◇1 転生
凄く高くて見た事もない装飾がされた天井。
カーテンや床のカーペットまで一体いくらするんだと思うくらいの高級感あふれる広い部屋。
そして俺が今いるデカいベッド。
どうやら俺は、誰かの家にお邪魔してしまったらしい。
「うわぁ、19世紀イギリスかよ……」
なんか、映画とかでしか見た事ない風景だな。あぁあとあれ、マンガとかでよくあるやつ。異世界とかで出てくる貴族のお屋敷。そういう舞台って大体こんな感じだよな。
それにしても、どうしたものか。ここに来るまでの記憶が全くない。確か、家でカップラーメン食べようとした所までは覚えてるんだけど……ラーメンどうなったかな。絶対伸びたよな。マズいな。溢れてなければいいんだけど。
とにかく、この家の方に……謝罪? あと状況把握もしないとな。そう思いベッドを降りようとした。
けど、おかしい。
動いた瞬間に感じた、身体の違和感。
そして垂れてきた、髪の毛。
何だこの髪。俺の他にここにいないから……これ、俺の髪? だいぶ長すぎいか? 腰までありそうだな。……いや待て待て待て、俺ショートヘアーだよな。
だけど、引っ張ってみても俺の頭皮が痛いだけ。おかしい、おかしいぞ。
きょろきょろと周りを見渡して……あった! 鏡!
ベッドを下りて、見つけた鏡を覗いた。映っていたのは……
「はぁ!?」
俺じゃなかった。いや、俺、のはずなんだけど、俺、じゃない。容姿が全然違うし、顔も違う。黒髪のはずなのに、青だ。ダークブルー。目も黒じゃなくて髪と同じくダークブルー。
身長もこんなに高くなかったし、何よりこんなに大人じゃない。18歳だったはずなのに、これじゃ30手前くらいじゃないか。俺老けたのか? いやいや、今はそれは問題じゃない。いや、問題なんだがもっとほかに考える事があるだろ。
けど、それよりさ、こいつだいぶ疲れてんな。クマ濃くないか?
自分と同じ動きしてるから、容姿が変わった? そんな馬鹿な。
そんな事を思っていた時だった。
――鏡の中の俺の目が、赤黒く光った。
ピタリ、と自分の頭の中、身体の至る所まで全部停止したような感覚がした。
そして、次の瞬間……
「あ……」
何かが頭の中になだれ込むかのように入り込んできた。
それは、とんでもない質量で、しかも一気に押し込まれて、でも頭に入りきらなくて。頭が割れ引き裂かれるようだ。
駄目だ、これ以上は……ダメ、入らない……
ただ俺は、耐えるしか出来なかった。
「ッ……ハァッ……ハァッ……」
やっと止まったかと思った時には汗がだらだらになってて。
入ってきたもの、それは――記憶だった。
この身体の人物の記憶だった。
とりあえず、今俺が見たこいつの記憶の感想。
「……クソだな」
俺、なんて身体に入っちまったんだろ。
不運にも程があるって。
そう思ってしまった。
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