-Infinity sniping-
第三段 キャラクター紹介
名前 菅谷 陽乃 (すがや はるの)
使用武器 L85(アサルトライフル)
容姿 黒くて長い髪をおさげにしている。普段は眼鏡をかけるがサバゲーの時は外している。
身長 160cm
性格 穏やか 恥ずかしがり屋 真面目 少し天然気味
能力 アルティメット シールド-最強の盾-
手を前に突き出すことでシールドを張る。後ろからの攻撃には弱い。シールドを使って突進することも可能。
備考 射撃が3人の中で安定している。
胸が割と大きい。とにかく大きい。めっちゃ大きい。ちなみに胸のサイズだと陽乃>>沙耶香>怜の順番。
第1章 「来客」
やはりあそこでしなちゃんよりも先に離れたのは失敗だっただろうか。実際に現在近くにいるのははるっちだけ。
しなちゃんとは離れ離れになってしまった。
「…大丈夫?沙耶ちゃん…」
不意にはるっちが顔を覗き込んでくる。そんなに考え込んでいただろうか。私らしくない。
「ううん!大丈夫大丈夫…しなちゃんなら。平気だよね?」
「うん…しなちゃんなら、きっと…」
お互いに見つめ合い頷き合う。
「さてと、はるっち気を引き締めてかかるよ!!」
銃を再び構え直して標的を倒す。そういえば今日はまだはるっちの銃はマガジンが抜けていなそうだ。珍しい気がする。
「はるっちいい感じだねー…ってえええ?!」
素っ頓狂な声を上げてしまった。いや。この状態が異常なのである。そこにはマガジン底部を胸で挟み固定しながら射撃をしているはるっちがいた。どうやって構えているのだろう。
「なんですか…?そんな見つめて…」
「はるっち…あんまりその撃ち方男の人の前でしないようにね?勘違いされちゃうから。」
素直に伝えるとはるっちは顔を真っ赤にした。これは可愛い。
「いや。その…まぁ。恥ずかしいですけど…これならマガジン抜けなくて…抜けそうでも抑えられるし…」
顔を真っ赤に染めながらおどおどと話す。
「まぁ。いいや…次つ…ぎ…」
前を見て足を止めてしまった。なぜならそこには今までとは全く違うゾンビが居たからである。
「犬…はさすがにやばくないかなぁ…」
「来ます!!気をつけてください!!」
走って近づいてくる犬に連射して対応する。
だがとてもすばしっこくなかなか当たらない。
その上最悪なことに他の犬も集まってきているようだ。
「もー!!うりゃぁぁ!!!」
弾を装填し直し一気に前に走りながら撃つ。どうにか1匹は倒せた。
「来ないでー!!」
銃を横にしてシールドを張り犬に対してぶつかる。
正直撃つよりあっちの方が早いだろう。見たところ周りにいるのはあと2匹ぐらいだろう。
「もう1回!!えぇい!!」
もう一度突進してもう1匹撃ち抜く。
すぐさま向きを変え次の標的に引き金を引く。だが、弾は出なかった。3体目を撃てるほど余力が無かったようだ。カチカチと悲しい音が響く。
「え?マジ?やば…」「沙耶ちゃん!!!」
はるっちの声が聞こえる。犬は近づいてくる。だけど撃てない。ここで終わってしまうのだろうか。
その瞬間爆音と高音が辺りを包み相手は燃え盛っていた。
「…目標を掃討。先輩方。ご無事ですか?」
そこには肩くらいまである短い黒髪を風になびかせ、私たちと同じ制服に身を包み散弾銃を持つ少女がいた。
私たちの学校ではリボンによって赤は1年生、緑は2年生というように分けてある。彼女は多分1年生だろう。
「ありがとう…助かったぁ…貴女の名前は?」
「私は 志賀 瑞希1年生です。」
自己紹介をしたその少女は冷酷な印象を受けるほど落ち着いており、表情はあまり見られなかった。
「志賀さんか…私は島 沙耶香。よろしくね。」
「沙耶ちゃん!!大丈夫ですか?ありがとうございます…私は同じく2年の菅谷 陽乃です。」
こちらも改めて自己紹介をし手を差し出す。
「はい。こちらこそ。よろしくお願いします。」
志賀さんも手を差し出し握手を交わす。その後、志賀さんは慣れた手つきで銃に弾を込めていた。よく見るとその手に持たれた散弾銃は2つの銃口がついており2発だけ弾が入るのだろうか。
「さぁ。次が来ますよ…」
もうすでに湧いたゾンビが襲いかかろうとしていた。
第2章 「信頼」
「…ってわけでさー。本当はもう1人いたんだけどねー。まぁ、今は二人しかいないけどね?」
「はぐれてしまったのですね…その方が1人ということは。お察しします…」
ゾンビ達を一掃したあと先へ進みながらこれまでの経緯を話していた
「大丈夫…しなちゃんならきっと!!ねぇ?はるっち?!」
「はい…しなちゃんなら絶対に。信頼してますから。」
はるっちの言葉に眉をぴくりと動かす。
「…信頼なんて…時には人の足元を奪う足枷にしかなりませんから。」
凍えるような冷たい言葉。過去に何かあったのだろうか。
「まぁまぁ…そういえば…私さっきのでほとんど弾薬使い切っちゃったんだよね…」
話を変えようと話題を切り出す。志賀さんの冷たい目が刺さる。
「…はぁ。仕方ない先輩ですね。これをどうぞ。」
差し出された手を見るとハンドガン M1911が置いてあった。
「これは…いいの?無くなっちゃうじゃん…」
「良いですよ。どうせ後で買えばいい話なので。今はとりあえず横でゾンビになられるのが嫌なだけですから。」
このゲームでは道具を渡すことは出来るが勿論渡した側には物は残らない。その上システム上返却もできない。
「…ありがとう。優しいんだね。ビックリした。」
「…別に。違いますよ。そういえば菅谷さん。先程の撃ち方は何ですか?はしたない…」
少し口元が緩んだ気がしたのだが気の所為だろうか。話を変えるようにはるっちに話を振る。
「あれは…さっきも沙耶ちゃんに怒られました…」
しゅんと縮まるはるっち。下級生に怒られるとは思わないだろう。
「…はぁ。仕方の無い先輩方ですね。後で私が教えてあげますよ。」
何故だろうか。出会った時よりも生き生きとしているように見える。心なしか楽しんでいるようにも見える。
「島さん。いい所にゾンビが現れました…いいですか?おにぎりを握るように優しく握ってトリガーを引いてください。そうすれば狙った方に当たりますから。」
良くわからない指示だ。とりあえずM1911を構え、撃ってみる。
「…当たった。当たったよ!!志賀さん!」
「当たりますよ。要らない力があるから変な方向に飛んだり反動が制御できなかったりするんです。」
そう言いながらも自身もゾンビを撃ち抜き再び慣れた手つきで散弾銃に弾を込める。
「そういえば…志賀さん先程の弾は一体?標的が燃えていた気がしましたが…」
言われれば確かにそうである。助けられた時の弾とさっきの弾は撃ったものが違うんだろうか。
「私のスキルは ヴォルカニック バレッジ 実体弾の代わりに炎を射出することができます。」
自らのスキルの説明をしながら赤い銃弾を2発取り出す。専用弾なのだろうか。片方には弾が入っておらず、おそらく2発しか持っていないのだろう。
「…なるほどね。炎ってなんか志賀さんらしくないよね…
もっと水とか氷かと思った。」
「…そうですね。」
言葉を間違えたかもしれない。和み始めた空気が一変してしまった。その時、いい報告を告げる無線が入ってきた。
第3章 「再会」
沙耶ちゃんと連絡を取りあってから結構経った。
時計台も近くに見えている。
「皆…大丈夫かな?」
「…どうやら大丈夫ではなさそうだが?」
静也さんが指を指し声を発する。その方向を見ると時計台には大きな虫のような生物がおり交戦しているようだ。見る感じ苦戦をしているようにも感じる。
「あれは…一体…」
「今回のボスだろう。突然フィールドに現れるらしい。
運悪くここだったらしいな…」
遠くからしか見えないが今は陽乃ちゃんがシールドでどうにか抑えているようだ…。あと一人、誰だろうか。同じ制服の子がいる。
「…こういう時こそ君のスキルの出番じゃないのか?」
ふと話しかけられる。確かに私のスキルならここからでも十分当てられるだろう。だがその為には伏せなければならない。
「出来ますが…時間が欲しいです。」
「…その言葉が聞ければ十分だ。周りは俺に任せてくれて構わない。」
そう言われればやるしかないだろう。地面に寝そべり射撃の姿勢に入る。
「そうだ。これを君に…」
差し出されたものはカメラの二脚のようなものだった。先にレールがついている。
「そのレールを銃口の下のレールと噛み合わせるんだ…
それを使えばもっと撃ちやすくなる…」
言われた通りにつけてみる。確かにこれなら安定はするだろう。
「そういえば…なぜ私達を助けてくれるんですか?」
「…別に助けたいのは君たちじゃない。早く撃て。」
周りのゾンビを倒しながら私の言葉に返事する。確かにいくら凄いとはいえ早くしなければ体力が底をつくだろう。
「…はい。分かりました。行きます…」
集中し、スキル発動のモーションに入る。すると突然体が軽くなったように感じ指先に神経が集中している気がした。
「これなら…行ける…!」
そのまま引き金を引き弾丸を射出する。弾は風を切り標的に向かい確実に直撃した。その瞬間、その生物は燃え盛った。
「…終わったようだな。俺はもう行く。皆のとこに早く行った方がいい。」
「今回はありがとうございました…最後に…お名前。貴方の口から聞かせていただいてもいいですか?」
こちらから質問する。助けて貰ったため、名前ぐらいは聞いておかないと失礼だろう。
「俺の名前…?…志賀 静也だ。覚えなくてもいい。またな。」
そのままこの場を後にし去っていく。
私も早くみんなに会いたい。皆の元へ走っていった。