7章サブ話⑨: 『緊急報告書 No.A-47-E』
主人公は、石造構造物の表面に刻まれた記号が螺旋状に配置されている点にだけ引っかかっていた。
それは調査隊の専門家によっても確認されたが、現時点では単なる外観上の特徴として扱われている。
緊急報告書 No.A-47-E
【機密等級:レベル3】
【送信元】港町支部 / 調査隊長エルネスト・ヴァレイ
【宛先】ギルド中央本部 / 古代遺物管理局
【発信日時】第7章 episode 33 / 午後7時
1. 報告概要
本日15:00、対象施設への内部侵入に成功。
第一次調査を完了した。
なお本件は、過去200年のギルド史上に前例なし。
——いや、違う。
我々の古代文明理解そのものが、根本から誤っていた可能性がある。
2. 施設概要
2-1. 外観所見
∙位置: 港町東方、岩礁先端の海底(水深3m)
∙構造: 高さ推定15m以上の石造構造物
∙刻印: 表面全体に幾何学的記号群(螺旋状配置、計12記号確認)
∙発光: 白色光を周期的に放射(脈動周期:6秒)
∙振動: 規則的(周期:約2秒)
2-2. 内部構造
封印を解錠し、内部へ侵入。
中央広間
∙直径約10mの円形空間
∙壁面に12の記号(外観と同一)
∙中央に光る柱
柱
∙高さ:約8m
∙外観:白色光(脈動:6秒)
∙温度:周囲より約5度高温
∙音響:低く規則的(まるで呼吸のように)
3. 異常事象
3-1. 柱の変化
調査隊が柱に接近した瞬間——
∙光の色が白→青に変化
∙脈動周期が加速
∙マナ濃度が急上昇(測定器飽和)
所見:環境変化か。測定誤差か。それとも——
(推測につき黒塗り:██████████████)
3-2. 獣人の報告
護衛の獣人ガルムが以下を報告。
「中の動きが、速くなっている」
視覚的には確認できない。だが、彼の感覚は信頼に足る。
所見:何が「動いている」のか。
機械か。
それとも——
生物か。
4. 記号の状況
4-1. 現地少年の観察
報告書を提出した現地少年(9歳)が、以下を指摘。
「12の記号は3つずつグループになっている」
リディア(記号専門家)もこれを確認。ただし、記号の「意味」は——
不明。
4-2. 限界
記号の形状は記録できた。
だが、意味は分からない。
古代文献にも該当なし。
我々の知識では、これ以上進めない。
5. 重大事項
5-1. 少年の技術
本件において、少年が——
鍵になっている。
∙33日間の系統的観測
∙自作の測定器(技術者マルコが「プロ水準」と評価)
∙記号のスケッチ(専門家が認める精度)
∙6時間周期の発光パターンの発見
所見:少年は単なる「目撃者」ではない。
彼がこの技術をどこで習得したのか。誰が教えたのか。それとも——
(推測につき黒塗り:██████████████████████)
5-2. 危険性
柱は今も稼働中。
だが、その目的は——その機能は——
全て不明。
最悪の想定:制御不能な古代兵器。あるいは——
(推測につき黒塗り:██████████████████████████████)
6. 今後の方針
即座の対応
∙調査隊の常駐継続
∙対象少年の継続観測
∙柱への接触は慎重に
上層部への要請
∙古代遺物専門家の追加派遣
∙類似施設の有無確認
∙最悪事態への備え(避難計画含む)
7. 結語
本件は、ギルド史上前例なき事態である。
対象少年が何者なのか。塔が何のために存在するのか。そして、柱が「動いている」理由は——
全てが未解明。
ただ一つ確かなのは、この塔が「今も生きている」ということだ。
【署名】エルネスト・ヴァレイ
【副署】リディア・ノーラン / マルコ・フェルナンド
【追記】明日、柱への再接触を試みる。
対象少年が「中に入りたい」と言っている。
我々は、それを止められるのか。
止めるべきなのか。
それとも——
【機密扱い】本報告書の複製・転送は中央本部の許可を要する
主人公は、明日の調査で光る柱へ再接触したいという意向を伝えた。
結果として、古代の施設が今も稼働を続けているという事実だけが報告書に記録された。
ただ、その「動き」が何を指しているのかは分からない。
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