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古代からの使者

超次元バスケの可能性が大いにあります。

処女作故拙いところが多くあると思いますが、ご容赦ください。

「GUAAAAAAA」「RUUUAAAAAAAAAA」「BURUAAAA」


唐突な終わりだった。


「JURAAAA」「BAAAAAA」「SHOOAAAAAAA」


昨日までの戦友(雑食動物)が、(植物)が、強敵(草食動物)脅威(肉食動物)が。


「PAROOOOOOO」「OOOOAAAAAA」「SHIIIIIII」


瞬間で、死に絶えた。もちろん()()()()()


「WAAAAAA!?」


原初の人型雑食生物。それが自分だ。

取り残されず、全て死ぬ。体の感覚はそれを感じると同時に逃げ出していた。

死ぬ。

死ぬ。

死ぬ・・・・



思考さえ停止したころ、焼け付く灰色の世界のなか、目前いっぱいに広がる隕石を最後に、深い眠りに就いた。


そんな懐かしい夢を、見た。


「おわぁ!」

「うわ!どうしたアダム!」

「と、父さん・・・なんでも、ない。また、あの夢。」

「そうか・・・ところで時間は大丈夫か?今日は転入の日だぞ?」

「え・・・あ!今!何時!?」

「7時30分だ。あと10分したら起こす予定だったが・・・ご飯は食べられそうか?」

「大丈夫!食べれる!お腹すいた!」

「はは、随分と元気じゃないか。そう言うと思って作ってあるぞ。」

「ありがとう!父さん!」


食事があることが分かると同時に、急激に唾液が分泌される。

あぁ、そう言えば、夢の中のあの頃は生肉ばっかだったから、あの頃の自分に教えてやりたい。

生肉以外もこんなに旨い食べ物があるぞって。


「いやぁそれでも、多少口調はたどたどしいぐらいで、知識等のもろもろは目覚めてからたった2年で他の中学3年と同じぐらいまでよく成長したものだ。流石は私の息子!」

「でも、血、繋がってないよ?」

「何言ってるんだ。血だけが家族じゃないぞ?いくら()()()()から発掘されたとしても、血がつながってなかったとしても、私たちは家族だ。そうだろう?ただ似ているとしてもそれは家族じゃない。私を父と慕ってくれて、私もお前を実の息子のように愛してる。それで家族じゃないか。」

「そっか・・・そうだね。」


何回もしてるやり取り。でも、やっぱり不意に言っちゃう、俺の悪い癖。

俺は、原初の人として「アダム」と俺を掘り起こした人物である、今の父さんによって名付けれた、化石になっていた古代の人間のDNA。○○21年の技術によってクローン技術にて生まれた存在だ。1部からは「生きる中生代原人」とも研究所では呼ばれていたが、多くは「原初の人類」と呼ばれていた。

その研究の一環で言語を学んだ。基本は英語だった。だけど、12歳から表現方法が最も多いという理由から日本語を、第2言語として学んだ。まぁ、父さんがそれを推し進めたのは、父さんが日本人だったというのも大きいのだろう。

父には言っているが、自分はよく白亜紀の記憶を見る。自分ではない自分の記憶だ。

その時の仲間はどうしているか・・・いや、生き延びたからこそ、未来で俺は居るんだろうけど。

後にも先にも父さん以外の親はいない・・・いや研究所のみんなも親かな?


「そう言えばあの学校、県大会決勝は常連で全国にも数回行ったの強豪のバスケ部だぞ?入部テスト受けなくていいようにできたが、いいのか?入るんだろう?」

「うん。実力、知りたいから。あと、試したい。どこまで、できるか。」

「そうか・・・ついに我が子が学校に入ると思うと、感慨深いなぁ・・・ううぅ」

「わっ!父さん!泣かないで!?どこ、痛いの?」

「いや、これはな。嬉しさの涙だよ。言葉も喋れなかったお前が、こんなに立派に・・・うわあああああ!」

「もう!その頃の、話、しないでよ!」


意識を取り戻したばっかの時は、言葉はおろか何も分からなかったから、本当に恥ずかしい。


「いやぁすまんすまん。さてご飯にしようか!」

「うん!」


今日は俺が初めて学校に行く日だ。

俺を蘇らせてくれた。中学2年生までの勉強を教えてくれた。おいしいご飯をくれた。何よりも、バスケを教えてくれた。そんな父さんがとても誇らしい。


ご飯を食べて部屋で着替えると父さんが部屋の前で立ってた。


「こんなに大きくなって。制服をきっちり着て・・・ああ、最近は涙もろくなったもんだ。」

「えへへ・・・似合う?」

「勿論!準備は出来てるか?」

「確認。何度も、した!大丈夫!ばっちり!」

「よし行って来い!」

「行ってきま~す!」


そう言って家を飛び出した。


バッグそのものを玄関に置いたまま。

「アダム!バッグ忘れてるぞ!」

「あれ!?ごめん!今行く!」


一旦引き返し、改めて桜並木の道を走って学校に行った。

――――――――――――――――


それにしても焦った・・・いや、今も心臓がバクバクしてる。

なんせ、登校してそのまま教室に行こうとしちゃったからね。その時先生から、「まずは職員室来てね?」と言われて引き留められた。そしてやたら頭に残る音(恐らくチャイム?と言われる時報だろう)が鳴ってから先生に連れられて教室と言われる部屋の前に来た。先生が先に入ったのでその間にどうにか一息つく。


「じゃあ転校生、入ってくれ~」


先生から声をかけられ扉を開くといっぱいの人が居た。みんな、聞いていた通りに俺と同じ服を着ているか、ひらひらした服(恐らく女の子なのだろう)を着ていた。意を決して、口を開いた。


「皆さん、初めまして!俺、東出アダム、です!好きなこと、バスケ!飯を食うこと!です!よろしくお願いします!」


頭を大きく下に下げる。これでいいんだよな?と不安になっていたらパチパチとまばらに聞こえたと思い顔を上げる。すると、クラス中から大きな拍手の音が聞こえた。

みんなニコニコしていたけど、一部の男たちからあいつら(肉食動物)のような視線を感じた。

久々に感じる野生。とてもワクワクしてきていた。


――――――――――――――――

授業は至って退屈だった。

父の教え方と比較してしまうと退屈なのはしょうがない。それ以上に休み時間が大変だった。

名前がアダムの理由や外国はどんな生活なのか等々大量に聞かれた。楽しかったけど、大変だった。

予め父から言われていた予想されていた通りのものしか聞かれなかったため大丈夫だったが、どうにかしなくちゃな。

そうこうしていたら放課後になり、先ほどの視線をくれた面々が近づいてきた。


「おい、東出アダム君。バスケ部来るんだろ?」

「うん、その予定。」

「付いて来い。更衣室兼部室に行くぞ。」

「わかった!」

「いい元気だな・・・入部テストの時を楽しみにしておく。」

「入部テスト、何する?」

「知らないのか?1on1をするんだ。初心者以外はそれで対応する。と言っても初心者はほとんど来ないがな。バスケが好きだと言っているからには、出来るんだろう?」

「分かった!楽しみ、してる!」


満面の笑みを返すと、彼もニッコリとしたがその眼はあいつら(肉食動物)のようだった。

身長は俺より少しだけ高い。俺の身長は172.3だから174ぐらいかな?


「俺の名前は工藤巧、一応キャプテンだ。ポジションはPGポイントガードだ。よろしくな。」

「俺、アダム。ポジションは分からないけど、父親から、PFパワーフォワードCFセンターフォワード、言われた。」

「なるほど、PFかCFということはもしかしてダンクが出来るのか?」

「勿論!」


などと喋りながら彼のあとに付いていくと小屋があった。その小屋のすぐ近くに体育館があったから、色んな部活があるのだと思った。

しかしその予想はいい意味で裏切られる。


「ここは全てバスケ部の部屋だ。そこのロッカーを使ってくれ。手前から6番目のロッカーだ。その鍵は自分で管理してくれ。先に着替えて行ってるからさっき見えた体育館に来てくれ。」

「わかった!急ぐ。」


急いでバスパン(バスケ用のパンツ)とTシャツに着替えて、バッシュ(バスケシューズ)に履き替えた。


――――――――――――――――


「―――――来たか」


彼は待っていた。俺を得物を見る目で。俺もあの頃を思い出してワクワクした。

熱い熱い吐息が口から零れた。


「・・・うん。待たせたね。」


自分でも雰囲気が変わったのが分かる。


「監督、部活始めても?」

「ああ、いいぞ。ただしアップはしておけよ。それに新入生どころか在校生も揃ってないだろう。」

「「あ」」


監督と言われていた人の一言ですっかり忘れていたウォーミングアップを思い出した。父が良く「故障、つまりはケガに繋がるからな。」と念を押されていたのを思い出した。

それに人数も随分と少ないなとも思っていた。


「・・・アップ、するか。」

「そうだね。」


監督が苦笑いを浮かべていた。俺も少し気が抜けた。

大まか50人ほどが集まったころに3時30分になっていた。

自分はだいたいのアップを(この部活でのアップを巧に教わりながら)終えており、ハンドリングの確認等を行っていた。


「全員集合!」


巧がそう全体に言い、全員が集まる。監督が全員を見渡してから口を開いた。


「これより入部テストを始める!それと同時にランク付けもさせてもらう。ここは実力主義だ、例え3年で合っても例外ではない。新入生は今年は17人みたいだな。3年に来た一人も含めて18人はポジションにごとに分ける。そして今から言う6人相手に1on1をしてもらう。一応確認のために言っておくが、ボールをリバウンド(シュートミスした球を取るまたは味方に渡すこと)を取った場合は、3pライン(ここより遠くからシュートを入れると3点。ライン内だと2点となる。)をドリブルなりなんなりで超えない限り攻めてはいけない。コート外に出たら相手ボールからスタートだ。また、どうしても1on1をしたい相手がいるなら例外として認めよう。ただしあまりにも偏った場合はこちらが振り分ける。分かったか?」


「「「「「「「はい!」」」」」」」


「よし!良い返事だ!ではPG工藤巧、SGシューティングガード飯田孝雄、SFスモールフォワード駿河俊介、PFパワーフォワード井戸田正義、Cセンター高橋跳、CFセンターフォワード藤堂初目の6名、出ろ。残りは半面で練習だ。」


「「「「「「「はい!」」」」」」


全員が全員、覇気に満ち満ちており、また教室で俺を見てきた人も巧を除いて2人ほどいた。

そして、それぞれ別れると巧がキャプテンであることが分かっているのか、それとも実力が高すぎることが分かっているのか・・・俺と1人以外誰も近寄らなかった。だが、そこまで偏らなかったためそのままいくみたいだ。最初は出番じゃないため(2つのゴールを使うため4人づつしかできない)コート脇で控えていると、俺と一緒にやる1人から話しかけられた。目がぎらぎらとしていたが、そうは言ってもほどほど(小型肉食恐竜)だった。ブザーの音を背景に目の前のプレーを見ながら返事をする。



「おい、あんたが転入生か?」

「うん、そうだよ」

「一つ聞きたい・・・どっちが先にやる?」


そう聞かれた瞬間、自分の目が変わったのが分かった。


「やらせて。俺に。」

「お、おう」

「アダム君が先にやるのだな。・・・1組目が終わったようだ。では、始めよう。先行は譲ろう。」


巧にもスイッチが入ったみたいだ。


「すぅ・・・はぁ・・・じゃあ、行くね?」


ビー!!!とけたたましいブザーの音と共に俺はボールを()()()駆け出した。


――――――――アダムsideout――――――――3人称sidein――――――――


アダムはボールをブザーの音と共にボードに向かって強く投げた。

これに巧は反応しきれず見送ってしまった瞬間、アダムが巧の前に躍り出る。

そしてアダムはボードに当たってまっすぐ跳ね返ってきたボールをリング前で両手で掴み、()()()()ゴールに叩き込んだ。



誤字報告、感想待ってます!

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