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転生プログラマーが魔法をデバッグしたら、世界OSから監視される件 ―6歳幼児が異世界の仕様をハックし始めた  作者: プラナ
境界線の観測者 ―身分なき少女と、許可深度を超過した少年の2週間―
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【第7章 第28話】 広がる光

この世界の魔法は、思った以上に素直だ。

だからこそレイは、塔に刻まれた「螺旋の記号」という小さな符合に強い興味を抱いた。

──それが、大陸全土を巻き込む巨大なシステムを呼び覚ます一歩になるとも知らずに。

朝。


窓を開ける。


塔を見る。


「……あ」


光の柱。


昨日より、細い。


青が、濃い。


レイが測定器を取り出す。


向ける。


「変わってる……!」


セラフィナが隣に来る。


「どう、変わりました?」


「細くなった」


「青が、濃くなった」


「でも……」


測定器を見る。


「マナ濃度は、また下がってる」


セラフィナが頷く。


「効率が、上がったんです」


「同じマナで、もっと遠くまで」


レイが笑う。


「すごい……」


「塔、進化してる」


「見に行こう!」


ギルド。


エルネストが地図を広げてる。


「おはよう」


「おはよう!」


レイが駆け寄る。


地図。


港町の東に、点。


レイの指が、点をなぞる。


「これ……」


指が、止まる。


南。


西。


北。


点。


点。


点。


「……四つ?」


エルネストが別の紙を置く。


大陸全体。


十二の点。


レイの息が、止まる。


「十二……!」


指でなぞる。


一つ。


二つ。


三つ。


「塔の記号と、同じ……!」


セラフィナが地図を覗き込む。


「レイ、配置……」


「螺旋状に、見えませんか?」


レイが目を見開く。


「そうか!」


指で線を引く。


東から南へ。


南から西へ。


西から北へ。


「螺旋だ……!」


エルネストが頷く。


「気づいたか」


レイがスケッチを取り出す。


塔の記号。


螺旋状。


地図と、並べる。


「同じ……」


「塔の記号が、世界の地図……?」


セラフィナが測定器を向ける。


「じゃあ、記号は……」


「世界そのものを、表してた……?」


エルネストが腕を組む。


「昨夜、ギルド本部から連絡があった」


「南の塔で、光が観測された」


レイが振り返る。


「いつ?」


「昨日の夕方」


「お前が修復を終えた、数時間後だ」


レイが地図を見る。


南。


三日の距離。


「届いた……」


「信号が、届いた!」


マルコが入ってくる。


紙を渡す。


「他の塔も、だ」


レイが受け取る。


読む。


目を走らせる。


「西の塔……光」


「北の塔……光」


「全部……?」


マルコが頷く。


「大陸全体で、十二の塔」


「すべて、光が観測された」


レイがスケッチに書き込む。


十二の点。


すべてに、丸。


「全部、つながった……!」


セラフィナが呟く。


「レイが、世界を……」


レイが笑う。


「ううん」


「塔が、世界を動かしてた」


「僕は、ちょっと手伝っただけ」


エルネストが紙を置く。


「報告書の写しだ」


レイが受け取る。


読む。


「青い光……三秒……」


「同じ!」


セラフィナが覗き込む。


「脈動も……」


「完全に、同じです」


レイが地図を見る。


十二の点。


全部、光ってる。


「世界が……」


「動いてる」


エルネストが呟く。


「だが、何のために光ってるのか」


「それが、分からん」


レイが測定器を取り出す。


地図に向ける。


回す。


東。


南。


西。


北。


「……あ」


「どうした?」


「東が、一番強い」


測定器を見せる。


「南も、少し反応してる」


セラフィナが測定器を受け取る。


向ける。


「本当です……」


「方向で、違う」


レイが笑う。


「信号、来てる……!」


「他の塔から、信号が来てる!」


エルネストが頷く。


「つながってる、証拠だな」


レイがスケッチに書き込む。


矢印。


東から西へ。


南から北へ。


「流れてる……」


「マナが、世界中を流れてる」


港。


岩場。


塔を見る。


光の柱。


細く。


青く。


脈動。


三秒。


レイが測定器を向ける。


「やっぱり……」


「細くなってる」


セラフィナが頷く。


「青も、濃いです」


ガルムが呟く。


「静かだ……」


「もっと、落ち着いてる」


レイが笑う。


「塔、元気になってる」


セラフィナが空を見る。


「光の柱……」


「どこまで、届いてるんでしょう」


レイが測定器を向ける。


上。


光る。


「すごく、高い……」


「見えないところまで」


セラフィナが呟く。


「他の塔にも……」


「届いてるかもしれません」


レイが頷く。


「うん」


「全部、つながってる」


「世界が、一つになってる」


父が手を置く。


「すごいことを、したな」


レイが首を傾げる。


「僕、何もしてないよ」


「塔が、勝手に動いただけ」


父が笑う。


「それを、動かしたのがお前だ」


レイが照れる。


「えへへ」


夜。


宿の窓。


塔を見る。


光の柱。


細く。


青く。


脈動。


三秒。


セラフィナが隣に座る。


「すごかったですね」


「うん」


「十二の塔、全部」


「世界が、動いた」


セラフィナが測定器を見る。


「でも……」


「これで、終わりじゃない」


レイが頷く。


「うん」


「まだ、分からないことがある」


「信号が、何を呼んでるのか」


セラフィナが測定器を取り出す。


窓に向ける。


「……あ」


「どうしたの?」


「レイ、これ……」


測定器を見せる。


光ってる。


弱く。


不規則に。


「反応……?」


「どこから?」


セラフィナが測定器を回す。


北。


光が、強くなる。


「北……」


「すごく、遠いです」


「でも……」


「確かに、来てます」


レイが目を輝かせる。


「北の塔……?」


「分かりません」


「でも、信号……」


「こっちに、来てます」


レイが笑う。


「試したい」


「確かめたい」


セラフィナが手を取る。


「危ないかもしれません」


「大丈夫」


「セラが一緒だから」


「一緒に、見よう」


セラフィナが微笑む。


「はい」


「一緒に」


測定器を見る。


光。


弱く。


不規則に。


北から。


来てる。


何かが、来てる。


二人は、まだ知らない。


でも——


知りたい。


試したい。


確かめたい。


それが、レイだから。


それが、二人だから。


-----

第7章 第28話 完

-----

大陸全土の十二の塔すべてが光を放ち、世界規模のマナ循環システムが起動。

レイは地図と塔の記号の対応を発見し、世界の構造を理解し始める。

しかし夜、測定器が北から来る微弱な信号を検出。

何かが、近づいている——。


次は、何が来るのか?


よろしければ、ブックマークで続きを追っていただけると嬉しいです。

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