-Infinity sniping-
前回に続き 敵紹介 第6弾
名前 蛇蠍 晴彦 (だかつ はるひこ)
使用武器 Vz61 スコーピオン(ストックが開かれた形から蠍と呼ばれている。)
容姿 黒髪のショート 切れ長の目
身長 178cm
性格 女性の恐怖に陥った顔、泣き顔を見るのが趣味。ドS
能力 ポイズン ニードル-毒針-
1発身体に当たればたちまち神経毒が周り体が痺れる。VRの影響で痺れているように錯覚させるだけであり生身の身体には影響はない。
備考 黒田 栄吉とは小学校からの仲。中学、高校と一緒に色々手を出し、色々やった。一応仲間を大事にする熱い心は持っている。
第1章 「モノマネ芸人」
作戦通り俺の仕事はこなした。後はもう1人、栄吉に仕留めてもらうだけだ。無線を使い栄吉に連絡を取る。
「散弾銃の子。始末したで…ほな栄吉はあの元気な子やろ…?」
「ん。もう終わったん?晴彦。流石仕事早いなぁ。ほなワイも狩りに出かけよか。」
会話が終わり、無線を切る。俺はそのまま次の標的。おさげの子へと向かった。
晴彦は約束通り仕事を果たした。後は自分が動くだけ。
「必ず勝ったるで…」
独り言を呟きながらスキルを発動し散弾銃の子に自分の体が変化するのがわかる。次のターゲットは…島さんとでも言うてたか。さぁ、狩の時間や。
「んー…みーちゃん遅いなぁ…手こずってるのかなぁ…やっぱり私も言った方が良かったかなぁ…」
1人みーちゃんのことを心配しながら物陰で待機する。彼女の事だ。すぐに戻ってくるに違いない。考えているとレーダーにこちらに向かう反応があった。少し顔を出し様子を伺う。
「…島さん…無事でしたか。すみません。相手が逃げ回ったもので、時間がかかりました。」
ハンドガンを握り戻ってくるみーちゃん。私は笑顔で迎え入れた。
「おー!みーちゃんおかえりー!あれ?ハンドガン使ってるの?」
「あ。はい…狭い路地に逃げ込まれたもので。狭い場所ではハンドガンの方が使いやすいですから。」
確かにそうかもしれない。流石みーちゃんだ。
「…島さん。敵に関して情報を掴んだので少しそこの物陰に移動しましょう。」
「情報…?まぁ…あの黒田さんって人しか知らなかったもんね…分かった。移動しよう!」
確かに現状は情報が少ない。情報が手に入るのはそれだけ有利に立てるということだ。言われた通り細い路地に入る。
「んで…それで情報って?」
奥に入りみーちゃんの方を振り向く。その瞬間背筋が凍った。
「情報ですが…私は残念ながら晴彦くんに勝てませんでした…」
そこには私に向けて銃を向けるみーちゃんがいた。晴彦くんとはなんの事だろうか。
「あなた…もしかして。黒田さん?」
「大正解ー!よーわかったなぁ?撃てないん?そうやろなぁ…お友達撃つなんて出来へんよなぁ?」
みーちゃんの顔が不気味に微笑み近づいてくる。
これはみーちゃんではない…黒田さんだ。分かってはいるけど銃を向けられない。いくら偽物とはいえやっぱり仲間に対して撃ちたくはない。
「ほな…さいなら」
発砲音と薬莢の飛ぶ甲高い音が響く。皆に知らせなければいけない…だが。私はもう動くことが出来なかった。
第2章「騙し合い」
「信濃ちゃん。戦況はどうなってる?」
現状を把握するため。軽く挨拶がわりに連絡を入れる。
「戦況は…あまり良くないかもしれません。先程から瑞希ちゃん、沙耶ちゃんと連絡が取れません。何かあったのかな…」
「了解した。それだけ聞ければ十分だ。信濃ちゃんは菅谷ちゃんの方を見守っておいてくれ。」
2人がやられたかもしれない。まぁ。相手が強敵だったということだろう。ならばこちらも本気で行くしかないだろう。1つ目のハンドガンを手に構える。
「たっだいまー!!」
前方から島ちゃんが帰ってくる。無事だったのだろうか。もしかしたら例のモノマネかもしれない。警戒は解かない方がいいだろう。
「あぁ、無事だったのか…どうだった?」
「ちょっとキツかったかなぁ…みーちゃんはやられちゃったし…ちょっと伝えたい情報あるんで移動しませんか?」
志賀ちゃんはもうやられてしまったのか。まぁ、仕方がない。情報が聞けるのならば移動した方がいいだろう。
「わかった。先導頼む。」
「了解!!ついてきてー!」
前に進み物陰に入る。続いて物陰に入ったところ、そこには私に対して銃を向ける島ちゃんが居た。
「ごめんなさい。見知らぬ方…あなたにはここで死んでもらいまーす!」
そのまま射撃され銃を握る右手を撃たれる。撃たれてしまうとしばらくの間撃たれた部位は使えない。いたぶるためわざと腕を撃ったのだろう。
「ぐぅっ…お前は、黒田とか言ったか…?」
「んー?そうそう…みんな大好きくろやんやで…。この子もなぁ…ワイに騙されて可哀想にお友達に撃たれたわ…。
はっは…お前もいたぶったるわ…」
再び左足を撃たれると痛みに地面に膝から崩れ落ちてしまう。
「うぁあ!!…貴様…」
「楽しいなぁ?スタイルのいいおネエちゃん…向こうもそろそろ終わるかなぁ。」
私との勝負に確信を得たのか油断して横を見ている。今のうちに2丁目のハンドガンを転送し、左手に握る。
「こっちも終わらせよか…ほな…さいな…」
こっちを見た途端表情が変わった。
「なんでお前…左手でハンドガン持ってるんや…さっき弾いたはずやろ…」
「…すまんな。私は両利きなんだ。」
その言葉に表情が曇る。お互いに銃を向け合い硬直する。どちらかが撃てばもう片方も引き金を引き相討ちになるだろう。
「…クソが!!!」
そのまま引き金を引いてくる。私も正直腕も足も使い物にならない状態では足でまといだろう。ここで道連れに出来るなら本望でもある。
私はそのまま引き金を引いた。
後相手は何人いるのだろうか。だがあの二人なら大丈夫だろう。関西弁のその男が倒れる中、私も静かに目を閉じた。
第3章 「囮」
「しなちゃん。相手はどこかに見える?」
「んー。まだ見えない。どこから来るか分からないから気をつけてね。それと…澤山さんとも連絡が取れなくなっちゃった…」
しなちゃんと連絡を取りながらL85を構える。もう既に3人やられたのだろうか。
「見つけたで…巨乳ちゃん!!!」
突然声が聞こえそちらを振り返るとそこにはサブマシンガンを手に持った黒髪の男がいた。
「あなたは…動かないでください…」
こちらもL85を構え、応戦する。正直普通に撃ち合ったら厳しいかもしれない。
「…動かないで?動けへんのは俺じゃなくてそっちやろ。」
サブマシンガンを構え、ジリジリと寄ってくる。今の立ち位置ではしなちゃんからも見えにくいため、ここでやり合うのは分が悪いだろう。相手の歩幅に合わせ後ろに下がる。
「俺の毒で痺れるとこ…見せや?!」
そのまま弾丸を連射してくる。私はシールドを張りそのまま後退する。しなちゃんの射程まで相手を連れて来れば勝ち目はあるだろう。
「…っち。シールドかいな…面倒やなぁ。でも、これならとどうや?」
もう1人その後ろから現れ前はサブマシンガンの男。もう1人は後ろに回り込もうとしている。このままでは負けてしまうかもしれない。
「ほらほら!!さっさと堪忍したらどうや?」
銃を撃ちながらせまってくる。シールドでは抑えているもののもう1人に完全に回り込まれたら厳しいだろう。
私は覚悟を決め後ろの男に銃を向け、引き金を引いた。
その途端、背中に銃撃を受け、体に痺れが走った。これが毒だろうか。
「あーあー…お前のせいで俺一人になってしもうたやん。お詫びにええ顔見せや?」
体が痺れて動けなくなり地面に伏す私の頭部に銃口を向けてくる。
…でも、もう遅い。
「しなちゃん。見えてるよね?」
スコープを通して見る視界には陽乃ちゃんが倒れ、男がトドメをさそうと近づいている。今しか撃つチャンスは無いだろう。
そのまま標的に狙いを定め、引き金を引く。
この瞬間は心地よい。体が風と一体になった様だ。
放たれた弾丸はそのまま標的へと真っ直ぐに突き進み。標的へと突き刺さる。その瞬間標的は消えWIN書いた文字が目の前に浮かんだ。
こうして私たちは1戦目を制した。