決着!
いやー、、あれは、もう経験したくない驚きだったなー
ココヘきた最初の日を思いだし、しみじみする。
次の日からの「勉強」という名の修行の日々は思い出したくもないけど。
あの時、ビックリした拍子に出た魔力に老人ードオルー が感激しちゃって、「歴代の魔王の中でもピカ一!」とかで、上級者向けの修行からだったし。。。
四方向からの殲滅魔法を防御とか。。あ、う。。。
勇者とのバトル中なのに、こんなに余裕でいいのか?と聞かれそうだけど、どうやら今日のはイベント?的なやつらしく、勇者パーティーのレベルも低いとのこと。
件の殲滅魔法一発でもけりがつくらしい。ただ、それだと戦略上マズイらしいので、下級兵士を順次当てては撤退させ頃合いを見て、僕が下級魔法で蹴散らせとのこと。
これが余の最大のメラゾーマだ!という迫力でメラを放て!とか、逆じゃなかったっけ、それ?
さて、そんなことを思ってる内に勇者が寸前までやってきた、どうやらパーティーは倒れたようで、あちらの拠点へ転送されている。
「追い詰めたぞ!魔王!」
「く、ここまでくるとはっっ!」
凛々しくも美しい声の勇者に対し、ドオルがしどろもどろに言い返す。よく見ると笑いを噛み殺しているようだ。
「覚悟!!」
勇者が斬りかかってくる。ドオルが打ち合わせ通りに!と耳打ちする。
うん、ごめんなさい。
ミラー!ー魔法を跳ね返す効果の魔法ーを勇者にかける。
ダウン!×10ー弱体化の魔法ーを勇者に唱える。
跳ね返り、僕の体から力が抜けるのが分かる。
憧れの人を倒せるわけないし。
それに、ゲームオーバーになれば元の世界に戻れるし!!
果たして
勇者の剣が僕に触れ、、
「きゃーー!!」
甲高い声をあげて、勇者はその場に崩れた。
えっ?あれ?
剣が折れ、地面でピクピクする勇者を見下ろす。
ドオルがやれやれという顔で、勇者に回復魔法をかける。
脇を小突かれる。
「ふ、ふははははは、まだまだだな、ゆ、勇者よ。出直してくるが良いわ! 」
兵士達が雄叫びを上げる。
「あ、ヤベ」不穏な声をドオルがあげる。
「勇者が転送できない」