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寝取られたキミと自分のために生きた俺【50万PV感謝】  作者: けーきまる
番外編(クロスオーバー)

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柚希視点――裏切り者たちの会話

ここから先は、別の拙作とのクロスオーバーとなります。悠斗の甥っ子とその妹である超AIのSF小説です。

https://ncode.syosetu.com/n1035ln/


この小説の「VTuberで稼いでみよう」の章で、悠斗と柚希が登場しています。柚希に睨まれる恐怖が味わえると思います。


悠斗と柚希の話にとっては、蛇足かもしれませんので、ご留意ください。向こう側にも悠斗と柚希は出てきます。柚希は相変わらず柚希やってます。

藤崎正太郎くんは、夫である悠斗の兄の息子である。つまり悠斗の甥っ子だ。


※※※


このところ、正太郎くんが立ち上げた会社「ドールハウス」の関係で、悠斗と正太郎くんが時々顔を合わせるようになっていた。


数年前に会ったときの正太郎くんは、折り紙が得意な、どこにでもいる優しい少年という印象だった。娘のつむぎも、彼の折り紙が大好きだったのを覚えている。


悠斗のお兄さん、宗一郎さんが亡くなったときの正太郎くんは、まるで魂が抜けたようで、声をかけても生返事しか返ってこなかった。あのときは本当に気の毒に思ったものだ。


※※※


しかし、最近の正太郎くんは、以前とはまるで別人のようだ。自ら立ち上げたVTuberプロダクション「ドールハウス」を急成長させ、星ヶ谷ネムという天才少女と同居し、幼馴染の朝比奈千穂も頻繁に家に出入りしている。まるで少年漫画の主人公のような、波乱に満ちた日々を送っているように見える。


先日、悠斗の会社で再会したときのことも印象的だった。


会った瞬間、まるで私の本質を見抜かれたような感覚に襲われた。私が正太郎くんの内面を探ろうとしたはずなのに、逆に彼に心の奥を覗き返されたような、不思議な感覚だった。会話の中でも、どこか間があり、まるで誰かに助言を受けながら話しているような雰囲気があった。試しにマイクの機能を麻痺させるハイパスフィルターをかけてみたが、正太郎くんには何の変化も見られなかった。考えながら、慎重に話していただけなのだろうか?


話の途中、彼に幼馴染の恋人がいて、すでに別れていることを知った。その話を聞いた瞬間から、私は観察者でいることができなくなった。悠斗との過去が頭をよぎり、自分の感情を抑えるのに必死だった。気づけば、正太郎くんは帰ってしまい、結局彼のことは何も分からずじまいだった。


※※※


だが、正太郎くんは悠斗の近くにいる人間だ。私は、正太郎くんのことを知らなければならない。


少し調べてみると、彼の幼馴染は朝比奈千穂というらしい。もし彼女が警戒心を解いてくれれば、正太郎くんの秘密に近づけるかもしれない。そう思い、彼女に接触することを決めた。


※※※


私は、朝比奈千穂さんの家を直接訪ねた。彼女とじっくり話をするためだ。


「はじめまして。正太郎くんの叔父の妻、藤崎柚希と申します。弁護士をしております」


千穂さんは少し驚いた様子で、しかし礼儀正しく応じてくれた。


「ゆ、柚希さんですか?しょうちゃんから前に聞いたことがあります。優しくて綺麗な叔母さんがいるって……」


その後、千穂さんはためらいながらも言った。


「あの、何か柚希さんご本人だと証明できるものはお持ちですか?以前、一度騙されたことがあって……。すみませんが、念のため正太郎くんに連絡してもいいですか?」


千穂さんは少し申し訳なさそうに、スマホを取り出した。


「もちろん。私が通話に出ても構いませんよ」


しばらくして、正太郎くんが電話に出た。


『え?千穂と柚希さんが一緒にいるの?』


「正太郎くんの幼馴染に一度会っておきたくて」


『え、どうしてですか?』


「正太郎くんは、悠斗と私にとって大切な甥っ子ですから。心配するのは当然でしょう?」


『そ、そうですね。千穂には優しくしてあげてください。あの子は本当に普通の、優しい子ですから』


その後、少しだけやりとりをして、通話は終わった。


「これで身元確認は大丈夫かな?」


「はい、疑ってしまってすみませんでした」


「気にしないで。世の中には人を騙す人もいるから、簡単に信じては駄目だよ」


その後、私は千穂さんを誘い、名古屋発祥の有名なチェーンカフェへと移動した。ゆったりとしたソファが特徴で、カフェというよりも喫茶店と呼ぶ方がしっくりくる場所だ。


※※※


席に着き、まずは正太郎くんの幼い頃のエピソードをいくつか話して場を和ませた後、私は静かに本題へと切り込んだ。


「千穂ちゃん、正太郎くんとは以前お付き合いしていたんだよね。もし差し支えなければ、どうして別れることになったのか教えてもらえない?」


千穂ちゃんは一瞬、驚いたように目を大きく見開いた。しかし、誰かに話したかった気持ちもあったのだろう。時折涙を浮かべながら、これまでの経緯を丁寧に語ってくれた。


…………


※※※


なるほど……神山という人物に騙されてしまったわけか。


腹立たしい話だけれど、千穂ちゃんの話を聞く限り、すでに正太郎くんによって何らかの「教育」を受けた後のようだ。話を聞くと、神山の性格もすっかり変わってしまったらしい。まるで洗脳でもされたかのように。正太郎くんは一体どんな手を使ったのだろう。


やはり、別れの原因は千穂ちゃんの裏切りだった。


ただ、その罪は私自身の過去の罪に比べれば、ずっと軽いものだ。私はただの浮気だったけれど、千穂ちゃんは正太郎くんを守ろうとした結果の行動。根本的に違う。


※※※


千穂ちゃんは心から正太郎くんに申し訳ないと思っているようだった。私は、彼女に同情してしまった。もしかすると、自分自身の過去と重ねて見ているのかもしれない。


弁護士としての直感だが、彼女はもう二度と同じ過ちを繰り返さないだろう。


先ほど私の身元をしっかり確認したことからも、過去の失敗からきちんと学んでいるのが分かる。彼女には幸せになってほしい。正太郎くんが望むのであれば、二人には復縁して欲しいと思う。


もっとも、正太郎くんはすでに千穂ちゃんを許してそうだ。そうでなければ、家に招いたり、ご飯を作ってもらったりはしないはずだ。何の障害もなければ、きっと二人はもう元の関係に戻っているだろう。


それでも復縁していないのは、きっと正太郎くんの抱える秘密が原因だろう。その秘密は、一度知ってしまえばもう元には戻れないようなものと考えられる。ネムさんは、正太郎くん自身ではなく、その秘密に人生を捧げているのかもしれない。そう考えるほうが自然だ。


ネムさんは大学の准教授でAI研究者。彼女が人生をかけるとしたら、それはやはり研究だろう。そして、正太郎くんの父であり悠斗の兄でもある藤崎宗一郎さんは、ナノテクの研究者でありながら、晩年はAIの研究もしていた。もしかすると、外部には明かせないような画期的なAIのブレークスルーがあったのかもしれない。ドールハウスの急成長も、その推測を裏付けている。


この秘密については、深入りしない方がいいと私の直感が告げている。長年の弁護士経験から、「知るべきでないこと」が本当に存在するのは分かっていた。


正太郎くんも、千穂さんが自分から離れられるよう、あえて秘密を明かしていないのだろう。それは、彼なりの優しさなのかもしれない。


※※※


正太郎くんはこれから企業の社長として、ますます多くの人々に囲まれることになるはずだ。地位やお金を目当てに近づいてくる人もいれば、男性を惑わすような女性も現れるかもしれない。


だからこそ、正太郎くんの周囲には、信頼できて魅力的な女性が必要だと思う。成功するためには、女性関係に対する免疫や耐性が不可欠だ。実際、女性問題で全てを失う人も少なくない。


その点、千穂ちゃんもネムさんも、魅力的な女性だと思う。彼女たちが両脇に入れば、女性問題からの防壁となってくれるだろう。


ネムさんの立ち位置はまだはっきりしないけれど、個人的には千穂ちゃんと正太郎くんにはもう一度やり直してほしいと感じている。たとえネムさんという存在があったとしても、千穂ちゃんが今も正太郎くんを大切に思い、尽くしている姿を見ると、その気持ちは本物だと伝わってくる。


それに……この子はもう学んでいる。裏切ることはないだろう。貴重な人材だ。


※※※


ネムさんは、すでに正太郎くんたちの抱える秘密から離れられない立場にいる。そうなると、ネムさんが選べる道は正太郎くんと共に歩むことだけしか残されていない。もし正太郎くんと家庭を築くなら、千穂ちゃんもネムさんの存在を受け入れる必要があるだろう。


千穂ちゃん自身もそのことを理解しているようで、「二人で正太郎くんの子供を産みたい」と冗談めかして話していた。ネムさんが正太郎くんを恋愛的にどう思っているかは分からないが、二人の相性はとても良いらしい。子どものためにも、できるだけシンプルな家庭環境が望ましいとは思うけれど、どうするかは本人たちが決めることだ。


また、千穂ちゃんは正太郎くんやネムさんの研究には関わっていないと話していた。正太郎くんが彼女に秘密を打ち明ける日は来るのだろうか。そのタイミングこそが、二人の復縁のきっかけになるのかもしれない。千穂ちゃんにできるのは、今は正太郎くんを支え、信じて待つことだけだろう。


※※※


ちなみに、千穂ちゃんの発言から推測するに、彼女の中では「正太郎くんがお父さん、千穂ちゃんがお母さん、ネムさんが子供」という、ちょっと風変わりな家族像が思い描かれているようだ。なかなかユニークな発想だと思う。ネムさんは、千穂ちゃんより、年上だったはずだけど……。


私自身は弁護士の仕事が忙しく、つむぎみなとの世話も十分にできているとは言えない。家族としての役割を果たせていないことに、申し訳なさを感じることもある。


もし正太郎くんに家族ができたとき、ネムさんが仕事面、千穂ちゃんが家庭面を支えることができれば、理想的な家族の形になるのかもしれない。


※※※


悠斗の甥である正太郎くん。私の娘のつむぎも彼に懐いている。自分が大切に思う人たちが、同じように正太郎くんを大切に思っているのなら、私も心から彼の幸せを願いたい。


それに……正太郎くんには、なんらかの力があることが分かった。将来的に、私の家族に役に立つようなサポートも期待できるかもしれない。


ぜひとも正太郎くんには頑張ってほしいと思う。

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