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寒い朝

作者: けろよん

 目が覚めると寒かった。こんな日は震えて布団から出られない。

 頭をちょっとだけ回して時計を見ると、まだそれほど遅いと言われる時間ではない。

 だが、いつまでもこうしてはいられない。人の使える時間は1日24時間と決まっている。つまり起きるのが遅くなるほど出来る事が減ってしまうのだ。


「起きないと……うおお、寒い!」


 努力はするが、やはり寒いので頭から布団を被ってさらに防御体勢を固めてしまう。


「くっ、寒いぞ。寒すぎる! 何で今日はこんなに寒いんだ!」


 このままでは何も出来ない! そうだ、何か起きたら楽しめる良い事を考えてみよう。

 起きたらみんなが私を褒めたたえてくれるのだ。


「おお、あの方が目覚められたぞ!」

「あなた様がおられればもうこの国は安泰だ」

「どうか世界を救ってください!」

「ああ、任せておけ。俺さえいれば……ああ、寒い!」


 くだらない事を考えている間にあれから一時間も経ってしまったぞ。

 くそ、このままではいけない。俺は朝ごはんを食べるんだ。お昼ごはんにさせるわけにはいかない! うおおおおお!

 俺は何とか頑張って……まだ布団の中に埋まっていた。だって寒いんだもの。布団から出ると寒いんだもの。とても出られたもんじゃない。


「時よ止まれ」


 止まりません。くそっ、どうしたらいいんだろうな。どうしたら俺はこの布団から出られるんだろう。

 幸いにも今日は休みだから時間に急かされる必要は無いんだが……時間を無駄にした気分になる。


「くそったれ!」


 もうどうしようもなかった。俺は覚悟を決めて布団を跳ねのけると


「さみーさみー」


 言いながらパンを入れたトースターの摘まみを回して、コーヒーのお湯を沸かして、部屋の暖房を入れた。

 こうして今日という一日は始まったのだった。外に出るとまた寒かったので急いで家に戻った。

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