表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生プログラマーが魔法をデバッグしたら、世界OSから監視される件 ―6歳幼児が異世界の仕様をハックし始めた  作者: プラナ
境界線の観測者 ―身分なき少女と、許可深度を超過した少年の2週間―
131/142

【第7章 第30話】 積み重なる予感

レイは、グラフが描く「加速の曲線」という小さな仕様に強い興味を抱いた。

──それが、世界を同期させる「合図」の秒読みになるとも知らずに。

朝。


窓を開ける。


測定器を取り出す。


北へ向ける。


——光った。


「……!」


昨日より、強い。


確実に。


「セラ!」


セラフィナが駆け寄る。


「どうしました?」


「また強くなってる!」


測定器を見せる。


光。


明滅。


不規則。


だけど——昨日より速い。


セラフィナが目を細める。


「本当ですね……」


ノートを開く。


昨日の記録を見る。


そして——


指で、グラフをなぞる。


「……あ」


「どうしたの?」


「レイ、これ……」


「増加の仕方が、変わってます」


レイが身を乗り出す。


グラフを見る。


曲線。


最初は緩やか。


だけど——


途中から、カーブが急になる。


「加速してる……?」


セラフィナが頷く。


「はい」


「一定速度じゃない」


「何かが……速度を上げてます」


レイが測定器を見る。


明滅。


速い。


確実に。


「……面白い」


思わず、呟いていた。


セラフィナが微笑む。


「楽しいんでしょ?」


「え……」


「データが、揃ってきて」


「パターンが、見えてきて」


レイが頷く。


「……うん」


「面白い」


「すごく」


岸。


岩場。


塔を見る。


青い光の柱。


細く。


安定。


変わらず。


「塔は……」


「変わってないね」


セラフィナが測定器を回す。


北へ。


「……あ」


「また?」


「はい」


「朝より、もっと強いです」


レイが測定器を受け取る。


向ける。


光る。


明滅。


——数える。


「……五秒」


「昨日、六秒だった」


「また、速くなった……!」


セラフィナが呟く。


「加速してるだけじゃない……」


「明滅の間隔も、変わってます」


レイが目を見開く。


「じゃあ……」


「波が、近づいてるだけじゃない」


「波そのものが……」


「変化してる……?」


セラフィナが頷く。


「塔に、近づいてる」


「そして……」


「塔に、合わせてる」


レイが呟く。


「……合わせてる?」


ガルムが呟く。


「風が……」


「ざわついてる」


「北の方……」


「何か、大きくなってる」


レイが測定器を見る。


明滅。


五秒。


確実に、速くなってる。


「……記録、続けよう」


「明日も」


「きっと、もっと変わる」


セラフィナが頷く。


「はい」


「一緒に」


ギルド。


エルネストが地図を広げてる。


「おはよう」


「おはよう!」


レイが駆け寄る。


ノートを見せる。


「これ、見てください」


「加速してます」


「しかも、明滅も速くなって——」


エルネストがノートを見る。


グラフ。


曲線。


加速。


「……本当だな」


「他の塔は?」


マルコが紙を持ってくる。


「報告です」


エルネストが受け取る。


読む。


「……変わらず、か」


「他の塔は、三秒脈動で安定」


「光の強さも、変化なし」


レイが呟く。


「北だけ……」


エルネストが頷く。


「ああ」


「北だけが、変化してる」


レイがノートを見る。


グラフ。


カーブ。


「このままだと……」


「十九日より、早く着くかも」


セラフィナが呟く。


「いつ着くか……」


「計算、できません」


「加速率が、分からないから」


エルネストが腕を組む。


「ならば、観測を続けろ」


「データが増えれば……」


「何か、見えるかもしれん」


レイが頷く。


「はい!」


五日目。


朝。


測定器を向ける。


北へ。


光る。


明滅。


——三秒。


「……!」


ノートを開く。


書き込む。


「三秒……」


「昨日、五秒だった」


「また……」


「二秒も、速くなった……!」


セラフィナが測定器を見る。


「明日は……」


「もっと速く……?」


レイが呟く。


「分からない……」


「でも……」


「確実に、近づいてる」


岸。


測定器を向ける。


北へ。


光る。


明滅。


三秒。


変わらず。


「……あれ?」


セラフィナが覗き込む。


「止まりました?」


「うん……」


「朝と、同じ」


「三秒」


レイがノートを見る。


グラフ。


カーブ。


そして——


水平線。


「減速……?」


「いや……」


セラフィナが呟く。


「安定、です」


「何かに……」


「合わせた」


レイが目を見開く。


「……!」


「塔の脈動……三秒」


「北からの信号……三秒」


「同じ……!」


セラフィナが頷く。


「同期、したんです」


「塔と……」


「波が」


レイが測定器を見る。


塔を見る。


そして——


もう一度、測定器を北へ向ける。


光る。


明滅。


三秒。


三秒。


三秒。


——揃ってる。


完全に。


「……きれいだ」


思わず、呟いていた。


セラフィナが微笑む。


「はい」


「きれい、ですね」


ガルムが呟く。


「風が……」


「落ち着いてる」


「昨日より……」


「ざわざわしてない」


レイが測定器を見る。


「同期してから……」


「何かが、変わった」


セラフィナが呟く。


「準備、です」


「波が来るための……」


「準備」


六日目。


朝。


測定器を向ける。


北へ。


光る。


明滅。


三秒。


変わらず。


「……まだ、三秒」


セラフィナが測定器を見る。


「でも……」


「強度が、上がってます」


「昨日より……」


「確実に」


レイが目を見開く。


「本当だ……」


「同期してから……」


「強度が、上がってる」


セラフィナが呟く。


「近づいてます」


「ゆっくり……」


「でも、確実に」


夜。


窓辺。


測定器を向ける。


北へ。


光る。


明滅。


三秒。


だけど——


光が、強い。


朝の、倍。


「……!」


「セラ、これ……」


セラフィナが測定器を見る。


「……強いです」


「このままだと……」


「明日……?」


レイが頷く。


「明日、着くかも」


二人、顔を見合わせる。


「……本当に?」


「分かりません」


「でも……」


「もう、すぐそこです」


レイが測定器を見る。


光。


明滅。


三秒。


強い。


「明日……」


「何が、来るんだろう」


セラフィナが呟く。


「分かりません」


「でも……」


「きっと……」


「すごいこと、です」


レイが頷く。


「うん……」


「一緒に、見よう」


セラフィナが手を取る。


「はい」


「一緒に」


七日目。


朝。


窓を開ける。


測定器を取り出す。


北へ向ける。


光が、止まらない。


「……!」


測定器が、ずっと光ってる。


明滅、してない。


ただ——


光り続けてる。


「セラ……!」


「来た……!」


セラフィナが駆け寄る。


測定器を見る。


「……着きました」


「波が……」


「ここまで、来ました」


レイが窓の外を見る。


北の空。


何も、見えない。


だけど——


測定器は、光ってる。


「来てる……」


「確かに、来てる……!」


二人、顔を見合わせる。


笑う。


「やった……!」


「はい……!」


岸。


岩場。


塔を見る。


青い光の柱。


細く。


安定。


変わらず。


「……あれ?」


セラフィナが測定器を向ける。


「マナ濃度……」


「変わってません」


レイが測定器を回す。


北へ。


光る。


ずっと。


「波は、来てる……」


「でも、塔は……」


「何も、変わらない」


セラフィナが呟く。


「……待ってる」


レイが振り返る。


「待ってる?」


「はい」


「波が来ても……」


「塔は、動かない」


「何かを……」


「待ってます」


ガルムが呟く。


「塔が……」


「準備、してる」


レイが塔を見る。


青い光の柱。


細く。


安定。


静か。


不自然なほど——


静か。


「……何を?」


セラフィナが呟く。


「合図、です」


「波が来て……」


「塔が待ってて……」


「次は……」


「何かの、合図」


レイが頷く。


「合図が来たら……」


「塔が、動く」


セラフィナが測定器を見る。


「じゃあ……」


「明日も、測りましょう」


「合図が、どこから来るか……」


「確かめましょう」


レイが頷く。


「うん」


「明日、もっと近くで測ってみよう」


「塔の、すぐそばで」


セラフィナが微笑む。


「はい」


「一緒に」


二人、塔を見る。


青い光の柱。


細く。


安定。


静かに——


待っている。


何を待っているのか。


まだ、分からない。


でも——


確かに、次がある。


もうすぐ。


-----

第7章 第30話 完

-----

北からのマナの波が七日目に到達。

測定器は連続発光を示すが、塔は静かに待ち続ける。

次に来るのは——「合図」。

明日、二人は塔のすぐそばで、それを確かめる。


よろしければ、ブックマークで続きを追っていただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ