第11話 なにかがおかしい?
ーーー魔物の群れの襲撃に遭いながらも、俺達はカステル・デル・モンテの入り口に到着する。
ワイバンくんを城に入れるのは到底不可能なので、ワイバンくんはボックスに入ってもらう。
しかし、入り口の近くにも魔物の魔の手が広がっていた。
「まだ結構いるな〜こうなってくると城の様子が気掛かりだ!みんな!ここは強行突破するぞい!」
俺はタイくんを呼び出し、モニカちゃんを後ろに乗せる。
サキちゃんとドラちゃんは魔物の群れの真上を飛び、強行突破しようとする。
「みんな準備はいいか?!突っ込めーー!」
俺はタイくんに。
「今だ!跳べ!」
と、命令し、魔物の群れを踏み場にしてぴょんぴょんと入り口に向かう。
無事にモンスターの群れを退けると、サキちゃんとドラちゃんも続けて俺たちの後を追う。
「よし!みんな急いで!中に入るよ!」
俺たちは入り口に入るのと同時になにか、別の空間に飛ばされる様な感覚に陥り、気を失ってしまっていた。
ーーー気がつくとそこには、平和な城郭都市が広がっており、後ろを振り返ると、先程襲ってきた魔物も、突如として姿を消していた。
住民達も、俺らの様子を見て、平気だと思ったのか
普段通りの生活に戻って行った。
「ん〜?なによこれ…全然平和じゃないの…」
「ふむ…私もこれに関しては訳がわからない…」
どうやら2人とも目が覚めたらしい。
モニカちゃんだけが一向に目をさまさない。
「モニカちゃん!モニカちゃん起きて!」
「むにゃむにゃzzzたいようしゃま〜たいようしゃまおやめくだしゃい〜」
はぁ〜…なんて可愛らしいんだ…俺に襲われそうになってる夢でも見てるのかな?うひひ
「むにゃむにゃzzz鼻に指を入れながら…裸で外に出るのは…おやめくだしゃい〜」
いや!どんな夢なん?!それ!
「モニカちゃん起きて!お願いだから夢の中の俺にそんなことはさせないで!お願い!」
ドラちゃんとサキちゃんがやれやれと言った様子で俺らを見ている。
「はっ!ここは?!た、太陽さま?!よ、よかった…服を着ていらっしゃいます…」
「いや、それ夢だからね?流石にそこまで変態じゃないからね?モニカちゃん?」
「も、申し訳ございません!それにしてもこれは一体…」
モニカちゃんもこの平和な日常の風景を見て疑問に思っている様子だ。
そもそもさっきまで、空にも地上にも魔物の群れがたくさんいたにも関わらず。
出口を見ても、空を見ても魔物らしきものはどこにも見えない。
「まぁとりあえず…お城の方に行ってみようか…」
「そうですね!城の者達の安否も確かめたいです!みなさんこちらです!」
そう言うと、モニカちゃんがお城へと案内してくれた。
城門には門番が2人いた。
(なんかいや〜な思い出があるんだけど)
アトランティカでの牢屋に閉じ込められる事件を思い出す。
しかし、門番2人は、モニカちゃんの姿を見るや。
「これはこれは、モニカ王女様アトランティカへの参会ご苦労様であります!」
「え、ええ…そちらこそご苦労様です…何か魔物が襲撃してきたりとか…そういった問題はございませんか?」
「???……そうですね〜近頃は魔物の姿も見てなくて…平和ボケしております!」
モニカちゃんの質問に、少しの疑問を交えながら返事を返す門番達。
「して…後ろの御三方は?それに護衛の方達は何処へ行かれたのでしょうか…」
「あ、俺は和美石 太陽って言って、こちらの女の子が俺のパートナーのサキュバスことサキちゃん」
「ほーあの伝説のサキュバスとは…」
サキュバスと聞いて驚きを隠せないでいる門番。
やっぱりサキュバスって、すごいレアなんだなーっと改めて実感する。
「そしてこちらにいる、男性が私のパートナーのドラちゃんでございます!」
「な、なんと!進化したのですね!あの弱々しかったモンスターが、こんなにも頼もしい姿に……」
うわーなんか俺らの時より感動してるよ…
まあしょうがないっか。
「それより、実はアトランティカにて大事件がありまして!護衛の方達もその事件に巻き込まれ、今はアトランティカにて休息をしてもらっています!その事について詳しくお父様とお母様にご報告をさせてもらいたく来たのですが!あと!他にも用件がいくつか!」
「そういうことでしたらどうぞ、王様と女王様は王室の間におられると思いますので…」
「ありがとうございます」
俺たちは門番達にペコリと軽く挨拶をして、城の中へと入っていく。
城の中にも魔物や変わったことは何も起きず、普通に王室の間へと到着してしまった。
「なんか、俺らさっきまで夢見てたのかなー…って思うくらいこの国平和だぞ?あれだけこの国の事件も解決してやるー!とか意気込んだのに…」
「そうね…でも何かがおかしいのは確かよ…油断しないだよね馬鹿太陽…」
「貴様ら、この扉を開けたら王様と女王様がいらっしゃる…くれぐれも失礼の内容に……」
ドラちゃんがそう言いい扉を開ける。
すると、そこにはファンタジーな世界でしか見ることのできない。
the王様と。the女王様がふたつの大きな椅子に腰掛けていた。
おっと、なんだか失礼な言い方気をつけよう。
「おー我輩の可愛い娘!モニカよ!よく無事にアトランティカから帰還してくれた!」
「あー愛おしいその顔を近くで見せてちょうだい」
「ただいま戻りました!お母様!お父様!」
するとモニカは王様と女王様の元へ向かい、顔を見せる。
俺たちは後ろの隅っこで大人しくしていた。
「お父様!お母様!実はアトランティカにてご報告があります!」
「どうしたんだいモニカ…」
「実は」ーーーーー
ーーー「ということがあったのです!」
モニカちゃんはアトランティカでの事件について、こと細やかに王様と女王様に説明をする。
それを聞いた王様と女王様は涙を流しながらモニカちゃんを抱き寄せる。
「うぉぉぉおおお!モニカぁぁぁああ!無事でよかったぁぁああ!!成長したな!!流石我輩の娘だ!!」
「ええええーーーん!!モニカに何かあったら!わたくし!わたくし!全兵力で…そいつを………えええーーーん」
一瞬女王様の殺気がすごかったんだが?
にしても………
ものすごい親バカだ……
「そちらの大事件を解決したのが他でもない!あのお方です!太陽様!」
お!呼ばれたよし!ここは堂々と!
「どうも!ご紹介に呼ばれました!私!和美石太陽と申しゅましゅ!あっ噛んだ………」
「あの馬鹿……」
サキちゃんの小言が聞こえてくる。
お恥ずかしい…………
「と、とても頼もしくて面白い方なんです!」
すかさずモニカちゃんがフォローしてくれた。
「ほー…貴様が我が娘を助け…事件をも解決した男か………よくやったぞ!!随分疲れたであろう!今日はこの城の一室を好きに使うがいい!貸切で大浴場も使うが良い!そしてこれは礼の100万ゴールドだ!」
こうして遂に。
俺の本当の順風満帆異世界生活がスタートするのだった。
ってことには多分ならない展開ですな………
〜つづく〜
「あ、初めまして読者の皆様」
「私カステル・デル・モンテの第3王女」
「エヴァーデン・デル・モニカと申します」
「ここが噂のメタ世界ですね!そうそう太陽様に手紙を預かっておりまして…なるほどこれを可愛く言えばいいんですね?わかりました!少し恥ずかしいですけど頑張ります!」
「読者の皆様///あの///その///もし、この作品が面白いと思ったのなら//星の評価、ブックマーク、感想、そしてレビューをどうか!どうか!」
「もし、何か1つでもしてくれたら私//なんでもします//」
「はいはいはーーーい!俺全部しました!!!」
「た、太陽さま?!」
「馬鹿太陽!!!!今日はあんたの出番じゃないでしょうがぁぁあ!!!」
「ご、ごめんなさいぃぃぃ!!!」