未知への足音
朝靄の中、ミリアとリナは宿屋を後にした。昨夜の戦いの疲れも残っているが、心は軽やかだった。新たな力の感覚が、彼女の内に確かな希望を灯している。
「今日も頑張ろうね、リナ!」
「はい、ミリア!私も負けないようにする!」
二人は笑い合いながら街を歩いた。ギルドへ向かう途中、噂話が耳に入る。
「最近、森の奥で見たこともない精霊の姿が目撃されたそうよ」
「精霊?それって普通のよりずっと強いのかしら?」
「うん、なんでも精霊王や王女とも呼ばれているらしいわ。でも詳細は誰も知らないんだって」
ミリアはその話を聞き流しつつも、胸の中に小さな疑問が芽生えた。自分と関わる精霊の存在、その真実とは一体――。
ギルドに着くと、掲示板にまた新たな依頼が掲示されていた。内容は「古代遺跡の調査及び守護魔物の討伐」。ミリアは自然とその依頼に目を留めた。
「これに挑戦してみようか」
「うん!ミリアならきっとできるよ!」
二人は準備を整え、再び森の奥深くへと足を踏み入れた。今回は遺跡へ向かう道中、精霊の気配を強く感じる。まるで見守られているような、不思議な安心感があった。
「ねえ、リナ。私、精霊たちのこと、もっと知りたいな」
「そうだね。でも気をつけて。精霊の力は強いから、簡単には近づけないよ」
遺跡の入り口に立つと、薄暗い空気が辺りを包み込む。魔力の残滓が漂い、古の力が今も眠っていることを告げていた。
「いよいよ、ここからが本番だね」
ミリアは深呼吸をして、冷気をまといながらアイスショットを準備する。リナも剣を握りしめ、二人は慎重に進み始めた。
遺跡の奥、突然、強烈な魔力の波動が襲いかかる。守護魔物が姿を現したのだ。巨大な獣のようなその姿は圧倒的な存在感を放ち、二人に襲いかかる。
ミリアは瞬時に魔法を詠唱し、冷気の矢を放つ。魔物はひるむものの、その反撃は鋭く、リナは防御に回る。
「まだまだね……私も、もっと強くならなきゃ」
ミリアは力を込め、体術と魔法を組み合わせて攻撃を続けた。スノウダンスの踊り子のような軽やかな動きが、攻撃と防御を織り交ぜる。
やがて魔物の動きが鈍り、最後の一撃が決まる。冷気が全身を包み込み、魔物は崩れ落ちた。
勝利の余韻に浸る二人だったが、遺跡の奥から微かな囁きが聞こえた。精霊の声か、それとも――。
「まだ、終わっていない……」
その声は深遠で、そしてどこか懐かしい響きを持っていた。
ミリアはその声に導かれるように、さらに奥へ進む決意を固めた。




