7番目 〖───〗
「やぁー話終わったね!帰ろっか!」
夕陽が差し込み始めた教室。
グラウンドから聞こえる運動部の声も、もう聞こえない。
「え?でもまだ七番目話してないよ?」
「やだなぁ、雪菜知らないの?七不思議は七番目まで話しちゃったらダメなんだよ?」
そう言いつつ、鞄を持って立ち上がる。
「へぇーなんで?」
「なんで?そういや、なんで何だっけ?」
「楓もわかってないんかい!」
「あは、まぁいいじゃん。それに私、七番目知らないし」
「じゃあ仕方ないか」
雪菜も鞄を手に取る。
他愛もない話をしながら、玄関へと向かう。
そして、靴を取り出そうとした時。
…あれ?
靴箱、なんかおかしい?
いやでも、どこが…
『楓』
後ろで、雪菜が私の名前を呼ぶ。
でも、それ以上に気づいてしまった。
私、九条楓の靴箱のその上。
──如月雪菜の、靴が無い。
『ねぇ、知ってる?』
…シャン…シャラン
雪菜の声に、鈴の音が混じる。
瞬間、全身が粟立つ。
耳に残る嫌な音に、冷や汗が垂れる。
「な、何を?」
後ろが見れない。
声が震える。
『七不思議は、七番目を語っちゃダメ。
──それは違う。』
「…ゆきな?何、言ってるの?」
『七不思議は、六番目を語ってはいけない。
" 誰も知らないはずの六番目 " が語られてしまうと、それを聞いたものは…』
息が詰まる。
六番目?語ってはいけない?
さっき、終わったじゃん
『 隙間に落っこちてしまうから 』
ゾワッとした感覚が、体中を這い巡る。
後ろでゆらゆらと揺れる気配がする。
ペタ…ペタ…
ゆっくりと、近づいて来るのが分かった。
見ちゃだめだ。逃げないと…!
私は、振り返らずに玄関のドアを
『あは、あハは!開かなイね、開カないよ!』
「う、嘘やだ…」
慌てて、校舎の方へと向きを変える。
『鬼ごっコ?あは、いいネ!』
「逃げなきゃ、早く、逃げないと…」
ペタッ…ペタッ…
ゆっくりと、でも確実に追いかけて来る。
『タノしもう?楓!
あそボウ?カエデ!』
笑い声が、重なる…
えっ、足音が増え──
『『時間は、たっぷリあるカラ!』』




