三つの依頼とランクアップ
ミリアは冒険者ギルドの入り口を出ると、深呼吸をした。
「ふう、今日も無事に終わった…」
だが、彼女の頭の中にはまだまだ課題が残っている。今回は三つの依頼をこなした日だったのだ。
一つ目の依頼は、近隣の村で魔物の調査。
相手は小型の魔獣で、初めての実戦には少し緊張したものの、得意の氷魔法「アイスショット」で素早く仕留めた。
「氷の魔法って、本当に使いやすいな…」
二つ目は森の奥深くに潜む魔物退治。
こちらは警戒心の強い魔物が相手で、体術も駆使しての戦いだった。彼女の俊敏な動きと「スノウダンス」で敵の攻撃をかわしつつ、少しずつ距離を詰めていった。
「よし…これで倒せた！」
そして、三つ目の依頼。
今回は依頼主からの報酬も大きく、少々油断してしまいそうな相手だったが、冷静に魔法と体術を組み合わせて戦い抜いた。
ギルドに戻ると、受付の女性が待っていた。
「ミリアさん、お疲れ様！今日は三つも依頼を終えたんですね！」
「うん、なんとか…」
女性は嬉しそうににっこり笑った。
「実は、三回の依頼を完了したので、ランクアップの手続きを始めてもいいですよ」
ミリアの胸が高鳴る。
「本当？やった！」
彼女は指示されてランクアップのための魔法陣の中央に立つ。淡い光が周囲に広がり、体の奥底から新たな力が湧き上がってきた。
「すごい…力が増してる」
その場で、彼女のステータス画面が見えたなら、明らかにパワーアップしているのが分かるだろう。魔力の残量も増え、魔法の威力も確実に強くなっている。
ランクアップの儀式が終わると、受付の女性は言った。
「これからは、もっと強い依頼も任せられますね。気をつけてね」
ミリアは笑顔でうなずいた。
「ありがとう。これからも頑張るよ」
その夜、宿屋に戻ったミリアは、同じくらいの年頃の女の子と一緒に夕食を楽しみながら話した。
「ミリアちゃん、今日もお疲れ様。ランクアップできてよかったね！」
「うん、まだまだだけど、一歩ずつ強くなってる気がするよ」
ふと彼女は自分のピンクのフリルがたっぷりついたコートに手を触れた。
「このコートも、もっと力を貸してくれるかもしれない」
部屋に戻りベッドに横になると、彼女は静かに目を閉じ、明日からの冒険に思いを馳せた。
「もっと強くなって、もっとたくさんの人を助けたい…」
回復の魔法が彼女の体を優しく包み込み、ミリアは心地よい眠りについた。
