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インフィニティ スナイピング   作者: 東雲唯純
6/11

-Infinity sniping-

キャラクター紹介 第4弾!!


名前 志賀 瑞希 (しが みずき)

使用武器 水平2連ショットガン(ショートバレルといって短くなっている)

容姿 肩よりも少し短いくらいの黒く艶のあるショート

身長 154cm

性格 落ち着いている 常に敬語 昔の兄が好きであった

能力 ヴォルカニック バレッジ-火山弾-

専用弾を装填し、引き金を引くことで炎を撃ち出せる。


備考 見た目に反するスキル。これは自分自身が人の温もりを感じたいという思いからなのだろう。本当は他の人のすぐ側にいたいと思っている。





第1章「真実」


ゾンビ戦が終わった翌日。今日は皆で「Z3」のポイントステーションに来ていた。ポイントステーションとはその名前の通りポイントで買える商品が並んでおり、軽くお祭りの屋台の量くらいはある。


「こんな所でショッピングって…女子高生らしくないよね…」


並んだ商品を見ながら思わず口にしてしまう。


「最初にサバゲーやる時もしなちゃん言ってたじゃん!

もう私らはこれが普通でしょ?」


「そうそう…こうして見てるのも悪くないよ?ほら、スナイパー用のパーツも置いてあるよ?」


そう言いながら陽乃ちゃんも置いてあるスナイパーのバイポッドを手に取り差し出してくる。実はあの時に静也さんに渡されたものはバイポッドといって正式なパーツなのだ。


「あー、このパーツ…この間静也さんに貰ったんだよね。」


隣でハンドガンを探す瑞希ちゃんがピクリと反応する。


「…兄が…珍しい事もあるんですね。」


あの戦闘後、初めて瑞希ちゃんと顔を合わせ自己紹介をした所、静也さんの妹さんだということがわかった。どうやら銃の扱いは兄に教わったらしく私達よりもかなり慣れている。


「そっか…素があんな感じだもんね…」


「…今の兄は変わりました。昔はもっと…いえ、聞かなかったことにしておいて下さい。」


少し顔を伏せる瑞希ちゃん。どうやら静也さんは昔はもっと違っていたようだ。


「そういえば…沙耶ちゃん。サブの武器とか要らないの?」


「あー、私?私はみーちゃんに貰ったからあるよ!じゃーん!!」


コルト M1911を前に出して見せてくる。どうやらこちらもかなりの品らしい。


「瑞希ちゃんが物を誰かに渡すなんて珍しい事もあるもんだね…」


先程の言葉を思い出し呟いてみる。


「なっ…そんなのではありません。あの時は急を要していましたから。」


少し恥ずかしいのかほんの少しだけ頬を赤らめて反応する。


「しなちゃんって…時々ドSだよね…」


横で陽乃ちゃんが口を挟む。自分ではそんな気していないのだが。


「そうかなぁ…あんまり実感無いけど。」


周りに少し笑いが起こった。この雰囲気はとても好きだ。


「…ここは、暖かいですね。」


瑞希ちゃんが何か言ったような気がしたが、気の所為だろうか。


「ねぇねぇ…しなっち。あそこの人見てよ…」


沙耶ちゃんが私の肩をつつき前の方を指してくる。何かあったのだろうか。


「わぁ…なんで2つ買ってるんだろう…それだけ好きなのかな?」


そこに立っていた女性はスラリと背が高く。髪も腰くらいまであるだろうか。容姿にも見とれてしまったが、何故だろう。腰に既にひとつ持っているにも関わらずもう1つハンドガンを購入しようとしていた。


「…ん?君たちは…ここでやってるのか?」


私たちの視線を感じこちらに話しかけてくる。アニメなどでよく出てくる女騎士のような堂々とした印象を受ける。


「あ、はい…すみません。なんか…」


「はいはい、しつもーん!!なんでお姉さんハンドガン2丁目買おうとしてるの?」


横から沙耶ちゃんが質問する。誰にでもフレンドリーに話しかけられるのが沙耶ちゃんの利点だ。


「ん?…あぁ、これか。気になるだろうな。まぁ、知る時が来るだろう。」


私達の顔を見つめそう答えた。銃をもっと好きになったらわかるんだろうか。


「おっと、いけない。今日は時間がないんだ。これで失礼する。」


そのままハンドガンを購入し、その場を去っていってしまった。


一体あの人は何者だったのだろうか。


第2章 「object mimic-モノマネ-」


ショッピングが終わった後、私たちは再びシューティングレンジに入り射撃練習をしていた。今日は瑞希ちゃんが陽乃ちゃんに正しい射撃姿勢を教えるらしい。


「菅谷さんは腕はいいので撃ち方だけですね…まず持ち手を握って銃を肩に付けますよね…」


「私は腕はめちゃめちゃ悪いけど撃ち方はできるよ!!!」


横から沙耶ちゃんが口を挟む。


「島さんには今お話してません。黙って横のレンジで射撃していたらどうでしょうか?」


ズバッと言う瑞希ちゃん。先輩にも遠慮がない。


「はい…失礼しました…」


しょぼーんと肩を落としレンジへ向かう沙耶ちゃん。可哀想だが仕方ない。


「えっとこうだね…こう持ってるとマガジンがすぽーんって…」


話を戻し言われた通りに構えてみる。


「知っています…馬鹿にしてるんですか。なので撃つ瞬間に空いている手で下から弾倉を握って抑えるんです。」


「こう…かな…」


下から押さえ構えてみる。中々様になっている気がする。


「そのまま撃ってみてください…」


「うん…えい…あれ?」


いつも狙う所と違う所に当たったようだ。不思議そうな顔をしている。


「構えが変わる分。反動の流し方も変わってきますよ。

大丈夫です。菅谷さんなら直ぐに出来るでしょう。」


「う、うん…頑張ってみるね…」


そのまま練習を続ける。その時ふと1人こちらに近づいていた。


「あらあら…これまた可愛らしいお客さん達やなぁ…」


関西弁が鼻につくすらっと背が高い男性。何者だろうか。


「わいの名前は黒田くろだ 栄吉えいきち言うねん。浪速のモノマネ芸人、くろやんとはわいの事や!!」


騒がしい人である。


「はぁ…そうですか…」


「なんやなんや…辛気臭い面して…しゃーないなぁ。一発芸見せたるわ…」


そう言って何かのモーションをすると突然見た目が完全に陽乃ちゃんに変わってしまった。


第3章 「生存者」


「んなっ…」「えっ?!私…」


瑞希ちゃんと陽乃ちゃんは2人とも驚いている。当たり前だろう。私だって声が出ないほど驚いた。だってここには陽乃ちゃんが2人いるのだから。


「どうや?ビックリしたやろぉ…そうやなぁ。この子はこんな感じやろか?」


そう言いながら懐からモゾモゾとマガジンを取り出す。何をするのだろうか。


「貴方のマガジン…挟ませていただけませんか?」


胸に挟んでそんな言葉を口にする。…この男。エスパーだろうか。


「…そっそんなこと!!しません!!」


慌てる陽乃ちゃん。隣では瑞希ちゃんが左右に首を振っている。これは誰に対してだろうか?


「はっはっはぁ!!冗談や冗談!せや、今度ここで本大会のプレ大会あるらしいで?今回の大会は5対5らしいで?」


自分でやって自分でウケている。よくわからない。プレ大会があるのは私も聞いていた。この人も出るのだろうか。


「そこでなぁ…ワイらと勝負してみよや。んー。勝った方が何でも言うとこ聞く…燃えるやろ?」


「…何でそんなことを!!」


陽乃ちゃんが食い下がる。あんな事をされれば怒るのは当たり前だ。


「なんで…?楽しいからに決まってるやないか。

ええやんええやん。減るもんじゃないし。」


そのまま話を進めてくる。受けるしかないだろう。


「はぁ…わかりました。やります。」


陽乃ちゃんに変わって頷いて勝負を受ける私。受けた方が早いだろう。


「そうかそうか…ほんなら良かったわ。ほな…また会おうや。」


そう言って手を振りながらにこやかに去っていく黒田さん。あの能力は少し馬鹿に出来ないかもしれない。


「…この世界で生存者になれるんは狡猾なハイエナ…可愛い

子猫ちゃんたちは食われておしまいや…ごっそーさん…」


4人が見えなくなった辺りで1人呟く。黒ずんだ雲が市内を覆おうとしていた。


「そうだ…信濃さん。これを…」


突然瑞希ちゃんに声をかけられ驚く私。手にはなにやらライフル弾を持っていた。


「これは…?」


「私が持っている専用弾と一緒のコードです。これに組み込むことでスキルを発動せずにこの弾を装填するだけで撃つことが出来るでしょう。」


瑞希ちゃんの話によるとこの銃弾はただの銃弾ではなく、ここにカスタムを加えることで銃弾系のスキルを収縮出来るらしい。だから瑞希ちゃんは2発持っているのだろうか。


「へぇ…ありがとう…持っておくね。なんで私に?」


預かりしっかりと所持品の中に入れる。


「今回の敵は…少し厄介かもしれませんから」


その視線は先程黒田さんが去っていった出口を見つめている。やはり瑞希ちゃんも彼から嫌な感じを汲み取ったのだろうか。

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