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転生したゲーム世界で脇役キャラなのにヒロインに好かれた俺は、なぜか現実世界でもモテまくる  作者: 波瀾 紡


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【第54話:Xデーがやって来た】

 夏休み突入を間近に控えた日曜日。プールに行く約束の日である。

 そのXデーがとうとうやって来た。


 大型の市民公園の中にあるプール。二人とはそのゲート前で午後2時に待ち合わせをした。

 ここは公営ながら、流れるプールやスライダーも充実していて、なかなかの人気スポットなのである。


 俺は約束よりも30分くらい早く現地に着き、二人を待っていた。

 今日は美女二人の水着姿を目にすると思うと、どうもそわそわして落ち着かない。


 別に俺はスケベなわけではない。いたって真面目な高校生……

 ──いや正直に言おう。


 学校でも一二を争う美女二人とプールに入るのだ。水着姿を目にするのだ。

 健康な高校生男子であれば興奮しないハズはない。

 鼻血は出そうだし頭はくらくらするし。


 期待の大きさと、逆にここから逃げ出したいくらいなのである。


 いやもうマジで逃げ出そうかな……

 なんてチキンの俺を逃げられないようにする可愛い声が聞こえた。


「お待たせしました」

「お待たせ~っ!」


 二人は一緒に現れた。

 白いタンクトップに白いショートパンツ。白いツバ付き帽子まで被った真っ白清楚な八奈出さんが先に目に入った。眩しすぎるぞ八奈出さん。


 そして横に立つ影裏さんに目を向けると……

 オレンジ色のノースリーブシャツの胸元が、凶悪に盛り上がっていた。

 それが目に入った途端、まるで強烈なパンチをもらったごとく、がつんと頭に衝撃が響いた。


 ヤバい。実物は想像の10倍の破壊力だった。

 まだ水着じゃないのに、もうくらくらする。


「じゃ、じゃあ中に入ろうか」

「はい」「うん!」


 三人揃ってプールのゲートをくぐり、施設の中に足を踏み入れる。


「ふふふ……楽しみだね時任くん♡」


 おいおい、どんだけプール好きなんだよ影裏さん。


「は、はるるちゃん。ズルは無しですよ」

「なに言ってるの玲奈ちゃん。プールでズルってなにかな? あたしわかんない」

「むうぅぅ……」


 影裏さんが可愛い素振りで首をかしげている。

 うむ。まるであざと女子みたいだ。


 でも俺にも、八奈出さんが何を言っているのかわかんない。

 ズルってなに?


「そ、それは……××を使って〇〇君を誘惑するとかですょ……」


 急に八奈出さんがひそひそ声になった。

 なんの話だ?


「だって玲奈ちゃんだって料理上手って武器を使ったじゃん。あたしだって……の武器を最大限に……」


 周りがざわざわしてるのもあって、二人ががひそひそ話す内容がほとんど聞き取れなかった。


 プールの建物の入り口で女子達と一旦分かれて更衣室に入る。

 これから見るであろう景色、つまり彼女たちの水着の想像がチラッと頭をよぎった。


「いかんいかん」


 ちょっと下半身がヤバくなりかけたので、心を無にして急いで水着に着替えた。

 そしてプールに向かう。


 更衣室から出てすぐの所に流れるプールがある。その前で二人と待ち合わせをした。俺が着いた時にはまだ女子二人は来ていなかったので、待つことにした。


 あまりガン見したら捕まりそうなので、さりげなく女子更衣室からの出口に目を配る。人が出て来て来るたびにドキリとする。


 この気持ち、何に例えたらいいのだろう。

 RPGゲームでラスボスに到達する寸前の緊張感?


 そんなことはどうでもいいのだが、何か考えていないと脳がエッチい妄想に持って行かれそうなのだ。


 そしてとうとうその瞬間がやって来た。

 更衣室から別格に美しい女子が二人、姿を現した。


 二人とも水着の上にタオル地のパーカーを羽織ってるせいでイマイチよくわからないものの……


 八奈出さんはワンピースタイプの黒い水着。さっきの私服が真っ白コーデだったのに反してギャップ感満載だ。

 一方影裏さんはビキニタイプのピンク色の水着。パーカーの上からでもわかるくらい、胸の所が豊満に盛り上がっている。


「時任くん、お待たせ~っ!

「お待たせしました」

「いや、全然待ってないから大丈夫だよ」


 脳が崩壊しそうな景色のせいで、ド定番の返しをするのが精いっぱい。


「じゃあそこに荷物を置いて、さっそくプールに入ろうか」


 フェンスの際に日よけ屋根がある。

 そこにビニールシートを敷いて、女子二人はビニール製のバッグを置いた。


 そして二人とも、羽織っていたパーカーを脱いだ。


 ──なんだこれ。


 タオル地の布下から現れたのは、大きさの違いはあれど、二人とも男子の理性を崩壊させるSSSクラスの最強武器だった。


 なぜか二人とも俺の方に正面向いて立って、にこりと微笑んだ。

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