Epispde. 000 賢者との出会い
「 あんたひとりなの?大抵何人か来るんだけどね 」
フワフワと白いモヤのような雲の中に、透き通った眼光が現れた。
男性なのか女性なのか、アストラル界では性別はないのかもしれない。
左手にランプを下げたアルカナの門番、フクチーぬが現れた。
「 パスワーキングは初めてかい。トートタロットの世界へようこそ。
まぁ、ちゃんと見ててやるからとっととお行きなさい。
旅を始める前に、2人の守護精霊のところへ行って、ちゃんとついてきてもらえるよう契約してくるんだよ。
まずはフールチャイルドを迎えに行くこと。
フールチャイルドは、ここから先の世界で最強の守護精霊だから、パスワーキング中にあんたに危険が迫っても、彼が旅の安全を守ってくれる。
そうだねえ、彼は宴会が好きだから、おそらく今日も酒宴を開いている。そこへ行って、ついて来てもらえるか聞いてくるといい。さあ、早く行きなさい 」
私の言葉を挟む隙まもなくフクチーぬはそう諭して、パッパと犬でも追い払うかのような手の仕草をして姿を消そうとした。
「 ああ、そういえばフールチャイルドのところへ行ったらね。
食べ物や飲み物を勧められるかもしれないけれど、決して食べてはいけないよ。アルカナの世界と現実世界の境界線がなくなってしまうからね 」
最後は声だけになりながら、フクチーぬは姿を消した。
私はフールチャイルドの元へと向かうことにした。




