【phase1】囚われの聖女
@塔の中
ユリウス「君はこの国の聖女だろう? なぜ鎖につながれているんだ……囚人みたいじゃないか」
ミーリャ「それは、わたしが『呪われ聖女』だからです。呪われ聖女は、逃げ出したり災いを起こしたりしないよう、鎖で戒めなければならないそうです。司教さまが言っていました」
言いながら、わたしは涙をぽたりと落とした。
私の涙が床に当たると、目の前に置かれた数十本の小瓶の中身が光り出した。
小瓶に入っていた水が、私の力でポーションに変成されたのだ。
ミーリャ「わたしは、ポーションを作るしか能のない『呪われ聖女』です。こんなわたしでも人の役に立てて……幸せだと思います」
ユリウス「君のような幼い子どもが言うようなセリフじゃないね。君は何歳だ? 見たところ、5,6歳くらいに見えるけれど」
ミーリャ「……わかりません」
ユリウス殿下は痛ましそうな顔をして、わたしにそっと近寄った。
ユリウス「君に鎖が必要なのは理解した。だが、こんな塔に独りで閉じこめられる必要はないはずだ。だから、君を縛る鎖の役割を、僕が担うことにしよう」
殿下は私の鉄枷のカギを開けると、わたしをお姫様のように抱き上げた。
ミーリャ「で、殿下……!? なにをしているんですか!?」
ユリウス「君を連れて帰ろうとしている」
ミーリャ「……わたしを連れて帰る?」
ユリウス「父上が、妻を娶れとうるさいんだ。「好きな女を一人選べ」と言われたので……君を所望することにした」
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