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七話 ブレイブとエルフ 


 アリサの振る舞いに感心するエドワード。

 一方、大人な対応を見せつけられたステラだったが、相変わらずの敵愾心に満ちた様子でアリサを見据えている。

 やはり、ブレイブに対しての見方はエドワードに出会った後であっても変わらないらしく、


「残念だけど、ニンゲンと仲良くする気はないわ」


 きっぱりと言い切るステラ。 その宝石のような瞳には明らかな敵意が含まれている。

 彼女が『ニンゲン』という蔑称を使うということはそういうことなのだろう。

 差別的な眼差しを浴びてきたステラにとってブレイブとの壁はそう簡単に超えられるものではない。

 しかし、そんな一方的ともいえるステラの態度に憤慨する様子もなく肩を落とし、悲しげに眉を下げるアリサ。


「ごめんなさい……わたくしたち、ブレイブの民が貴女にそのような態度をとらせてしまっているのですよね」


 謝罪の言葉を紡ぎ頭を下げるアリサに、ステラは僅かに狼狽する様子を見せたが、すぐに怪訝そうな視線を向ける。 


「……なぜ貴女が謝るの?」


「わたくしは――『賢老議員』の娘ですわ。 民を導く王の補佐をする者の娘として、一国民として、今の現状を国を動かす者達の代わりに謝りたいのです」


 顔を上げたアリサは、悲痛な思いを内に秘めながらも毅然とした態度でそう告げる。

 シルビア王国の政治的方針は王とその下の賢老議員によって決定される。

 しかし、全国民がそれを支持するわけではないことをアリサはエドワードと違い間近で見てきた。

 『賢老議員』の娘としてだけでなく、一人のシルビア国民としてその現状にアリサは心を痛めているのだ。


 その切なる思いをおぼろげに感じ取ったステラは吐息する。


「貴女一人に謝られても困るわ。 国民が――国が変わらなければ意味が無いもの」


 言葉とは裏腹に先ほどの敵意はなく、静かにそう告げる。 その言葉にアリサも首肯する。


「分かっていますわ。 それでも……誰しもがあなた方を否定しているとは思って欲しくないのです。 わたくしの我儘かもしれませんが」


 自らの願望を告げるアリサ。 その言の葉にはただ純粋に他種族との交流を望む感情だけが込められていた。

 ステラはその言葉を受け止めるかのようにしばし瞑目し、


「貴女はエドワードと仲がいいの?」


 突然の問いかけ。 その意図が読めずにわずかに動揺するアリサだったが一瞬エドワードに視線を移してから首を縦に振る。


「幼いころからの付き合いです。 エドがどう思っているかは分かりませんけど、わたくしは良い間柄だと思っていますわ」


 柔和な面持ちでそう告げるアリサ。

 その答えに敵愾心が完全に解かれ、微かに笑みを浮かべるステラ。 その視線の先にはエドワードがいる。


「エドワードの周りには正の感情を持つものが集まるのかしら?」


「……分からん。 だけど、アリサはいい子だ。 少なくとも、ステラが見てきたような輩とは違うと言い切れる」


 エドワードは毅然とした態度でそう告げる。

 幼い頃から付き合いがあるアリサの事は少なからず知っている。 

 普段は説教や小言が多い彼女だが、それはエドワードを想ってのこと。 そして、彼女が偏見で他種族を差別するような、負感情に席巻された女性ではないということは胸を張って言えることだ。

 ステラは数秒瞑目した後、口を開く。

 

「そうみたいね……偏見や差別的な感情に苛まれていたのは私も同じだったみたい」


 差別的な眼差しを向けられることを何より嫌悪したステラ。 その彼女自身が、ブレイブに同じような眼差しと偏見を持っていたことを自覚する。

 そして、ステラは視線をアリサに移し、頭を下げる。


「ごめんなさい。 ベル様の従者として、一人のエルフとして、失礼な態度を取ったことを謝罪するわ」


 先ほどの慇懃無礼な態度とは違い、誠意を込めてのステラの謝罪に狼狽するアリサ。 ステラのいい意味での変わり身の早さに頭が追い付いていないようだった。

 ステラに続くように、黙して見守っていたベル爺も頭を下げる。


「ステラが無礼をしてしまってすまないね。 この老いぼれに免じて許してやっておくれ」

 

 ベル爺までもが続いたことにより、アリサは縋るような視線をエドワードに向ける。

 そんなアリサの慌てた表情を久し振りに見たエドワードは、穏やかな笑みを浮かべ、後押しするように頷く。

 それを確認したアリサも小さく頷き、頭を下げたままのステラとベル爺に優しく告げる。


「謝ることはありませんわ。 お二人共頭を上げてください」


 アリサの言葉に二人は顔を上げる。

 そして、続けるようにステラに視線を向けて告げる。


「ステラ様――出来ることならわたくしの願いを聞き入れて下さいませんか?」


 ステラはアリサの意図を察し、満足気に頷く。


「『仲良くしてください』だったわよね。 もちろんよ。 それと『様』はいらないわ。 なんだかむず痒いもの。 こちらこそよろしく、アリサ。」


 右手を差し伸べながら親しみを込めてその名を呼ぶステラ。 アリサも照れたような笑顔でそれに応じる。

 ステラの態度に初めは肝を冷やす思いで見守っていたエドワードだったが、握手が交わされ、微笑み合う二人を確認し安堵する。

 そんなエドワードの隣にベル爺が並び呟く。


「ステラは根は悪い子ではないんじゃよ。 ただ、エルフの民は幼いころからブレイブは悪だと老人達から教えられるんじゃ。 『我らがユグドラシルの森を狩り、領地を奪った憎き種族』とな」


 ユグドラシルの森――エドワードが幼いころに読んだ御伽草子には『女神ソルアスが自然を愛する妖精族に与えた女神の恩恵を受けた森』と記述されてあった。 ユグドラシルの森の中央には、その名を由来する大樹ユグドラシルがそびえたっている。 

 女神に与えられた森を守るエルフ。 そしてその神聖な森を自分たちの都合で踏みにじったブレイブ。

 両者に確執が生まれるのも当然の成り行きと言えるだろう。


「だけどそれは……シルビアは……」


「そう。 森狩りを行なっているのは『セリアス王国』じゃ。 シルビア自体は森に手を出しておらん。 しかしそう簡単に割り切れるものではないのじゃよ」


 シルビアの隣国であり、武器の製造で発展したブレイブの国。 セリアス王国。

 ユグドラシルの森から西に進んだところに位置するその国はシルビアの同盟国でもあるのだ。


「…………」


 同盟国の行いが無関係と思えるほどエドワードも子供ではない。

 しかし釈然としない思いを抱えながら俯くエドワードにベル爺は続ける。


「加えて我らは読心の術を物心ついた時から身に着けておる。 その為、エルフや森に住むもの達は皆純粋なのじゃ。 嘘は見抜かれるからのぉ」


「だからこそ、私利私欲にまみれたブレイブはエルフとは相容れない存在となる。 てことか」


 ベル爺の意図を察したエドワードは言葉を繋げるように呟く。

 老人は悲しげに頷き、肯定した。


「そういうことじゃ。 しかし、誰しもそうではない。 私利私欲の中にも己の信念を持つ者がおることをワシは見てきた。 人の感情に正負が混同するのは世の道理。 誰しも心に闇を抱きながらも懸命に生きておる。 それを分かりあうことが出来れば――」


 ベル爺は言葉を切り、穏やかに皺を刻み微笑む。 


「説教臭くなってしまったのぉ。 歳をとるという事は困ったものじゃ。 要するに理解しあうことが大切なのじゃ。 口で言うのは簡単じゃがな」


 エドワードはベル爺の言葉を噛みしめるように瞑目する。

 確かにベル爺が言うように簡単なことではない。

 欲望渦巻くブレイブを簡単に受け入れることは出来ないだろうし、森を侵されたエルフはその事実を簡単には許せないだろう。

 その結果がステラの態度に現れていることを二度も目の当たりにしたエドワードはその問題の重さを改めて感じている。


 しかし、エドワードはエルフと分かりあえる事も、その純粋さも体験している。

 エドワードは閉じた瞳を開け、ベル爺を真っ直ぐ見据えて口を開く。


「俺はまだ十六で考えも未熟ですし、種族同士の問題にも詳しくない。 ブレイブがエルフに対してしたことの重さも完全には理解できてません」


 すっかり打ち解けて楽しそうに何かを話しているステラとアリサに視線を移し、「だけど……」とエドワードは続ける。


「種族の壁は乗り越えられないものじゃない。 現にステラはアリサと打ち解けています。 先入観や偏見を捨て、理解しあえる日がいつか来る――俺はそう信じています」


 真っ直ぐなその願いにも似た想いを告げるエドワードにベル爺は一瞬目を見開く。

 しかしそれは何かを懐かしむような微笑みに変わる。


「何の話してるの?」


「エド、ベル様に失礼なこと言ってませんよね?」


 突如二人の会話を割いたのは白金色の髪の少女と栗色の髪の少女。

 

「世間話だ。 それよりアリサは俺をなんだと思ってるんだ……」


「エドは昔から言葉遣いに難がありましたからね。 心配しているのですわ」


「なんだか想像できる絵ね。 無愛想だし」


 ステラまでエドワードに毒づいてくる始末。 純粋ゆえにアリサに影響されかねないと危惧するエドワードを余所に、ベル爺は微笑ましく見守りながらエドワードの想いに対して誰にともなく呟く。


「――ワシもそう信じておる」 


 その微笑みの中に一抹の哀切が含まれていることに、少女たちと会話するエドワードは気づいていなかった。


* * * * * * * *


 日輪は沈み、月光が世界を照らす中、エドワードはガーランド家の裏庭で黙々と剣を振るっていた。 日課となっている鍛錬を昨日は怠ってしまった為、その分を取り戻す様に鍛錬に打ち込む。

 

 ステラとベル爺との再会の後、アリサの父と祖父が帰宅し、アリサの母も食堂に訪れた為、エドワードは食堂を後にした。

 大人達には大人達の話があると意図したゆえの行動だ。


 アリサはガーランド家の令嬢という立場もある為、その場に止まる事になった。

 エドワードと年も変わらないとはいえ、後々は当主になる者。 話の内容を聞いておく義務があったのだろう。

 そしてステラはというと――


「それ、毎日続けてるの?」


 エドワードの鍛錬を黙して見守っていた。 が、手持ち無沙汰になったのか、エドワードに声をかけてくる。

 本来、来客の従者として彼女もあの場に残るべきはずだが、多くのブレイブの中に居続けるのを気の毒に思ったのか、ベル爺がステラの自由を許すことにしたのだ。 

 エドワードは一瞬ステラに視線を送るが、そのまま素振りを続けながら短く答える。


「ああ」


 その返答にステラは再び沈黙を守る。

 鍛錬の最中であるエドワードの集中を途切れされると考えたのであろう。 静かにその様子を眺めている。

 

 木剣が鋭く風を切る音が庭園に響く。

 時折遠くから小さく聞こえる民家の哄笑も今のエドワードの耳には入らない。

 ただ一振り一振りに力を乗せ、振り切る。

 単純だが、この鍛錬を続けることに意味があることを今日の模擬戦で実感できた。

 しかし、まだ足りない。

 もっと速く。 もっと鋭く。 もっと強く。 自身の力に驕らず、更なる高みを目指すエドワード。

 

 ある程度の数をこなし、一息つくエドワードは飽きもせずにこの場に居続けるステラに声をかける。


「見てて楽しいか? 基礎の鍛錬なんて見ててもつまらないだろ」


「ううん。 エドワードの剣はすごくいい音がする。 見てて心地よさを感じるくらいね。 どれだけ努力してきたのか分かるわ」


 手放しに称賛するステラ。 そんなステラに言葉を返すようにエドワードは初めて出会った時の事を思い出す。


「それはお互い様だ。 媒介を使わない魔法の無詠唱。 血の滲むような努力が必要だと聞いてるが?」


 下心丸出しで声をかけてきた二人組。 その二人を撃退する為の示威行為として火属性魔法を無詠唱で発動していたステラ。 

 元来、『魔法』とは杖や魔導書等の媒介に施された術式を詠唱することによって、己の体内のエネルギーである『オーラ』を消費し、発動する。

 しかし、彼女は媒介と詠唱を破棄して魔法を発動している。

 そんなことが出来る者はそう多くはいない。


 にもかかわらず、ステラは首を横に振り、眉を下げる。


「私なんてまだまだよ。 媒介を使用せず、詠唱を破棄出来るからと言っても、せいぜい下位魔法ぐらいだし、威力もそれほどないわ」


 エルフが属性魔法の発動を得意とすることを祖父に聞いたことがあったエドワード。

 だからといって誰にでもそれが出来ることでないことは明白だ。

 事実、入隊希望者の中にそのような芸当を行ったものは一人も確認できていない。

 試験官である五番隊副隊長のエゼルはそれが出来るのかもしれないが、試験の最中はそのような素振りはなかった。


「それでも努力したからこその能力だろ?」


「だとしても私はまだまだ未熟よ。 ティターニア様にも、直属の方々にも、ベル爺にも。 遠く及ばないわ」


 エドワードも祖父との稽古で幾度となく大地に倒れ、その力の差に打ちひしがれる時もあった。

 いくら努力しても叶わないのではないか? そう感じさせるほどの力の差があったのだ。

 まるで自分を見ているかのように思い憂慮の表情を浮かべるエドワード。

 

 人家の哄笑がやけに大きく聞こえ、二人の間に夜風と共に沈黙が訪れる。

 その沈黙を破ったのはステラであった。


「暗い話になっちゃったじゃない! それより、明日は合格発表なんでしょ? 手応えはどうなの?」


 努めて明るく振る舞うステラにエドワードは一瞬言葉を詰まらせる。

 彼女自身が先ほどの話題を遠ざけようとしていることを読み取ったエドワード。

 エドワードの性格上ほっとけないことではあるが、今はステラがそれを望んでいない。

 彼女なりに様々なものを抱えているのだろう。

 いつかステラが話してくれた時に力になれればいいか。 と内心で呟いたエドワードは新たな話題に答える。


「たぶん大丈夫だ。 戦闘面では問題ないだろう。 あとは審査員の判断に任せるしかないな」


「自信満々ね! まぁさっきの鍛錬を見ている限りじゃ、あながち冗談でもなさそうだけど」


 そして「冗談を言うようなタイプでもないわね」と忍び笑いを漏らしていた。

 

 自信過剰になっているわけではないが、今日の模擬戦には手応えを感じているのは確かだ。

 試験官であるエディを倒したのだから、戦闘においては認められたようなものだろう。

 その他、どのような基準で判断されるのかはエドワードの知る所ではないが、素行にも問題はないと自信を持って言えるエドワード。 少なからず期待をしてしまうのも無理はない。


「まぁ、なんにせよ明日分かることだ」


「そうね。 そういえばエドワードはガーランド家に宿をとっているわけだし、王都に住んでいるわけじゃないのよね?」


「ああ。 出身はここだが、今はここから東側にあるブロムの森のケルト村に住んでる」


 ステラはしばらく思案し、思いついたように人差し指を立てる。


「ここから東の街道沿いにある村の事ね! 私もそこを通ってきたから覚えているわ!」


 シルビア王国東側の街道はステラ達のエルフの国――『フローレア王国』に通じる街道となる。

 その為、必然的にケルト村の案内板を見かけることになるのだろう。

 しかしそれ以前にエドワードは大きな疑問が浮かぶ。


「そういえば、ステラと初めて会った時、鳥竜に乗っていなかったよな? どこかに預けていたのか?」


 フローレアからシルビアまでは大人の足でも一週間はかかる。

 そんな果てしない道のりをまさか歩いてくるはずもないと思ったうえでの疑問だったが――


「歩いてきたのよ。 ユグドラシルの森を抜けてすぐに、私の鳥竜が足を痛めちゃって。 大変だったわ」


 エドワードの予想を覆す答えを、言葉の割にはさほど重要ではないように告げるステラ。

 ユグドラシルの森を抜けたといっても、王都までは半分以上の距離が残されている。 さらに平坦な道とは決して言えない。 ユグドラシルの森の先からシルビアを繋ぐ街道には決して低くはない丘が存在している。 その為少女の足ではたどり着く前に確実に断念してしまうだろう。

 それを事もなげに告げるステラに驚愕するエドワード。


「エルフって、なんというか……あまり体力がないイメージがあったんだが」


「それは勝手な思い込みよ! 獣人族には劣るかもしれないけど、私たちだって広大な森で生まれ育ったんだから! そこらのブレイブよりは体力はあるわよ!」


 エドワードの先入観に不服そうに腕を組んで鼻を鳴らすステラ。

 確かに現実的に考えれば森で育った彼女らが、舗装された道が当たり前に存在するシルビアの民と比べて体力があるのは考えれば分かることである。 しかし、エルフの実態を知らなかったエドワードからすれば新たな発見であった。 とはいえ、いくらエルフといえどステラは少女。 厳しい道のりであったことに違いはない。

 素直に感嘆の意を示すエドワード。


「そこまでしてベル爺に会わなければいけない理由があったってことか」


「……うん。 ティターニア様の命だったからね」


 ステラは話すべきか一瞬迷ったようにそう告げる。

 エドワードは先ほどもちらりと話に出てきた聞きなれない単語に疑問符を浮かべた。


「ティターニア?」


「エルフを導くお方。 シルビアで言う王のことよ」


 ステラの言葉にその意味を理解するエドワード。

 要するに王の別称ということだ。


「なるほど、王の勅命ということか。 それなら詳しい事情は聞かない方がいいな」


「そうね……と言っても私も詳しい話は聞いてないし、いずれわかることだから言っておくわ」


 ステラはエドワードの発言にしばしの黙考をみせたが、隠す必要はないと判断したのか言葉を続ける。


「私はベル爺に帰国していただく為にシルビアに来たの。 近々良くないことが起きる可能性があるかもしれないから。 さっきも言ったようにそれ以上の詳しいことは知らないし、立場上告げることは出来ないわ」


 そう言い終え、「ごめんなさい」と最後に付け加えるステラ。

 

 国の事情を知る由もないエドワードにとっては、それが何を意味するのかは分からない。

 しかし、無関係ではないはずだと思い頭に留めておくことにした。


「いや、謝ることはない。 一応の理由は分かったしな。 ということは二人とも近いうちにシルビアを出るんだろ? せっかく仲良くなれたのに寂しいな」


「そう思ってくれて嬉しいわ」


 ステラは微笑みを浮かべ、エドワードの寂寥を受けとめる。

 そして思いついたようにエドワードに問いかける。


「エドワードは明日の合格発表の後どうするの?」


「合否に関わらず、一度は家に戻る。 合格してたらこっちの騎士団の宿舎に住むことになるからな。 村の人たちやじいちゃんに挨拶をしておきたい」 


 そして、その言葉を聞いたステラは口元に手を当て、「う~ん……」とうなり、思案する様子を見せた後に、


「それじゃあ私もエドワードの村に連れて行ってよ!」


 と、好奇心が含まれた晴れやかな笑顔でそう発言した。


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