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「シロ、野菜シートと乾燥チーズを水につけて戻しといて」


そう言いながらクロは合成肉の真空パックを開け、ステンレスのボウルにザッザッと移している。合成肉の見た目はミンチが少し乾燥したような見た目で、色はしっかりと赤い。


「野菜シートいらないんだけどなー」


シロがぼやきながら乾燥チーズと野菜シートの袋を開け、中に水を入れている。

野菜シートには「レタス味付け無し」「トマト味付け無し」「ピクルス」と三種類の袋がある。


「これで五分っと。いやー便利だよね、水につけとくだけでチーズは生チーズになるし、野菜シートは本物に似た見た目と味になるってんだからすごいよね。発明した人偉い偉い」


「シロに褒められても嬉しくないだろ」


クロが合成肉を入れたボウルに慣れた手つきで調味料をサッサとふりかけている。

この調味料も長く保存できる調味料である。


調味料をいくつか入れた後、先に水で戻しておいた「玉ねぎ味付け無し」と書かれた野菜シートを取り出した。

玉ねぎを平たくしたような見た目と匂いをしている。


これをミキサーの中にかけスイッチを入れた。

ブーーーンと音がなって一瞬でみじん切りとなった。


「ひどー!私なんか人間がまだいたらモテモテだもん!ないすばでぃーだし!」


シロはほっぺたをぷーっと膨らまし、壁にかけてあったフライパンをコンロの上に置き、火をつけた。


「私だって…ロリコンとかにもてるし」


クロは油を取り出しシロに渡す。

シロは受け取りフライパンに少量垂らし油が全体に行き渡るように回した。


目には見えない熱気がモワッと顔にくる。


「ロリコンって何?」


シロがフライパンの下の火を覗き見ながら弱火にした。


このような保存食品なども全てこの街で作られたものだ。そしてこの街がモデルとなって保存食品の推奨を行なっていた。


その影響でどこの店や家にも保存食が置いてあるのだ。そしてこの保存食の保存期間は最大で200年、最低でも80年は持つ。


これがシロとクロが食料であまり悩まない理由の1つである。


「…胸の大きさと身長がが全てではないってことだよ」


と言いながらクロはみじん切りにした玉ねぎを横からフライパンに入れた。

シロが木べらでジュッジュと炒め始めた。


「へー、クロ顔可愛いもんね。あとやっぱり髪がとっても綺麗!」


クロは隣でミキサーの容器を洗いながら頰を少し赤くし、ちらっと横目でシロを見た。

シロは玉ねぎを炒めるのに夢中になっている。


「シロもだよ…」


「えっ?何か言った?ごめん換気扇の音で聞こえなかった!」


無邪気に笑うシロを見て自然と笑顔になる。


「玉ねぎ焦がさないでねって言ったの」


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