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File.5


*****


 少し歩き疲れてきた頃、さっきとは別の光が見え始めた。


 こちらの光はさっきの光より弱く、消えかかっているようだった。


〔ほら、着いたぞ。お前はこの光に飛び込め!〕


「えっ、お兄さんは一緒に行かないの?」


〔俺は元々こちらの世界の者だ。ここに来たのはお前の両親に頼まれたからだ〕


「………僕、もう父さんと母さんに逢えないんだね…」


〔…いや、もしかしたら逢えるかもしれない〕


 お兄さんはなにやら腕を組み、考え込んでいるようだった。


「そう言えば、お兄さんの名前はなんて言うの?なんで僕のこと知っているの?」


 そう僕が言うと、お兄さんはニヤリと笑い、突然、僕を光の方へ突き飛ばした。




〔俺の名前は『式部清晴しきぶ きよはる』。お前の祖父だ。これから、お前は本当に大変だぞ。まぁ、それなりに頑張れ!〕




 ………これが、僕の祖父の最初の霊界通信…。


 言われたことを考えるより、『頑張れ!』って、何をだよーーー!という気持ちのほうが強かったのを今でも覚えている。




 その後、本当に僕が目覚めた時、当然ながら両親は死んでいた。


 僕の怪我は右腕の骨折だけ…。


 救助隊の話しでは、飛行機が墜落する際、両親が僕に覆いかぶさっていたため、火傷はおろか墜落した飛行機の残骸も僕に降りかかることはなく、軽症ですんだとのこと。


 おかげで両親の身体はバラバラだったらしいが…。


 あの飛行機事故で、生き残った人は10人にも満たなかった。


 しかも、生き残った人は酷い火傷や怪我をした人ばかりで、僕の怪我は奇跡のようだと当時話題にもなった。




 しかし、人間一度死に掛けるとどうも色々おかしなことになるみたいで…。


 僕の元々の髪の色は黒だったのに、事故のショックで銀髪に変わってしまった。


 目の色は黒なのに髪が銀髪だと違和感ありありだ。


 しかも、顔は平凡なままだし…。


 いや、それよりも、困ったことが起きた。


 僕はあの体験をしたせいか、霊感がバリバリに開発してしまった。←いわゆる、幽霊さん達が全快バリバリに視えるようになった。




 じーちゃん、これが『大変』なことなのでしょうか?


 …だったら、もっとはっきり教えておいてくれ!ちなみに霊感の閉じ方教えて下さい!


*****


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