金髪少女は勇者様
父ちゃんがリビングに入ってきて、続いて無表情な金色の女の子入って来る。
おれは思わず女の子の顔をじーと見てしまった。
だって、女の子の姿が、おれと同じ人間に思えない位、美少女だったからだ。
女の子の髪はまるで太陽のように燦々に輝いていて、だけど太陽のように直視すれば両目を焼くような刺激さはなく、目にも優しいホワイトよりな金髪。こういう色ってなんていうのかなぁ?ホワイトゴールドだっけ?
髪型はショートヘアよりは少し長く、優雅がありつつ、活発な感じがした。
そして、女の子の瞳の色は淡い青だった、アクアブルーだっけ?とにかく、青い宝石みたいで、きれいだった。
おれがじっと見つめていると、女の子も見つめ返してくる。
そしたら、さらに顔がはっきり見えてって、パッチリとした両眼、柔らかい曲線を描く鼻筋な鼻と淡い桜色の唇。
全体的華奢な体に白い貴族っぱフリフリしたドレス、まるで完璧な天使さまを小さくして目の前に現れた感じだった。
「なに?人の顔ジロジロ見て、失礼ですよ」無表情だった女の子が顔をすごい顰る。
あ…ちょっとブスになった。
「み…見てないし!勘違いするな!ブース!」おれが照れ隠ししようとすると…
ボゴンオォ!!!
巨音と共に、おれの体はぶっ飛んだ。
あれ?なにがあった?雷に打たれたのかな?室内なんですけと…ボゴンオォ!って人体が鳴っていい音じゃないですけど…
「女の子に対して、ブス呼ばわりはよくないと思うの」女の子はそう言いながら、握った拳を静かに下ろした。
ええ?な…殴られた?はじめましてだよね?悪口を言ったおれも悪いけどさぁ、殴ることある?
「だはははは!今のお前が悪いな、末那!運命の人だぞ?」父ちゃんがからかうようにおれに言ってくる。
「末那たら…悪い子ね。とりあえず、アイアンクローかけとくね?」
またしても、おれはまだ地面と離ればなれになる。
どういうか、息子の扱い雑すぎないか?おれほんとにおまえらの息子?
「とにかくだ、まずは自己紹介だな。こいつは俺達の息子の末那だ。こちらのお嬢さんはカノンちゃん、今日から一緒に暮らすごとになる、喜べ、美少女と同居だ!しかも、運命の人だぞ?まず、先に末那が始めな。」先から変なテンションでおれに話しかける父ちゃん、同じ目線で。
「わかったよ。おれは勇道末那!末那っと呼んでくれ!趣味はアニメ、漫画、ゲーム、ラノベだ。最近はミステリー系小説ハマってる。よろしくしてやる」っと言いながら、カノンどか言う女の子を見下ろしながら。
「わたしはカノン…カノン・ブレイブハート。あなたと仲良くできなさそうです」
「……」
なんたこいつ?
「なんだこいつ?」
口と心がシンクロした瞬間ただ。
「早速仲良くなったな、善きかな善きかな。運命の人だしな!」
「なってないから!先からスルーしているけど、運命の人ってなんだよ。あと母ちゃん、下ろして?そろそろしつこい」
「もちろん、おまえが賢者の直系で、カノンちゃんが当代の勇者だからだ」
「お言葉ですが、おじ様。彼にはとっても賢者になる素質があるとは思いません、賢者の儀なしに賢者の称号を自力で手に入れたおじ様と違い、彼は何処にもいそな、ただの子供にしが見えません」
「ちょっとオカルトかもしれないか、古くから勇者と賢者の血族は相性が良いんだ、同性なら大親友、男女なら結婚する。根拠はないけど、事実そうなっているし。勇者家系にだってオカルトはあるだろ?」
「勇者は最後に必ず勝つ」
「それに、末那は今のまま、クソガキのままで良いんだ。出来れば、カノンちゃんも同じくらいクソガキになって欲しい。だから、末那!カノンちゃんにおまえの遊びを教えてやれ、とうやら遊ぶことすらしたことないらしいからな」
「嫌です、意味がわかりません」
「勝手に決めるな!おれはゲーム実況者になるんだ!賢者になることは、こいつのパートナーになることだろ?疲れそうで、嫌だ。遊び教えるぐらいなら良いぞ」
「わたしのほうが嫌です。あなたのようなパートナーはいりません、遊びも要らない」
「やはり、仲良くなっているな、なあ?レイナ」
「ええ、わたしもそう思うよ、あなた」
「「たから、仲良くない(ありません)!」」
人の話しを聞かんない両親に、おれたちは思わず叫んだ。