日常
今日もいつものように、いじめっ子3人組に屋上に呼び出され、僕は腹を蹴られたり殴られたりして壁にもたれた。
いじめっ子のリーダーが、僕の制服の上着から財布を取り出し、中身を見て言った。
いじめっ子・リーダー「ケッ。たったの157円しか入ってやがらねえ。このチビで貧乏人が!!」
そう言うと、いじめっ子のリーダーは僕の腹を思いきり蹴り、僕は仰向けに倒れてあまりの痛さにうずくまった。
いじめっ子・リーダー「また明日も遊んでやるから、放課後、ここに来いよ!!」
いじめっ子・1「誰かにチクったり先生に言ったら、お前の妹をいじめるからな。確かクラスが2-Aだったよな。」
いじめっ子・2「逃げるなよ。明日も絶対来いよ!!」
そう言うと、いじめっ子3人組は笑いながら、屋上から出て行った。
それから少しして、僕も何とか立ち上がり、屋上を出て足をふらつかせながら、手摺を持って階段を下り続けた。2階の階段を下りたところで、この学校No.2の不良・森に出くわしてしまった。
森は身長175ぐらいで、赤い髪にリーゼントをしていて、さっきのいじめっ子3人組とはレベルの違うオーラを放っていた。
僕は顔を伏せて目を合わさないようにすると、森が話しかけてきた。
森「どうしたんだお前?足ひこずってるぞ。大丈夫か?」
僕「え?あ、はい。大丈夫です。」
森「・・・・そうか。」
森はそう言うと、階段を上って行った。
僕は話しかけられて、殴られるのかと思った。
なんとか学校から外に出て空を見上げると、雲ひとつない綺麗な青空が広がっていた。いつも放課後殴られて帰る毎日だったけど、まだこの時の方が幸せだったんだ。それから数日後に起こる大惨事に比べると・・・・。
家に帰ると誰もいなくて、テレビをつけると不良が主人公のドラマをしていた。主人公は大柄で強くて、そしてこれまた強い相棒がいて、他校の喧嘩を売ってきた不良達をバッタバッタと倒していた。僕にはそんな体力も力もないけれど、やっぱり憧れる。
やっぱり男は強くないとなあ。
なんて思いながら、身についているのかどうか分からないけれど、とりあえず腕立て伏せと腹筋、スクワットをドラマを見ながら始めた。
でもいくら鍛えても、僕には人を殴る勇気がない。それでも何もしないよりかはましかと思い、僕は再び筋トレを始めた。