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転生プログラマーが魔法をデバッグしたら、世界OSから監視される件 ―6歳幼児が異世界の仕様をハックし始めた  作者: プラナ
規格外の【確率深度】がバレた! エルフ教育とデモン監視システムからの最初の警告
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【第2章 第8話】 視界の代償と選択の岐路

初の冒険者依頼。主人公は自らの「マナ視覚」に従い、通常ルートの半分の距離で薬草群生地へとたどり着く。


この非効率を嫌う最適化された行動は、同行したベテラン冒険者たちの常識に、静かな違和感として突き刺さる。

世界が——コードに見える。


「いた……い……」


視界が、情報で溢れる。


数ヶ月後


5歳になった。


魔法禁止令が解除されて、3ヶ月。


(もう、暴走はしない)


(でも……理解は深めたい)


あの警告を忘れてない。


世界に怒られる恐怖。


でも——


知りたい。


実験部屋


「マナを……見たい」


僕は魔法理論書を閉じた。


図で説明されてる。


マナの流れ。


確率の分布。


(実際に見えたら……もっと理解できる)


ダンジョンコアで無意識に発動したあの感覚。


(あれを……意識的に制御できれば)


僕は手を前に伸ばす。


術式を構築。


「マナ視覚化——試作版」


自作の魔法。


光の糸が編まれる。


複雑な構造。


でも、理論は完璧。


「……発動」


視界の変化


世界が——変わった。


マナが見える。


空気中に漂う、光の粒子。


川のように流れてる。


「すごい……」


壁に——光の糸が走ってる。


マナの流れ。


地脈の末端。


家の構造に沿って。


美しい。


でも——


視界に情報が殺到する。


光の粒子。


流れの方向。


確率の分布。


数式が浮かぶ。


パラメータが見える。


幾何学模様が重なる。


「う……」


頭が——


締め付けられる。


情報過多。


脳が処理しきれない。


「いた……い……」


視界が歪む。


赤く点滅する。


[ERROR]


足がもつれる。


倒れる。


意識が——


目覚め


「あなた!」


母の声。


僕は目を覚ました。


ベッドに寝てる。


「……まま?」


「気絶したのよ!」


母が涙目。


「また無理して!」


「ごめん……なさい……」


頭が痛い。


でも——


(見えた……マナが、見えた……)


興奮が残ってる。


「もう……」


母が僕を抱きしめる。


「心配したんだから」


「……うん」


「でも、すごかった」


僕は笑う。


「せかいが……コードに見えた」


「コード?」


「うん。全部……見えた」


母が驚く。


「あなた……また、新しい魔法を?」


「……うん」


「でも……いたい」


母が僕の額に手を当てる。


「熱はない……でも疲れてるのね」


「……うん」


「休みなさい」


「……はい」


訓練


それから、毎日。


僕はマナ視覚化を練習した。


(最初は10秒だけ)


(慣れたら30秒)


(徐々に伸ばす)


少しずつ。


時間を短く。


情報量を制限。


頭痛は続く。


でも——


制御できるようになってきた。


視覚化のON/OFF。


情報のフィルタリング。


(デバッグみたいだ)


(少しずつ、最適化)


1ヶ月後。


僕は5分間、視覚化を維持できるようになった。



ある夜。


僕は夢を見た。


世界が——コードだけになる。


マナの流れ。


確率の分布。


そして——


その奥に。


巨大な——


光の塊。


「これは……」


僕は近づく。


光が眩しい。


でも——


怖くない。


懐かしい。


(これが……世界のソースコード?)


光が僕を包む。


温かい。


そして——


声が聞こえた。


無機質な声。


システム管理者のような。


『観測者。』


「え……」


『汝、世界を見る者。』


「だれ……?」


『理解セヨ。干渉スルナカレ。』


「……」


『視界ハ、代償ヲ伴ウ。』


「だいしょう……?」


『知覚ハ、苦痛トナル。』


「……」


『選ベ。視界カ、安寧カ。』


光が消える。


僕は——


目を覚ました。



「悪い夢でも見た?」


母が聞く。


「……ふしぎな、夢」


「どんな?」


「世界が……光だった」


母が微笑む。


「良い夢ね」


「……うん」


でも——


(あれは……警告だった)


(視界の代償……)


アリエルの訪問


数日後。


アリエルさんが来た。


「新しい魔法を作ったって」


「……うん」


「見せて」


アリエルさんが真剣な顔。


僕は手を前に出す。


術式を構築。


「……発動」


世界が変わる。


マナが見える。


アリエルさんの周りに——


濃密なマナの流れ。


エルフは高純度。


「見える……」


僕は呟く。


「アリエルさんの周り……マナが濃い」


「……」


アリエルさんが息を呑む。


「本当に見えてるの?」


「うん」


「どのくらい?」


「流れの方向……濃度……パラメータ……全部」


アリエルさんが黙る。


そして——


「解除して」


「……うん」


僕は魔法を解除した。


頭が痛い。


「いた……」


「大丈夫?」


「……うん」


アリエルさんが僕の肩に手を置く。


「あなたは……」


「これで、全部の魔法レベルを超えた」


「……全部?」


「ええ」


アリエルさんが微笑む。


「一般魔法、上級魔法、古代魔法」


「そして——独自魔法」


「あなたは、もう……教えることがない」


「……」


「だからこそ——」


アリエルさんが真剣な顔。


「選ばなければならない」


「……えらぶ?」


「そう。あなたの未来を」


選択肢


「4つの道がある」


アリエルさんが座る。


「まずは、お父さんの仕事を継ぐ道」


「商人ギルド学校。安全で、家族と一緒」


「……でも、つまんなそう」


僕は正直に言った。


アリエルさんが苦笑い。


「正直ね」


「次は、王都の魔法学院」


「高度な教育。同レベルの仲間」


「……でも」


僕は黙る。


「また、孤立するかも」


「そうね。貴族も多いし、政治的」


アリエルさんが頷く。


「3つ目は、私の故郷」


「エルフ領域留学」


「……アリエルさんと、学びたい」


僕は迷う。


「でも……家族と離れるのは……」


「分かってる」


アリエルさんが優しく言う。


「最後は——」


「家庭教育と冒険者準会員」


「ぼうけんしゃ……」


僕の目が輝く。


「自由で、実践的。家族と一緒」


「でも、危険よ」


「……」


「家族と話して」


アリエルさんが立ち上がる。


「どの道を選んでも、あなたはあなた」


「……うん」


家族会議


その夜。


家族会議が開かれた。


父、母、僕。


「どう思う?」


父が聞く。


「……わからない」


僕は正直に言う。


「そうか」


父が頷く。


「商人ギルド学校は……」


父が苦笑い。


「お前には退屈だろうな」


「魔法学院は政治の世界だ」


「貴族が多い。お前を利用しようとする奴もいる」


「……」


「エルフ領域は……」


父が黙る。


長い沈黙。


「お前と、離れるのか」


父の声が震える。


「……とうさん」


「でも」


父が僕を見る。


「お前が望むなら、応援する」


母が泣きそうな顔。


「……わたしも」


「……」


僕は迷う。


(家族と離れるのは……やだ)


「冒険者は……」


父が笑う。


「面白そうだな」


「おもしろい?」


「ああ。お前らしい」


父が言う。


「俺たちと一緒」


「でも——」


母が心配そう。


「危ないわ」


「……うん」


僕は頷く。


「でも……ぼく、まもりたい」


「家族を」


「みんなを」


「だから……強くなりたい」


父が僕の頭を撫でる。


「そうか」


決断


「じゃあ、お前の好きにしろ」


父が言う。


「え……」


「お前の人生だ」


父が真剣な顔。


「俺たちは、応援する」


「どの道を選んでも」


母も頷く。


「どこに行っても」


「ここが、家だから」


「……」


僕は考える。


4つの道。


それぞれの未来。


(ぼくは……どうしたい?)


(家族と一緒がいい)


(でも……強くなりたい)


(冒険……してみたい)


(世界を……もっと知りたい)


僕は——


決めた。


「ぼく……」


「冒険者準会員」


父が微笑む。


「そうか」


母が涙を拭く。


「……危ないけど」


「守るわ」


「ありがとう……」


僕は家族を見る。


「ぼく……がんばる」


父が僕を抱きしめる。


強く。


「ああ。一緒に頑張ろう」


エピローグ


アリエルの最終報告書。


```

【最終評価】

対象:港町の異常個体

年齢:5歳

事象:独自魔法「マナ視覚化」完成

評価:

- 魔法能力:全レベル超越

- 独自性:前例なし

- 危険度:制御可能範囲内

- 社会的選択:家庭教育+冒険者準会員

所見:

才能の頂点に到達。

しかし、家族との絆を選んだ。

これは……正しい選択かもしれない。

彼を見守り続ける。

```


デモン監視システム。


最終ログ。


```

【対象:個体ID-7829】

年齢:5歳

能力:独自魔法開発

選択:家庭教育+実践訓練

評価:リスク管理良好

判定:

- 家族関係:安定

- 社会的役割:確立見込み

- 暴走リスク:低下傾向

対応:監視継続(緩和)

許可:冒険者準会員登録を承認

```


港町のギルド。


冒険者たちが噂してた。


「あの天才児、冒険者になるって」


「マジで?」


「準会員だけど」


「5歳で?」


「ああ。ギルドが特例認めたらしい」


「……化物だな」


「でも、家族と一緒らしい」


「それなら……まあ」


噂が広がる。


《天才児の新たな道》


《冒険者への挑戦》


そして——


《家族と共に》


その夜。


僕は窓から星を見てた。


「きれい……」


星空。


マナの流れが見える。


宇宙まで続く、光の川。


「すごいな……」


「見てるの?」


母が来る。


「……うん」


「きれい?」


「うん。とても」


母が隣に座る。


「これから、大変よ」


「……うん」


「でも、頑張るのね」


「……うん」


僕は母を見る。


「まま」


「何?」


「ありがとう」


「……」


母が微笑む。


「どういたしまして」


「いつでも、ここにいるから」


「……うん」


僕は星を見た。


新しい未来が——


始まる。


-----

第2章 完

第8話 完

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マナの可視化による最短ルートと効率的な採取法が、ベテラン冒険者たちの常識を打ち破った。


だがその裏側で、彼の「普通ではない行動」は、世界を管理する監視システム(デモン)のログに刻み込まれる。


最適化された選択は、次にどんな形で世界から返ってくるのか。


次回 第2章 第5話〜第8話:最近のあの子の噂


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