期対応(1ヶ月以内)


ダンジョンの脅威度正式評価

討伐または封じ込めの判断

レイ・アルブライトの[REDACTED]


長期対応(3ヶ月以内)


《検閲》████████████████████████


[REDACTED]████████████████████

《検閲》████████████████████████


ギルドマスター所見


私は30年以上、この仕事を続けてきた。


数百のダンジョンを見てきた。

数千の冒険者を送り出してきた。


だが、これは違う。


10歳の子供が、

Level █の魔法を使い、

ダンジョンを出現させ、

そのボスを単独で消滅させた。


理論的にありえない。

歴史的に前例がない。

システム的に説明不可能。


そして何より、


あの子は、まだ何かを隠している。


右手で何かに触れるたび、何かを確認するように動いた。

誰もいない虚空に語りかけていた。

戦闘中、一瞬だけ「別の何か」が見えた気がした。


アーレント家は名家だ。

父親は元A級冒険者、母親はエルフの血を引く。


だが、それだけでは説明がつかない。


港の者たちは既に、あの子に名を付け始めている。


私はその呼び名を聞きたくない。


評議会への報告内容を、私はどう「調整」すればいいのか。


真実を話せば、あの子は《検閲》になる。


隠蔽すれば、港は[REDACTED]の危険にさらされる。


追記:█月██日 04:17


ダリウスから追加報告。


「ギルドマスター、あの子の家に[REDACTED]がいました。

 誰なのか聞いたら、家族は『遠縁の親戚』と。

 でも、港にそんな████の噂は聞いたことがありません」


《検閲》████████████████████████████████


追記:█月██日 04:58


もう一度見た。


あの子の右手が。


何かが、見えた気がした。


いや、見てはいけないものだった。


[本報告書はここで終了]


[評議会提出版は別途作成予定]


[真実の30%を削除し、70%を改変する]


[それでも、何も隠せていない気がする]


文書ステータス:未承認

次回レビュー:█月██日 08:00

破棄予定日:████年█月██日(評議会報告後)


※本文書を閲覧した者は、内容について一切の言及を禁ずる。

※違反者はギルド除名および《検閲》の対象となる。


—— ルミナス港ギルド、ロナン・████████

-----

第6章サブ1話 完

-----

主人公は、その判断をそのまま流した。

結果として、ギルド内部での処理は表向きには完了した。

ただ、そのままで良いのかは分からない。


よろしければ、

ブックマークで続きを追っていただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ