-Infinity sniping-
人生初小説となります。暖かい目で見て頂けると幸いです。
第1幕 「退屈な毎日」
「私はこの世界でどれほど道を拓けるのだろう。」
ふとそんなことを思いながら夜風の中、建物の屋上にて銃を携え指を動かし 、甲高い音を立てた。
「はぁ…退屈。」
私 "信濃 怜"はいつも通り先生の退屈な話が流れる教室で
数2の教科書を開き机にもたれていた。
「ひゃあああっ?!?」
突然自分の口から考えてもみなかった声が出た事に自分自身が1番驚いた。何事かと周りからの視線を感じながら頭を下げると、脇腹を隣に座る中学からの友達である"島 沙耶香"につつかれたのであった。
「ぷぷっ…しなちゃんお腹出てるしまたお決まりの退屈ー。ってのが今にも頭に浮かんでそうだったよー。」
…これである。まぁ。見ていて飽きることは無いが毎度沙耶ちゃんの行動は予想がつかない。
「ほんと、沙耶ちゃんやめてよ…めちゃめちゃ恥ずかったよ…
確かにそう思ってたけどさ。」
周りに聞こえないように小声で会話し再び黒板に目を向ける。
「まぁまぁ、そういえば今日近くになんか出来るらしいよね。
なんかでっかく"新時代サバゲーフィールド!!"とか書いてあったよん。」
またいつものように私を驚かせたことには謝罪はない。まぁ気にはしていないが。…サバゲー。あんまりJKのやる柄ではない気がする。
「サバゲー…ねぇ?確かに新しい世界は見れそうだけど、流石に
ここら辺の子でやってる人はいないんじゃない?」
「そうだねー。私らが第一人者でやろっか!!
私はしなっちがやりたいならどこまでも付いてくよ!!」
「やりたいなんて言ってないよ…疲れるし。
てかうるさい。怒られるよー。」
案の定、顔にシワがより、すぐにでも怒りの言葉が出そうな先生が教壇にいた。
「退屈退屈って言ってるから私が進めてるんじゃん?
じゃあ今日の放課後一緒に見に行ってみようよ!!」
「だからうるさいって…」「うるせぇ!!!お前ら!!」
…怒られた。と言うか私まで入っていることが納得行かない。
「今日も怒られちゃったねー。あははっ」
帰りの用意をしながら微笑む沙耶ちゃん。微笑んでいるだけなら可愛いのだが私も巻き込まれているので笑い事ではない。
「はぁ…私も怒られてるんだよ。またいつものやつだよ。これ…」
呆れながら言えば誰か私たちに足を進める人がいた。
「あ、あの…信濃さんと島さん…仲良いのはいいんだけど、もう少し勉強に集中しないと…」
気は弱いのにおせっかいな委員長。いつも通りである。
「だから私は悪くは…」
「ふふん!私たちの仲だよ!!これが…すがっちもたまには羽伸ばせばいいのにー。」
…何度このパターンを見ただろう。おそらく2桁は超えている。
「すがっちって…やめてって言ってるじゃん…。私は菅谷だし。私っぽくないし…」
これである。多分次にははるっちとか言い出すのであろう。
「じゃあはるっち!!下の名前、陽乃だしいいじゃん!!」
「だから…はぁ、とにかく気をつけてね…。」
…やっぱり変わらない。唯一変化があるとすれば、委員長が何度かのやりとりに呆れて略したぐらいだろう。
「ん?どしたのしなちゃん…」
「ん、ああ…いや、何回やってるんだろうなぁ。って
まぁ、菅谷さん。次は怒られないようにするから…また明日。」
「あ、はい、信濃さん。お気をつけて。」
育ちが良いのだろうぺこりと頭を下げて私たちに挨拶する。
「そうだ、沙耶ちゃん。約束覚えてる?」
…なにか約束などしただろうか。私は帰路を進みながら首を傾げる。
「ほら、授業の時に!!今日の放課後…って。」
その言葉に私はむせた。
「…えほっ…あれ冗談じゃなかったの?というか約束も何も
私承諾してないんだけど。」
「私は冗談なんて言わないよー。本気の時は特に!!
ってことでほら!!」
「あ、ちょっやめ…わぁ!!!」
有無を言わされず手を引き走り出した。…いつも通りである。変わっていることといえば、向かう先が珍しいコンビニだとか、新しくなった図書館ではなく「新時代サバゲーフィールド」とかいうよく分からないものだと言うことだ。
第2幕 「災難」
「ふぅ。ついたねー!!ここだって。おっきいねー...」
「…はぁ…疲れた。今日やるの?流石に道具持ってきてないよ?」
普段から元気な沙耶ちゃんは変わらないものの普段から
ぐだぐだとしている私は既に息切れとなり正直遊ぶ気もない。
「わかってるわかってる!私もやる気はないよー。
こんな感じーってのを見てみたかっただけー。」
「ならいいけどさ。」
「向こうに人いっぱい並んでるよ!!行ってみよ!」
また無理やり手を引かれる。確かに人が沢山いるが全て見学者なのだろうか?そんな事をふと考えていると、従業員の開店コールと共に
その人混みが動き始めた。
「押さないでくださーい!!参加者の方はこちらです!!!」
…え?
「参加者って、ちょっ…きゃぁ!!!」
言葉にならない叫び声を上げながらその人ごみに押されて流されてしまう。
-とんでもない事になった-
何も訳が分からないまま流された結果参加者扱いされ3人1組のグループにされ、よくわからないヘッドホンのようなものを渡された。そこまではまだいい。問題はもう1人のメンバーである。
「「なんであなたがこんな所にいるのー?」」
2人揃ってこんな声を上げてしまった。
H side
私、菅谷陽乃は気弱である。怖い人には話しかけられないし近づくことすら
出来ない。そんな自分を変えてみたいと思った。もっと皆と遊べたら。皆を守ることができるなら。そう思って私はここに来た。そこにいたのは学校で帰り際いつも仲良くしようと思って話しかける2人の「友達」だった。
唖然とした。その一言に尽きる。
「な、なんで菅谷さんがここに?」
「はるっちだ!!なんでここにいるの?」
質問に対し陽乃はいつも通りおどおどとした状態で答える。
「私は…ある目的があってここに…」
「ふーん…まぁいっか。仲間だしよろしくー!!」
曖昧な返事に怜は少し考えるも沙耶香の能天気さにつられどうでも良くなった。
第3幕 「新世界」
友人同士話していると2人の影が近づいた。
「えー?キミたち対戦相手ー?かーわいー…」
「俺女の子いじめんの大好きなんだけど…へへっ」
「最低…でも涙はいいよなぁ…」
反吐が出る。女性をなんだと思っているのだろう。
「俺はアキラでコイツトオル!!まぁ。楽しくやろー?」
最初に話しかけてきたピアスを開けたいかにもな男に話しかけられる。
「え...まぁ。はい。よろしくお願いします」
いきなり話しかけられビックリしながら決まった返事を返す。
「つれないなぁ...まぁ。いいや、行こーぜ。トオル」
「そうそう。そういえば静也来ねえな...」
「あいつ?いいんじゃね?今回だけだし...」
そんなことを呟きながらその場を去る2人。こんな人がもう一人いるのか。
「めんどくさいねー。ああいう人ー。よく街でも声かけられるけどさっ」
「そ…そうですね…私もビックリして何も言えませんでした…」
「そうだね。まぁ。フィールド入ってみよ?なんか言ってたじゃん。
フィールドに入ったら手を伸ばせば貴女の未来が示されますとか…」
怜の言葉に2人は頷き指示通りに中に入り中の広さに驚いた。東京ドーム1つは入るかもしれない。参加者が口にしていたが地下を丸々フィールドにしたらしい。
「うわぁ...広いねー!!そうだ!手出してみようよ....」
沙耶香は先程の言葉を思い出し手をかざした。
「おー!!すごい!!どこここー?!
それに...おー、かっちょいー!!」
…何を言ってるのか全く分からない。もう少し日本語を話して欲しい。
「何言ってるの…はぁ…何これ…!」
その反応に呆れながら手をかざせば頭に着けた機器に反応し、周囲が夜の街並みになり自分達はビルの屋上に立っていた。手にそれぞれ持つ銃はどうやら一人一人の性格、癖によって様々なものにランダムに装備されるようである。
「てかこれ…おも…動きづらいよ。沙耶ちゃんのいいなぁ…」
「ふふん。めちゃめちゃ軽いよー!これ…走り回れる!!」
2人の手に持つ銃はそれぞれ違っていたのである。
「ふーん…名前書いてあるけどMP7って書いてあるねー!
いいじゃんいいじゃん!!私っぽくて。」
「私のは…うーん。L115…?重いよこれ…」
「この屋上から撃っちゃえばいいじゃん!!
ほら!映画とかでよく見るでしょ!!」
言われればそうである。動かなければ使えるかもしれない。
「はるっちは…?!」
その言葉にふと陽乃の方を見る。
「私のは…一応動けますけど…L85って書いてあります。」
「お?カッコイイじゃん!!使い方は…」
3人で使い方を確認しようとすれば目の前に説明書が現れた。VRの力だろう。
「凄い…ん。開始5分前だって…」
「だねだねー!ワックワクしてきたー!」
「はい…頑張りましょう…」
その数分後、開始のベルが鳴り響いた。
この度はご覧頂きありがとうございました!!
先に記述した通り私自身初の小説であり、平凡な暮らしを
送る中、こんなゲームあったらやってみたい!!っていう
ものを元に書かせていただきました!!
私自身未熟者ですので何かご指摘やアドバイスがあれば
お受けしたいと考えております。