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王国中枢に入り込んでいた癌 それはかつての同僚たちだった

 翌朝。

 王都中央区にある「国家商務庁」前。


「こちらです、ガクさま。商会代表会議室へどうぞ」


 案内されたのは歴史と威厳が感じられる巨大な円形ホール。

 中には王国の有力商会代表、貴族、政治家、騎士団幹部、教会の高位聖職者たち――。


 そうそうたる顔ぶれが揃っていた。


「これ……完全に“上座”だな」


 俺の席は壇上、中央。

 その隣には、国家商務庁長官のバルガス卿がいた。


「ガク・グレンフォード殿。ようこそ王都へ」

「……いや、恐縮です」



 固く握手を交わす。



「本日、本会議において貴殿を“国家認定商人”として承認し、叙爵を行います」

「――――へ?」


 会場内がざわつく。


「スキル無しで追放された男が国家認定だと?」

「聞いたか? あれが“契約破壊者”か……」

「ふん、若造が調子に乗っているだけだ」


 冷ややかな視線、嘲笑の声。

 ああ、どこか懐かしいな。

 この雰囲気。


「……聞き覚えのある声もあるな」


 何人かの顔が過去に見たことのあるヤツらに重なる。


 ――“前世”で俺を罵っていた女社員、カレン。


 ――飲み会でいつもセクハラ発言してた営業課長・水野。


 ――俺の資料を毎回チェックせずに却下してた総務のクソババア。


 そうか。お前らも――この世界にいるんだな。


 そりゃそうだ。

 基本的に前世で因縁のあった人間はこの世界に転生あるいは転移している。

 あいつらもいて当然か。


「……いいぜ。だったら、まとめて“清算”してやろう」



 ________________________________________



「実はな……あなたをここに招聘したのは一気にこの国の腐敗をなくすためなのだ」


 会場がざわつきだす。

 ひそひそと話をする者や冷や汗を流す者など反応は様々だ。


 だが、俺にはわかる。

 こいつらはきっと不正をしているのだろうと。


 焦り方が普通じゃないんだ。

 年々、この国の経済力は低下している。

 その原因が腐敗であることは商人ギルドに勤めていた俺だからこそわかること。


 バルガス卿はその腐敗を一掃するために俺を呼び出したってわけだ。


 ならばすることはただ1つだ。


「バルガス卿、それ以上言葉は不要です。今すぐあなたの望みを叶えてみせましょう」

「ほう……ではグレンフォード殿。よろしく頼みますよ」

「おい、そこのおっさんなにをするつもりだ!」

「平民ごときがなにを⁉」



 参加者が俺を止めようとするがもう遅い。




「では、始めましょう。――《徳政令》、発動」




 俺が呟くと黄金色の魔法陣が円卓全体を包む。



 その瞬間――――。



「な、なにを!?」

「う、嘘だろ!? 奴隷契約が……解けた……!?」

「こ、婚姻契約まで!? おい、待て、やめろおおおお!」


 会場が騒然とする。

 俺のスキルは、すでに“全契約”を解除可能になっている。


 さらに、女神の加護を受け、教会も俺の行為を黙認。


「お前たちがどれほど“契約”を悪用していたか――今ここで白日の下に晒す!」



 ________________________________________



「ダンリッドさま、これは……!」





 円卓の隅で1人の男が静かに立ち上がった。





「ようやく“本命”が動いたか」


 そう――王都商人ギルドのギルドマスター、ダンリッド。


「思い出した。お前は確か――――」





 地獄のパワハラ部長・檀助正。

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