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新たな風と謎の影

ランクアップを果たしたミリアは、翌日もギルドへ向かった。新しいカードは輝きを放ち、彼女の自信をほんの少しだけ後押ししてくれる。


「これからもっと強くなるんだ」


受付の女性が微笑みながら声をかける。

「ミリアさん、新しい依頼が入っていますよ。少し特別な案件です」


興味津々で依頼書を見ると、それは「古代遺跡の調査および護衛」だった。報酬も高額で、難易度は格段に上がるらしい。


「うん、挑戦してみる!」


ギルドを出て、宿屋に戻ると、リナが迎えてくれた。

「その依頼、危険らしいけど…大丈夫?」

「リナ、心配かけてごめんね。でも、やってみたいの」


準備を整え、ミリアは遺跡へと向かった。道中、彼女はふと背後に冷たい視線を感じる。振り返っても誰もいないが、その違和感は消えなかった。


遺跡の入り口は荘厳で、かつての神々の力を感じさせる。ミリアは慎重に中へと足を踏み入れた。


奥へ進むほど、空気は重く、魔力が渦巻いているのがわかる。彼女は杖を手に取り、魔法の安定を図った。


「気を引き締めて…」


突然、闇の中から何者かが現れた。姿は見えないが、冷気を纏ったその存在は、ミリアの感覚を鋭く刺激した。


「誰…?」


答えはなく、ただ静寂が続く。彼女は「アイスショット」を放ち、闇を切り裂く。そこには魔物の残骸があったが、相手はもういなかった。


「不思議な気配…まるで誰かが監視しているみたい」


調査を続ける中、ミリアは徐々にその遺跡がただの遺跡ではないことに気づく。かつて神々が封印した禁忌の力が眠る場所、そしてそれを狙う者たちの影。


「この先、何が待っているのか…」


彼女の胸には不安と期待が入り混じっていた。


ギルドに戻ると、彼女の話はすぐに広まった。噂は、やがて教会や神界にも届いていることを、ミリアはまだ知らなかった。


夜、宿屋でリナと語り合う。

「ミリア、無理しないでね」

「うん、でも私…まだまだ知らないことが多いから。もっと強くならなきゃ」


その言葉の裏に、深い決意が隠されていることは、誰も気づかない。


そして、遠く神界では、ひとつの影が静かに動き出していた。

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