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ゼロ

少女の名前はゼロ。両親はすでにこの世を離れており村の孤児院で生活している。

彼女はクラス内のどのグループにも所属しておらず、孤高の存在だ。それ以上の情報は生徒の誰も有していない。ネームドの魔法使いであるそうだが、その詳細は誰にも明かされていない。


「その子、本当に魔法使えるんですか?」

クラスの説明を受けたとき、俺は校長先生に尋ねた。

「ええ。魔力も尋常じゃないわよ。って言っても、私も彼女の魔法の名前は知らないし、どんなものかもわからないわ。」


俺にはさっぱりわからないが彼女の放つ魔力(魔法使いが出すオーラのようなもの)は、とてつもないものらしい。


学校にはかかさず来ているし、ほかの生徒ともコミュニケーションは取れている。普通の人が見ると、どこにでもいる少しシャイな女の子である。しかし、その膨大な魔力と、どこかしらか感じさせる不気味さから周囲とは違う雰囲気を醸し出している。


生徒の下校が完了し、夕日に照らされる閑散とした校舎で俺たちは二手に分かれてゼロを探していた。


「もしかしたらなんかよくないことにでも巻き込まれたんじゃないか?」

「ははは!心配すんなって~!ダイジョーブだよ!」

「そうですわ。あの子のことだから心配ないわ」


トールとフレイヤは何も不安に思っていないようだ。

いじめの線を最初は疑ったが、彼女ら曰くそれは絶対にありえないとのことだ。

しばらくすると、ブルーネとレストが合流してきた。収穫はなかったらしい。さすがにもう帰ったんじゃないかと思い、玄関に再度向かうも、ゼロの上履きは残ったままだ。

夕陽も落ちかけていたころだったので、残りの生徒達には家に帰るよう伝えた。


「もう大丈夫ですの?」

「ああ、一通り校舎の構造はわかってきたから、あとは俺一人で捜索するよ。遅くまで突き合わせてしまって悪かったな。」

夜になってまで生徒たちを学校に残してしまっては、問題である。魔法使いといっても彼女たちは、年端もいかぬ子供たちなのだから。


そして、それはゼロも同じだ。早く彼女を見つけなければ・・・


校内を駆け巡るも、彼女の姿は一向に見えない。時計はすでに8時を回っていた。この時間となるといよいよゼロが何らかの事件に巻き込まれた可能性がある。焦りが俺の思考を埋め尽くす。

「くそ・・・どこにいるんだ!」


ダメもとで教室のドアを開ける。すると,そこにゼロの姿があった。

「ゼロ!ここにいたのか!探したんだぞ・・・」

「ダメ!入らないで!!」

「え?」


俺が教室に足を踏み入れた瞬間、教室は炎に包まれた。


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