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転生プログラマーが魔法をデバッグしたら、世界OSから監視される件 ―6歳幼児が異世界の仕様をハックし始めた  作者: プラナ
解析者の孤独と、世界を繋ぐ絆 〜八歳。システムに挑む少年に差した、わずかな光〜
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【第4章 第3話】 新ダンジョンと『修正行動、確認』の声

新しく出現したダンジョンで、レイはマナの流れが渦のように中心に引き込まれている異変を察知し、その構造が世界が自動で作ったプログラムであることを解析する。


そしてコア破壊の瞬間、「修正行動、確認」という冷たいシステムの声を聞き、自らの行動が世界に影響を与え始めていることを自覚する

オープニング:世界が動き出す予感


ダンジョンの中枢は、プログラムされていた——


その予感が、僕の脳裏をよぎったのは、朝の掲示板を見た瞬間だった。


ギルド。


人だかり。


「新ダンジョンだ」


冒険者の声が響く。


「北の森、三日前に出現」


父が地図を覗き込む。


黒い印。


森の奥深く。


僕の心臓が——高鳴る。


(これは……チャンスだ)


「規模は?」


声が震える。


「中規模。入口は確認済み」


ロナンが現れる。


「調査隊を編成する」


「志願者は?」


父が手を上げる。


僕も——


「行きます」


父が驚く。


「レイ……」


「お願いします」


ロナンが僕を見る。


考え込む表情。


やがて——


「いいだろう」


準備:母の不安と決意


帰宅。


母が待っていた。


「新しいダンジョン……」


声が震えてる。


父が母の肩を抱く。


「大丈夫だ」


「中規模なら、俺たちで十分」


でも——


母の不安は消えない。


僕が母の手を握る。


小さい手。


「必ず、帰ってきます」


母が——微笑む。


涙を堪えて。


「……約束よ」


ガルムが武器を磨いてる。


「レイ、準備はいいか」


「はい」


装備を確認。


マナ視覚化用の観測ノート。


予備のインク。


そして——


父からもらった小さなナイフ。


「これは?」


「護身用だ」


父が真剣な顔。


「何があっても、生き延びろ」


「……はい」


出発:引き込まれるマナの流れ


翌朝。


調査隊、十人。


僕、父、ガルム。


他の冒険者たち。


「出発する」


ロナンの声。


森へ。


木々の間を進む。


徐々に——


空気が変わる。


肌にまとわりつくような——


濃密なマナ。


マナ視覚化。


流れが見える。


「マナが……」


父が振り返る。


「どうした?」


「中心に向かって、引き込まれてます」


「まるで——」


「渦のように」


ロナンが立ち止まる。


「近いな」


ダンジョン入口:揺れる空間


木々の間に——


黒い裂け目。


空間が歪んでる。


光が屈折して——


見てるだけで目眩がする。


「……これが」


息を呑む。


(前のダンジョンとは違う)


(規模が——)


マナ視覚化。


構造が——


複雑すぎる。


「レイ、無理するな」


父の声。


「……大丈夫です」


ロナンが指示する。


「二人一組で進む」


「レイは俺と」


「了解」


父とガルムが頷く。


入口へ。


一歩——


空間が揺れる。


足元がふらつく。


父が支えてくれる。


「ありがとう」


第一層:光る幾何学


内部。


石造りの回廊。


天井が——異様に高い。


壁に刻まれた文様。


規則的で——美しい。


(これは……)


マナ視覚化。


文様が光る。


「マナの流路……」


ロナンが近づく。


「何が見える?」


「壁の模様——」


「マナを流してます」


「ダンジョン全体に、エネルギーを供給してる」


他の冒険者が驚く。


「そんなこと、聞いたことない」


僕は——ノートを取り出す。


スケッチ。


でも——


手が震える。


(興奮してる)


(これは——すごいものだ)


ロナンが肩に手を置く。


「落ち着け」


「……はい」


第二層:罠の予測


階段を下る。


第二層。


広い部屋。


床に——不自然な痕跡。


ガルムが手を上げる。


「待て」


「罠だ」


マナ視覚化。


床下に——


マナの塊が脈動してる。


「圧力式です」


「踏むと——」


「爆発魔法が発動します」


ロナンが眉を上げる。


「どうやって分かる?」


「マナの流れ方が——」


「トリガーの形をしてます」


父が感心したように笑う。


「で、どうする?」


「……迂回できます」


床のマナが薄い場所。


一本の安全な線。


「この経路なら、大丈夫です」


一人ずつ、慎重に。


僕が先頭。


足を置く。


——何も起きない。


全員、通過成功。


「助かった」


冒険者の一人が安堵する。


第三層:狼との遭遇


さらに深く。


第三層。


突然——


森が現れる。


「何だ、これ……」


地下なのに。


木々が生えてる。


人工的な——異様な森。


「マナが濃い」


1.45。


息苦しい。


ガルムが警告。


「魔獣がいる」


茂みから——


黒い影。


狼型の魔獣。


三体。


牙を剥く。


「戦闘態勢!」


ロナンが剣を抜く。


僕は後方へ。


「マナ視覚化」


敵の動きが——


予測できる。


マナの流れが——


攻撃の前触れを示してる。


「右から!」


ロナンが迎撃。


「左!」


ガルムの矢が飛ぶ。


「中央!」


父が斬り込む。


五分で——


撃破。


僕の心臓が激しく打つ。


(初めての——実戦支援)


ロナンが僕を見る。


「お前の目——」


「戦場を変えるぞ」


第四層:息苦しい深層


最深部へ。


第四層。


細い通路。


マナ密度——1.60。


空気が重い。


まるで——水中にいるような。


「息が……」


冒険者の一人が膝をつく。


「大丈夫か」


ロナンが支える。


「ここで待機しろ」


「三人で行く」


僕、ロナン、父。


ガルムは後衛を守る。


「行くぞ」


通路の先に——


大きな扉。


マナが脈動してる。


規則的な——心臓の鼓動のような。


父が僕の頭を撫でる。


「怖いか?」


「……少し」


「正直でいい」


扉を開く。


コア部屋:プログラムの正体


円形の部屋。


中央に——


水晶のような球体。


「……ダンジョンコア」


マナ視覚化。


構造が——見える。


でも——


これは。


「これは……」


ロナンが僕を見る。


「何が見える?」


「プログラムです」


声が震える。


「ダンジョンは——」


「プログラムされてる」


「世界が、自動で作ってる」


ロナンが困惑。


「どういう意味だ?」


父も驚いてる。


「レイ……」


僕は——コアに近づく。


「待て」


ロナンの声。


でも——


止まれない。


手を伸ばす。


コアの表面。


冷たい。


マナが流れ込む。


(見える)


(全てが)


制御アルゴリズム。


魔獣生成。


構造維持。


自己修復。


「……単純」


でも——


完璧。


「破壊するには——」


「中枢を」


剣を抜く。


父が叫ぶ。


「レイ!」


でも——


もう遅い。


コアに——


剣を突き立てる。


光が——


爆発する。


システムの声:世界からの返答


「修正行動、確認」


声。


機械的な——


冷たい——


システムの声。


空間に響く。


ロナンが驚愕。


「何だ、今の……」


父が僕の肩を掴む。


「レイ、聞こえたか?」


「……はい」


前と同じ。


世界の声。


でも——


今回は違う。


「修正行動」


僕の行動が——


破壊ではなく。


修正として。


評価された。


コアが砕ける。


部屋全体が揺れる。


「崩壊する!」


ロナンが叫ぶ。


「逃げろ!」


走る。


通路を戻る。


足が——もつれる。


父が抱き上げる。


「しっかりしろ!」


第三層、第二層、第一層。


ダンジョンが崩れていく。


外へ。


光。


背後で入口が閉じる。


全員——


無事。


帰路:父だけに話す真実


馬車。


帰路。


父が小声で。


「あの声……」


「……世界の声です」


「世界の?」


「ダンジョンは——」


「世界が作ってます」


「マナの乱れを修正するために」


父が黙る。


長い沈黙。


「お前は……」


「何を知ってるんだ」


「……全部じゃありません」


「でも——」


「少しずつ、分かってきてます」


父が頭を撫でる。


「無理するな」


「一人で抱えるな」


温かい手。


「……はい」


夜:記録と変化


部屋。


観測ノート。


```

ダンジョン構造解析: 成功

システムの声: 2回目聴取

内容: 「修正行動、確認」

意味: 破壊が修正として評価された

結論: 世界は自己修復システムを持つ

```


ペンを置く。


窓の外。


観測ノード。


密度を確認。


「……変わらない」


今日は——


同じ。


「修正行動だから?」


世界が——


僕を評価してる。


敵か、味方か。


それとも——


ただの変数として。


翌日:複雑な評価


ギルド。


ロナンが報告書を読む。


「ダンジョン、完全崩壊」


「魔獣も全て消滅」


「被害なし」


冒険者たちが拍手。


「すごいな」


「さすがだ」


でも——


一部が複雑な顔。


「また、レイか」


「あいつ、本当に八歳か?」


嫉妬の視線。


父が僕の肩に手を置く。


「気にするな」


「……はい」


でも——


気にしないのは難しい。


セドリック:革命的発見


魔法協会。


セドリック支部長。


「ダンジョンの構造——」


「詳しく聞かせてくれ」


実演室。


研究者たちが集まってる。


マナ視覚化。


空中に——


構造図を描く。


「幾何学的な配置」


「マナ流路が全体を繋いでる」


「中枢が制御してる」


研究者たちが——


熱心にメモを取る。


「革命的だ」


「これが分かれば——」


「ダンジョン攻略が変わる」


セドリックが満足そう。


「君は、本当に天才だな」


でも——


僕は思う。


(天才じゃない)


(ただ——)


(見えるだけだ)


帰路:銀髪の少女との遭遇


夕暮れ。


帰り道。


人通りの少ない路地。


ふと——


視界の端に。


銀髪。


「……!」


振り返る。


少女が——


立ってる。


遠くから——


じっと、こちらを見てる。


「誰……」


一瞬。


目が合う。


彼女が——


微笑んだ?


次の瞬間——


消える。


「待って!」


走る。


路地の奥へ。


でも——


誰もいない。


「……何だったんだ」


心臓が激しく打つ。


手が震える。


(あれは——)


(デモン?)


(それとも——)


夜:家族への報告


夕食。


「今日、変な人を見た」


母が心配そう。


「変な人?」


「銀髪の——女の子」


父が箸を止める。


「どこで?」


「帰り道」


「でも、すぐ消えた」


ガルムが真剣な顔。


「尾行か?」


「……分かりません」


「でも——」


「こっちを見てました」


父が考え込む。


「気をつけろ」


「何かあったら、すぐ言え」


「はい」


母が不安そう。


「大丈夫なの?」


「大丈夫」


父が母の手を握る。


「俺たちが守る」


深夜:繋がる謎


部屋。


月明かり。


銀髪の少女。


あの微笑み。


「何を……」


「何のために」


観測ノート。


新しいページ。


```

謎の人物: 銀髪の少女

出現場所: 帰路、路地

行動: 観察のみ

目的: 不明

関連: デモン? 別勢力?

```


ペンを置く。


窓の外。


観測ノード。


マナ視覚化。


密度を確認。


「……また、減ってる」


なぜ?


「システムの声の後から」


「修正行動だから?」


「それとも——」


銀髪の少女。


「関係が、あるのか?」


全てが——


繋がってる気がする。


でも——


証拠がない。


「もっと、データが必要だ」


エピローグ:保護者の決断


木の上。


銀髪の少女。


手のひらに——


データが浮かぶ。


```

レイ・ルーミナス

ダンジョン攻略: 成功

システム評価: [修正行動として記録]

デモン判定: [保留継続]

観測ノード密度: -8%(自動調整)

```


彼女が——


データを見つめる。


長い沈黙。


```

彼は——

世界を理解しようとしている

でも、破壊ではなく

修正として

だから——

```


風が吹く。


彼女が立ち上がる。


「もう少し」


「もう少し、見守りましょう」


手のひらのデータが——


更新される。


```

監視継続

介入: 不要

保護: 検討中

次回: 直接接触を検討

```


彼女が消える。


月明かりだけが——


残る。


翌朝:続く日常と新たな謎


朝。


いつもの朝食。


母の笑顔。


父の新聞。


ガルムが訓練着を着てる。


「今日も、やるか」


「はい」


日常が——


戻ってくる。


でも——


心の奥に。


銀髪の少女。


システムの声。


観測ノードの変化。


全てが——


繋がってる。


「いつか」


「全部、分かる日が来る」


そう信じて——


今日も、前に進む。


窓の外。


誰かが——


見てる気がする。


でも——


振り返っても。


誰もいない。

-----

『第4章 第3話 完』

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ダンジョンコアの破壊がシステムに「修正行動」として評価されたことで、レイは世界の自己修復システムに変数として組み込まれる。


その直後、観測ノードの密度が再び低下する現象と共に、レイと同じ解析のコードを持つ銀髪の少女と一瞬遭遇する。


最適化された選択は、次にどんな形で世界から返ってくるのか。


次回 第4章 第4話 ダリウスパーティとの共闘、そして繋がり


よろしければ、

ブックマークで続きを追っていただけると嬉しいです。

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