Episode.10 運命の輪 流れを止めるスフィンクス
「さあ、少し軽くなったところで次は『運命の輪』だ。輪がちゃんと回っているのか、どんな状態か見てみよう」
フールチャイルドが言った。
「それぞれ 猿が始める、スフィンクスが持続、ワニが終わらせる、の担当だ」
メーガスが補足する。
ちゃんと回っているのかって?
静止しているけれど。若干ゆらゆらしながら。
「猿は進みたそうに動いているけれど、スフィンクスが番犬のように流れを止めちゃってる。ワニは......諦めて?違う方向いてる」
「 はあ......そうだな 」
私の見たままのひねりのない言葉とコントのような運命の輪の有り様に、フールチャイルドは言葉が無いらしい。
「 これは、何をどうしたら良い......?飽きっぽいのが、そのまんまここに現れているのね 」
「 ワニはよそ見してるしな 」
フールチャイルドが笑う。
輪を動かすには......。
輪の上にいる精霊たちに、意識を向けて聞いてみる。
猿は、忙しい、忙しいと言っている。ワニは私に気がついて、ちゃんと仕事を始めた。スフィンクスがだけ、何も答えない。
「結局変化って心地悪いから、スフィンクスは動かなくなっちゃったのかもしれない」
考えながら下を向いたら、思わずため息が出た。
「確かに変化が苦手な人間が殆どだろうけれど、猿を見る限りチャレンジはたくさんしてるんだから、自信を持っていい」
メーガスが励ましてくれた。
「ひとまず一つずつ、物事を丁寧に『終える』ことから始めていきます」
ワニが、ようやく動き出したんだから。




