-Infinity sniping-
今回は敵役のキャラを紹介致します。
それではキャラクター紹介 第5弾。
名前 黒田 栄吉 (くろだ えいきち)
使用武器 56式自動歩槍(AK47のコピー品)
容姿 茶髪に所々オレンジに染めた派手な髪色。
身長 180cm
能力 オブジェクト ミミック-物体擬態-
ある人を設定するとその人に見た目、声がそっくりになる。ただし能力、武器はコピーすることが出来ない。
備考 モノマネが大好きで飲み会では定番で毎回やっている。女子は大好き。
第1章 「もう1人」
黒田さんと初めてあった数日後。今日がプレ大会の日である。今日はAブロック、Bブロックに別れて戦うらしい。
静也さん達のチームはAブロックのため今回は当たることはないだろう。
だか、私達にはもう1つの問題があった。
「…はぁ。どうしよう…」
「もう1人…知り合いでやってる人なんて知らないよー。」
そうなのだ。今回は5対5の大会であり、もう1人が見つかっていない。私と一緒に沙耶ちゃんもうなだれてしまう。
「誰か参加してくれる人居ないかなぁ…」
「流石にもう居なさそうですね。諦めて私達4人で参加するのが得策かと。」
実際5対5ではあるが集まらなければ4人でも参加出来る。既に瑞希ちゃんも諦めているようだ。しかし人が一人いないのは圧倒的な不利である。
「アンタら、おはようさんー。あれ?その調子やとおたくら4人なん?あんまり舐めてると痛い目見るでぇー?」
私達の様子を見れば陽気に話しかけてくる関西人。言うまでもなく黒田さんだろう。今回黒田さんのチームとは1回戦で当たる。
「それとも何や…降伏してワイらに好き放題されるん覚悟決めたぁ?…カッカッカッ。冗談や冗談。まぁ、楽しみにしとるで?ほなさいなら…」
私の顔を見つめバカにするように嘲笑う。いちいち鼻につく人である。
「ムカつくなぁ…あの人…簡単に勝てると思ってるよ絶対ー!」
「でも1人いないんだし何も言い返せないよ…」
挑発され頭に来ているだろう沙耶ちゃん。それとは対照的に陽乃ちゃんは少し弱気である。その時見覚えのある一人の女性がこちらに向かっていた。
「…さっき見ていたが。さっきの男はなんだ?あの態度は失礼に当たると思うが…」
「あっ…あなたは…」
そこに居たのはポイントステーションで1度会話したことのある背の高いスラッとした女性だった。
「見たところ1人足りないようだ…どうするつもりだ?」
「…正直もう1人が見つかりそうにないのでこのまま参加することになるかと。」
瑞希ちゃんが隣に並び即答する。確かにそれしか方法はないだろう。
「なるほど…そうか。ならば…私が手を貸そう。私が参加すれば5人だ。文句は無いだろう?」
「えっ…でもそれじゃあ貴女のチームが…」
突然の言葉に面食らいそのまま疑問を投げかける。
「…実はな…私がチームに今日大会がある事を伝え忘れてしまって皆来れないそうなんだ。だから今回は見学している予定だった。」
…案外この人は頭が弱いのかもしれない。だが1人増えるのはありがたいことだろう。
「それなら…ぜひお願いします!」
「わかった…手を貸そう。 澤山 菜月深園学園 2-A 助太刀させて頂こう。」
…え?本日1番の衝撃であった。
第2章「狡猾」
「あの子ら可哀想やなぁ…ワイらに美味しく頂かれて。まぁ、って事で晴彦くん。手ぇ抜く気無いんでよろしゅうな?」
「わかってるわ…毒に蝕まれて苦痛に歪む顔。近くで拝ませてもらうわ。」
俺が話してるのは 蛇蠍 晴彦 子供の頃から一緒につるんで悪やった仲…自分で言うのもなんやけど、俺以上の極悪。スキル ポイズン ニードル-毒針-で動けなくした女性に近づき苦痛に歪む顔を見ながら頭に1発。仲間やけどコイツとは敵対したくはない。
「…せや。それと。アンタのM1911。貸してくれる?」
「俺の…まぁ。ええけど…ほら。」
お互いに軽く会釈し。俺達はフィールドへと向かった。
「では作戦はどうしましょう?あの黒田さんは間違いなくスキルで向かってきそうですよね…」
新しく入った助っ人、澤山さんに訊ねる。聞けば1度留年して2年生2度目らしい。やっぱり頭が弱かったようだ。歳上だけど。
「ふむ…モノマネか…厄介だな。」
「…見たところ能力はコピー出来ないでしょうね。そんなことが出来たらこのゲーム自体が狂ってしまいます。製作者はそんなミスしないでしょう。」
冷静な判断だ。流石瑞希ちゃんと言ったところだろうか。
「なるほど…つまり菅谷ちゃんが近づいてきたら手を出すように言えばいいんだろう?菅谷ちゃんなら私たちの弾なら余裕だろう。」
「確かに…1発ぐらいでしたら余裕ですよ…」
確かにそうだろう。その考えは私も賛成である。そういえば澤山さんのスキルは何なのだろうか。
「そういえばさー。さわさんのスキルってなんなのー?」
ふと沙耶ちゃんも質問をする。私と同じ疑問を抱いたのだろう。
「私か?私のスキルはデュアル パーソナリティ、ハンドガンを2丁所持する事が出来る。」
「二重人格…ですか。ということは澤山さんも?」
流石陽乃ちゃん、頭が早い。よく英語訳が頭に出てくるものである。
「それは無いな?ただ両利きだからついたんじゃないか?」
…本当にこの先輩は阿呆である。
「ちなみに銃はステアーAUG、バレルを交換することで遠距離も短距離も戦えるが?」
「わかりました、それでは後衛を。前衛は沙耶ちゃんと瑞希ちゃんが居るので。」
1番この考えが得策だろう。前に3人置くより2人ずつの方がお互いに守りやすい。
「了解した…指示は任せよう。」
私の言葉に頷く澤山さん。その時、開始1分前の合図が鳴り響いた。
第3章 「サソリの毒」
戦闘が開始した。私は散弾銃を手に戦闘を島さんと一緒に走る。全くもってこの人は人のプライバシーに土足で踏み込んでくる人である。…嫌いではない。
中盤まで差し掛かったところ。敵影が2人ほど見えた。
2人くらいなら一人で行けるだろう。
「島さん、敵影2人。その他、周りに反応はありますか?」
島さんに視線を送り無線で静かに連絡を取る。
「確認!特に無し!!どうする?」
「私が行きます…2人くらいなら私1人で十分です。」
実際そうだろう。2人居ては場合によっては足でまといになってしまう。
「了解!!皆、みーちゃんが先行するよ!援護よろしく!!」
「大丈夫…しっかり見てるよ。」
信濃さんの声が聞こえる。多分いつも通りビルの上から見ているのだろう。足を早め2人に向かう。
-敵 陣営 先行隊-
「女の子一人来たでー?あれは…1番ちっちゃい子やなぁ。」
「俺ああ言う子好きやわ。ロリコン言うんかなー。はっはっ…」
俺ら2人に任されたのは敵を誘き出す。俺らの戦い方は誘き出して蛇蠍さんの毒で痛ぶり、その人を使って黒田さんが次の獲物を狩る。ずっとそうやって戦ってきた。
「鬼さんこちらー。ここまでおいでー!!…ってうわぁ!!」
1人が相手の散弾銃に撃ち抜かれる。だが、その間に俺は物陰に逃げ込む。やはり相手もついてきた。行き止まりに達し銃を構える。
「もう逃げられませんよ…。」
散弾銃を持ち詰め寄る少女。
「…逃げられないのはお前の方や…」
あまりにも作戦通りな流れに思わず気持ち悪い笑みが漏れる。その瞬間、向けられた銃口から弾丸が放たれた。
「っはぁ…何がしたかったのでしょう。彼らは…それよりさっきの言葉は一体…?」
撃ち尽くした散弾銃に次弾を装填する。その瞬間後ろから
激痛が走った。
「うぁ…くっ…」
このゲームでは一定のダメージを超えなければヒットではない。だが、動けない。何故だろうか。
「…小さいお嬢ちゃん。俺らの友達よー可愛がってくれたなぁ?どうや?俺の毒は…?」
どうやら毒を撃たれたらしい。足が痺れて動けず言葉も発することが出来ない。
「えらい効いとるなぁ…その顔や…。でもなぁ。悪い、時間無いんや。」
その瞬間目の前に銃口を向けられ引き金を引かれる。
「…残念やったなぁ。単独行動は命取りやで?自分にも、仲間にもな…」
薄れる意識の中。その声だけが微かに聞こえた。