悠斗視点――寝取られ男たちの会話
ここから先は、別の拙作とのクロスオーバーとなります。悠斗の甥っ子とその妹である超AIのSF小説です。
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この小説の「VTuberで稼いでみよう」の章で、悠斗と柚希が登場しています。柚希に睨まれる恐怖が味わえると思います。
悠斗と柚希の話にとっては、蛇足かもしれませんので、ご留意ください。向こう側にも悠斗と柚希は出てきます。柚希は相変わらず柚希やってます。
俺はいま、甥っ子の正太郎と向かい合って話している。
正太郎は、昨年急逝した兄貴の一人息子だ。兄貴が突然この世を去り、呆然自失となっていた正太郎の姿を見てから、まだ一年も経っていない。
※※※
正太郎は最近、VTuberの事務所を設立したらしい。社名は「ドールハウス」。なかなか洒落た名前だと思う。
彼は仲間と共に、非常に高品質なアバターと魅力的なトークを実現するためのAIを開発した。このAIの力で、ドールハウスにはトップクラスのVTuberと同等のクオリティを持つVTuberが多数所属しているという。
現在、ドールハウスのVTuberは視聴者を驚異的な速度で増やし、VTuber業界に大きな影響を与えているようだ。
俺はそんな甥とじっくり話をしたくて、会社の近くにある個室カフェに彼を呼び出したのだ。
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男と男の会話だ。だが、俺達の話題など決まっていた。
「寝取られって辛いよな」
「本当に、辛いです」
そう、俺たちは二人とも、幼馴染を寝取られた経験を持つという業を背負っていたのだ。
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「正太郎、お前は寝取られた時、どうだった?」
「布団から出られませんでした。頭の中でいろいろと想像してしまってて。彼女が今も間男と裸で絡み合ってるんじゃないかとか、そんな映像がずっと頭を巡っていました」
「ああ、わかるよ。俺も似たような感じだった。あれは脳が壊れるよな」
「全くです。もちろんご飯なんかも食べれないし、なんか現実感がないというか、世の中がほわーとモヤがかかっちゃって。あと、痛みに鈍くなってたような気がします」
「痛みに鈍く?ああ、物理的な痛み?どこかぶつけたり転んだりしても、何も感じないみたいな?」
「そんな感じです。むしろ痛いと、逆に心地良いみたいな。なんとなくリストカットとかやっちゃう気分が、あのときは分かりましたね」
「そこまで追い詰められていたのか?」
「ええ。なんというか…父さんが死んだダメージが抜けきってなかったんだと思います。何もなくなっちゃったって。みんなどこ行っちゃったんだろうとか、ぼんやりと考えてました」
「そうか……そんな時こそ俺に連絡してほしかったな。お前、それは自殺寸前だったんじゃないか?」
「そうだったかもしれません。実際に知り合いに話したら、自殺のリスクがあったと言われました」
「次はそんなことがないのが理想だけど……万が一何かあったら、今度は必ず俺に連絡しろよ?絶対にだ。正太郎は、俺の大切な甥なんだからな」
「は、はい。ありがとうございます」
※※※
「でも、正太郎、お前に比べたら俺はまだマシだったかもしれないな」
「そうなんですか?」
「ああ、確かに何日かは何も手につかなかったし、虚しさでいっぱいだったけど、吐き気とか極端な体調不良はなかった。たぶん、今のお前より年上だったし、あのころの柚希の様子からなんとなく予感もあったから、心の準備ができてたのかもしれない」
「そうですか……やっぱり叔父さんは強いですね。でも……叔父さんは柚希さんと復縁できたじゃないですか。どうやって、また信じられるようになったんですか?」
「うーん、やっぱり柚希が俺に捧げてくれたものが大きすぎたからだと思う。あとは……昔ほど女性に対して潔癖じゃなくなったのもあるかもしれないな」
※※※
「潔癖?」
「ああ。あまり大きな声では言えないけど、俺、昔は女遊びばかりしてた時期があったんだ。正直、百人くらいと関係を持った。ほとんどが俺の地位や金目当てだったけどな」
「ひ、百人もですか……!」
「そうだ。その中で、いわゆる夜のテクニックを徹底的に磨いたんだ。絶対に間男よりも俺の方が女性を満足させられる、っていう自信が欲しかった。なんだろうな、あの感情」
「よくあるだろ?『間男の方が夜は上手だけど、本当に愛してるのはあなただけ』みたいな話。あれ、男としては絶対に許せないだろ?プライドがズタズタになる」
「確かに……それは男として耐え難いですね。間男より男として下だって、格付けされてる感じで」
「そう、それだよ。だから俺は、女性を心から満足させるために必死で努力した。その結果、自信がついたんだ。今の俺なら、何があっても柚希を夢中にさせられるって思える」
「自信……たしかに、大事ですね。もし千穂とまたそういう関係になったとして、間男より下手だなんて思われたら……想像しただけで、下半身がしぼみます。EDとかになりそう」
「だからこそ、お前自身が変わる必要があるんだ。千穂ちゃんとやり直したいなら、まずは自分が強くならないといけない」
「間男との過去を塗り替えるくらいの絶対的な自信を持つことだ。俺の場合は、それが金や地位、女遊びの経験だった」
「虚しいと思ったこともあったけど、結果的には自信を持てるようになったから、悪い経験じゃなかったと思ってるよ」
※※※
「じゃあ、俺が自信を持つには、どうしたらいいんでしょうか?」
「まずはドールハウスをしっかり成功させることだな。やっぱり何かを成し遂げた人間には自然と人が集まるし、自信もつく」
「結果が出れば、周囲の見る目も変わるし、女性も寄ってくる。もちろん、金や地位目当ての人も多いかもしれないが、それも経験だ。焦らずに、まずは自分の足元を固めることだよ」
「……でも、俺、千穂を悲しませたくないんです。千穂は、俺のために浮気したって感じだったので……。ただ……他にも色んな事情があって……すぐに復縁とかは難しいんです」
ああ、例の、正太郎が隠してる事の関係か?それで、普通の復縁は無理と。
「なるほどな……俺と状況はちがうかもな。じゃあ、セフレってことにすればいいじゃないか?」
「セフレとか!千穂が可愛そうで……!」
「お前、それ本人に聞いたのか?今の関係より、千穂ちゃんもセフレ的な関係を選ぶかもしれないぞ?それに、お前が復縁考えてるんなら、心も体も掴んどかないと、他の男に取られちまうぞ!」
「それはいやだ!千穂が他の男のものになるなんて!」
「じゃあ。セフレにしとけ。お前や、周りの状況が、受け入れられる準備ができるまでな。それから復縁すれば良い」
※※※
「…………………」
「あ、すまなかったな。俺の考えを押し付ける感じになっちゃって。結局は、お前はお前が一番いいと思える方法で、千穂ちゃんに接していけばいいさ」
※※※
「ええ……すごく勉強になりました。確かにその通りですね……そっか千穂が他の男の所に行くなんて考えてもなかった……俺……駄目ですね……」
「ほらほら凹むな!俺達は加害者じゃない被害者だ!堂々としてろ!あと、千穂ちゃんとは、しっかり話し合っとくこと。これだけはしっかりやっとけ!以上!」
※※※
俺は正太郎にそんなアドバイスをしながら、ふと我に返った。
……待てよ、冷静に考えたら、甥っ子に「セフレを作れ」なんて勧める叔父って、倫理的に完全にアウトじゃないか?これ、もし柚希に知られたら、間違いなくお説教確定だよな……。
後日、恐れていた通り、その話は柚希の知るところとなった。いったいどこから情報が漏れたんだ……?
き、機密情報漏洩案件……。
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