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錬金術小話②『不死薬』
錬金術小話②『不死薬』
古代中国の錬金術は、最高権力者たる皇帝のための研究でした。
皇帝には放っておいても、ありとあらゆる富が集まってきます。そのため『金』を作るより『不老不死』を目的としたのです。
材料は硫黄や水銀、ヒ素……現代では毒とされている物。
水銀や硫黄が見せる劇的な化学反応が、神仙への変身を想像させたからと言われています。
当時は惑星と金属を結びつけた宇宙的な力の影響も考察され、金属や鉱物を組み合わることで、『不死薬』ができると考えられていました。
そう……権力の座を上りつめ、ついには『不老不死』を求めた皇帝は、錬金術師が作った毒を服用し、結局は弱って死んでいきます。
生に執着すればするほど、悲惨な最期を迎えた……というお話。









