7章サブ話①⑤: 『緊急報告書』
主人公は、北方向から接近していたマナの波が、塔の起動と同時刻に消失した点にだけ引っかかっていた。
それは観測データ上の特異な一致として記録されたが、この場では特に問題視されていない。
緊急報告書
報告書 No.██-7-31-URGENT
発信元: 港町調査団(団長: エルネスト・ヴァルデス)
受信先: ギルド本部 最高評議会
作成日時: Cycle 3 / Year 1500 / Day 33 / 19:47
機密区分: 【最高機密 / SSS】
緊急度: 【即時報告 / 全支部通達推奨】
■ 報告概要
港町東方海域に存在する古代施設(通称:「沈黙の塔」)について、本日18:23より予測不能な大規模システム変動を観測。
私は…これを、
報告しなければならない。
■ 観測事実
1. 核石の状態変化
対象: 塔中枢部に存在する「核石」修復
実行主体: 【身元情報 / 最高機密指定】
修復方法: 【観測不能 / 詳細データ消失】
結果:
∙核石温度: 15℃ → 5℃(10℃低下)
∙塔周辺マナ濃度: 測定器飽和レベル → 半減
∙海水温: 周囲+3℃ → 正常値(10℃低下確認)
私の所感:
どうやって?
誰が?
なぜ?
2. 同時刻における異常事象
修復完了の8秒後、以下の現象を確認。
観測時刻: 18:23:15
ギルド本部より緊急連絡。
「大陸全土の全ての塔が、同時刻に光り始めた」
確認された塔の総数: 12基
全ての塔が:
∙青い光の柱を放つ
∙3秒間隔の脈動
∙同時刻に起動(誤差: ±2秒以内)
港町の塔のみ、異常。
∙脈動間隔: 1秒
∙光の色: 青+緑+黄の混合
∙光の柱: 太い(他の塔の推定3倍)
∙マナ濃度: 測定器の物理的限界を超過
私は、測定器を見た。
数値が、消えた…
3. 「波」の到達と消失
観測事実:
過去7日間、北方向から不規則なマナ信号を記録していた。
この波は、加速しながら接近していた。
予測到達日: 19日後
実際の到達日: 7日後(本日)
消失の瞬間:
∙北方向の測定器が連続発光(18:20)
∙波の強度がピーク(18:22)
∙波が完全に消失(18:23)
消失の、直後。
港町の塔が、応えた。
■ 解釈(暫定)
仮説A: ████████
12基の塔は、単独で存在するのではない。
塔の記号配列(12個 / 螺旋状)と、大陸地図上の塔の配置が完全に一致している。
つまり:
████████████████████████████████████████████████████████████
(本部承認待ち / 記載保留)
仮説B: 波は████だった
波の到達と塔の起動が完全に同期している。
波は、
何かの合図だったのではないか。
仮説C: 北で████が始まっている
波は北の塔から送信されていた。
波が港町に到達し、消失した。
消失した波は、どこへ?
████████████████████
■ 現状認識
確実なこと
1.港町の塔の状態が変化した
2.大陸全土の塔が同期起動した
3.████████████が████した
4.私には、理解できない
不確実なこと
1.████████████████████
2.████████████████████
3.████████████████████
4.次に何が起きるのか
■ 緊急提言
1. 全支部への観測強化指示
特に北部支部へ、最優先で。
2. 情報統制の徹底
本件は世界規模の事象である。
住民へのパニックを防ぐため、詳細情報の公開は不可。
特に、修復実行主体の身元については、絶対に公開してはならない。
3. ████████████
████████████████████████████████████████
(本部判断待ち)
■ 団長所感
私は、古代遺跡を30年以上研究してきた。
だが、これほどの事態は見たことがない。
港町の塔は、壊れていたのではない。
眠っていたのだ。
そして今、目覚めた。
世界全体が、何かを待っている。
北の塔が、何かを始めようとしている。
私には、それが何なのか、分からない。
私には、誰がこれを起こしたのか、理解できない。
だが…一つだけ、確実に言えることがある。
世界は、もう元には戻らない。
報告者: エルネスト・ヴァルデス署名: █████████
日付: Cycle 3 / Year 1500 / Day 33
【添付資料】
∙別紙1: ████████(██ページ / 最高機密 / 閲覧不可)
∙別紙2: 大陸12基の塔 位置座標一覧
∙別紙3: ████████████(作成者: ██████)
∙別紙4: 測定器限界超過時の████████(記録消失)
【ギルド本部 受理印】
受理日時: Cycle 3 / Year 1500 / Day 33 / 21:03
受理者: ██████████
処理状況: 【全支部通達 / 即時実行】
【追記: ギルド本部 最高評議会 緊急会議録(抜粋)】
「……信じられん。」
「これは、本当なのか?」
「本当だ。12の支部から、同時刻の報告が上がっている。」
「では、港町で何が……」
「分からん。だが、確実なことが一つある。」
「何だ。」
「我々は今、世界の終わりか、始まりか、そのどちらかに立ち会っている。」
— 評議員 ████████
【未解決事項】
∙北の塔の動向(████████)
∙波の消失先(不明)
∙システムの最終目的(不明)
∙修復実行主体の技術的詳細(観測不能)
∙次に何が起きるのか(予測不能)
【本報告書の取扱注意】
本報告書は最高機密に指定されています。
無断での複写、転載、口外は厳重に禁止されています。
違反者にはギルド規約第███条に基づき、最高刑が科せられます。
【最終追記: 評議会決定事項】
本件に関する全ての情報は、即時機密指定とする。
修復実行主体の身元は、絶対に公開してはならない。
理由:
████████████████████████████████████████████████████████████
終
主人公は、大陸全土にある十二基の塔が同期して光を放ち始めたという報告を受け取った。
結果として、港町の塔が他とは異なる反応を示した事実だけが最高機密として処理されることになった。
ただ、その起動が何を意味しているのかは分からない。
よろしければ、ブックマークで続きを追っていたいただけると嬉しいです。




