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File.16


 あとの面接内容は、普通に家族構成とか、芸能特待生としてどのように活動したいかとか、無難な質問だったのだが、最後の質問で驚かされることになる。


「さぁ、どちらの封筒に転入の合格通知が入っているでしょうか?」


「はぁ?」


 理事長は3枚の封筒を指差しながら、ニッコリ笑い、これを当てたら合格ですっと、気軽に笑っている。


 オイオイ、そんなことで、俺をこの学園に迎え入れてもいいのか?


 俺がそのように考えているのがわかったのか、理事長はこの質問の意味を教えてくれる。


「式部君には学力テストはないけど、実地テストはしておこうっと思ってね。『本当は、幽霊は見えませんでした』と、言われるのはマズイからね…」


 なるほど、一理ある。




 そう言うことなら………手ごろにいた?ザコ(浮遊霊)22号に、「どっちの封筒に入っている?」っと、質問してみる。


 理事長は、俺がいきなり虚空に向い話し掛けているのを、不思議そうな顔をしていたが、何も言わず俺が封筒を選ぶのを待つ。




 そのザコ22号は、いきなり声を掛けられたことに一瞬驚いたものの、少し考えながら、〔これに入っているぜ!〕と、言ってくる。


 うーん、この口の利き方は、俺をからかっているような気がする。


 ………よし、この場合は。


「うーん、どれだろうなー?」


 俺はわざとザコ22号が選んでいない、残りの2つの封筒を手で行ったり来たりさせる。


 そうすると、案の定、ザコ22号は右の封筒のところでアタフタっと慌てはじめる。


 これだな!


「これに入っています!」


 俺はザコが動揺した封筒を指差す。


 ザコ22号は、舌打ちすると俺の手の届かないところへ浮遊して行く。




 理事長は封筒の封をあけ、合格通知を確認する。


 もちろん、中身は正解だ。


「当りです。それにしても、何だが途中で動きが変でしたけど、何かありましたか?」


 理事長は早速僕に編入合格通知の入った封筒を渡しつつ、さっきの俺の攻防戦を質問してきた。


「質問した浮遊霊の性格が悪そうでしたので、浮遊霊が動揺した封筒を選んでみました。どうやら、俺の読みは当りましたね。フッ」


 俺は少し遠くにいるザコ22号をザマーミロと鼻で笑ってやる。


「そ、そうかい………」


 何となく、理事長さんがその俺の笑いに震えている気がするが、気にしないでおこう。




 こうして、俺は無事ド田舎高校からいきなりセレブ学園(櫻ヶ丘学園高等部)に転校することが決まった。


 転校するのは、GW明けということに僕は一安心していたのだが…。


 そうそう、甘い話しは転がっていない。




 櫻ヶ丘学園のことは、幼馴染に一度聞いたことがあったのだが、すっかり忘れていた。


 ここは、セレブ(庶民は少数)な『進学校』ということを………。




 それから当然だが、俺の成績表を確認していた理事長さんは、山のような宿題を出したのを言うまでもない………。


 これって、GW中に終わるのか?


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