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おまけ1~俺等が討論会をする理由~②


「いっそ、幽に告白して、俺の恋人になってもらうとか………」


 兄貴のその言葉を聞いて、俺と九里栖の目が鋭く光る。


「「兄貴(七生兄さん)、抜け駆けはしないって約束だ(でしょ)!!」」


「はっはは。冗談、冗談」


 これは、絶対冗談で言ったんではないな。兄貴め!油断も隙もない。


「冗談はさて置き、このままじゃ埒があかない。ここは1つ穂積晶ほずみ あきら先生に任せよう」


「兄貴、穂積ってあの英語教師の?」


「?」


 1人理由がわかっていない九里栖に穂積晶について、兄貴は説明する。


「九里栖は中等部だから知らないだろうが、穂積晶は幽の受け持つクラスの担任だ」


 たしかに1年F組の担任は穂積先生だが、それがなぜ任せることに繋がるのだろう?


 俺が疑問に思っていると、兄貴は俺達でさえ知らなかった情報を明かしてくれる。


「七生兄さん、それがどうして僕等に協力してくれるの?」


「穂積先生は5大財閥の1つの『穂積』の次男坊だ。どうやらうまく隠しているらしいが、俺は数年前に逢ったことがあるからね。どうやら、その事実は理事長しか知らないらしい…」


「『櫻井』『宇佐原』『喜多川』『穂積』『二階堂』………家より下の財閥か…。まぁ、櫻井が飛びぬけてトップで二階堂がドンケツ。あとはドッコイドッコイだけど、なんで穂積晶は教師なんてやっているんだ?」


「さぁ、理由までは。それでも、そのネタで幽にそれとなく注意してもらえればいいと思わないか?」


「僕、それ賛成!」


「俺も特に反対する理由はない」


 こうして、俺達の問題は無事解決された。




「それじゃ、さっそく穂積先生に脅し…じゃなくて協力してもらうように頼んでおくよ」


 兄貴が立ち上がり、俺達の議論は終わったのだが、櫻ヶ丘学園の学生も奇人変人なら、教師にも奇人変人がいて…幽に惚れる可能性があることに、俺達はまだ気付いていなかった…。







おまけ1~俺等が討論会をする理由~ おしまい


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