表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したら最強すぎた件について   作者: ミリア
プロローグ〜第一章
9/37

誤差を、信じた

◆ 魔界/反逆神の領域


(反逆神視点)


世界は、静かだった。


人界も。

精霊界も。

神界でさえも。


「……動かん、か」


反逆神は、指先で空間をなぞる。

そこには、かすかな反応があった。


王国アステル。

境界に触れた“例の存在”。


だが――

何も起きていない。


歪みはない。

秩序は崩れていない。

精霊界も沈黙したまま。


「つまり……問題ではない、ということだ」


反逆神は、そう整理した。


世界は正直だ。

本当に危険なら、必ず軋む。


だが、今回は違う。


「力を持っているのは確かだが……」


それでも、使わない。

使えないのか、使わないのか。


重要なのは結果だ。


「何も起きていない」


それが、答えだった。



◆ 観測


(反逆神)


人界を覗く。


王都。

冒険者ギルド。

一人の猫耳族の少女。


普通の生活。

普通の呼吸。

普通の時間。


「……拍子抜けだな」


反逆神は、わずかに口角を上げる。


もし、創造神が関わっているなら。

もし、本当に“秩序の中核”に触れる存在なら。


こんな静けさは、あり得ない。


「力を恐れているか、世界に縛られているか……」


どちらにせよ、

“今は”脅威ではない。



◆ 判断


(反逆神)


精霊界は動かない。

神界も沈黙。

教会は収束と判断。


全てが、同じ方向を向いている。


「ならば、私の判断も同じでいい」


反逆神は、結論を下した。


――保留。


排除もしない。

接触もしない。

誘導もしない。


まだ、価値が定まらない。



◆ 独白


「力を抑える者は、いずれ限界を迎える」


それが、これまでの世界の理だった。


力は、使えば歪む。

使わねば、溢れる。


どちらに転んでも、

いずれ“音”が鳴る。


「……その時を待てばいい」


今は、静かすぎる。



◆ 見落とし


反逆神は、一つだけ見ていなかった。


――秩序が、歪んでいない理由。


それが

「抑えられているから」

ではなく、

「歪まない力だから」

かもしれない、という可能性。


だが、その発想には至らない。


至る必要が、なかったからだ。



◆ 魔界/深層


「世界は、まだこちらを見ていない」


反逆神は、そう結論づけた。


ならば、動かない。

動く理由がない。


この誤差が、

誤差のままで終わると信じて。


世界は、今日も静かだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ