#2 二人目の死者
なんか慌てた感じになってますなぁ
すんません
というか、なんかジャンル的に突っ込みが入りそうですが(汗)
ダイジョーブ!一応ラストはそれらしくしている・・・つもりです
次の朝、◎◎は美香という女性の家で朝食を食べていた時にそれは流れてきた。
『昨日未明××県△△市のマンションに住むOLの安城栄子さん24歳の遺体が浴室にて発見され───』
「ぶほぉ!?」
聞き覚えのある名前に◎◎は食べかけた物を噴き出した。
「ねぇさっきのって・・・」
「あ、あぁ」
その名前を聞いた瞬間、緊張が走る。
まさか───◎◎は今だに信じられていなかった。
トゥルルル
茫然とした中で鳴り響く携帯電話に栄子の名前が表示され少しほっとする。
そしてすぐに電話に出てみる。
『あぁ、ホッとしてるところ悪いが俺はそのエイコチャンじゃねぇよ』
しかし電話から聞こえる声は、持ち主のものではなく中年の声だった。
「え?だ、だれだ。あんた!!」
いつもは軽い感じの◎◎が声を荒げ、美香はそんな彼を見て身を強張らせていた。
『おれぁ刑事の忍足ってもんだ。あんたが言っていたニュースについて二三聞きたいことがあるんだが、いいかい?』
───刑事?!刑事が一体なぜ俺に・・・大体これは栄子ちゃんの携帯の番号じゃ・・・わ、訳が分からない。
◎◎は混乱した。
あまり誠実とは言えないが、人さまにご迷惑をかけるような生活はしていないと自負していた。
では何故・・・と思考を巡らしたところで忍足という刑事は何と言ったか気付く。
『あんたが言っていたニュースについて───』
さっき俺が言ったニュース・・・栄子ちゃんが自宅で発見・・・遺体で・・・
そして◎◎は自分が疑問に思ったことを質問した。
栄子は無事であるか・・・しかし帰ってきた返事はやはりというか残酷なものだった。
◎◎は頭が真っ白になった。
それでも忍足は質問を続けるが◎◎の返答はふわふわしたものだったので、最寄りの警察署───××県山之上署───に来るように言った。
三〇分ほど電話をして要領を得ないながらも、山之上署というところに行くことになったことを美香に伝える。
美香は内容を聞いてすぐさま疑われていることに行きつき吃驚して尋ねるも、当の本人に疑問で聞き返されてしまった。
未だに納得してはいないが、栄子の現状について聞きに本人が行くというのだから眉間をもみしだきながら送り出す。
そして◎◎はタクシーを使い、山之上署に到着し、受付にて忍足という刑事を呼んでもらう。
「おぅ、こんなところまで悪りぃな」
そう出迎えてくれた男は髪はぼさぼさ無精ひげを生やしただらしない恰好だった。
よくドラマとかでは小ざっぱりとしているかやはりそんなものなんだろうと◎◎は思った。
「いえ。それで、なんで栄子ちゃんは・・・」
とはいえ、まずは栄子が何故死亡することになったのか確認を取ろうとした。
──が、しかし忍足という刑事の気配が途端に剣呑になる。
行き成り訳の分からないことを責め立てられた。
要約すれば’お前が殺したんだろう?’’何でやったんだ?’と丸で犯人扱いだった。
混乱する◎◎、しかし忍足はそれだけにおさまらず無理やり引っ張る。
そしてつれてこられたのは地下の一室、不気味なほど暗い場所であった。
そしてそこには横たわる何かがあった。
「なんなんですか?ここ・・・それはな───おぼぇろろろ!?」
それはズタズタになった何かであった。
それは人であることが分かった。
それが栄子であったものと感じた。
しかし、の状況を詳しく把握するならば
顔に当たる部分は全体的に原型を留めない程、ミンチ状になっていた。
また女性の象徴というべき双丘を丸ごと切り取られていた。
その他の部分も何かで殴られた様な殴打痕が見受けられた。
その人としてあり得ない姿に心が受け付けず、吐き気をもよして即座に退室した。
そしてなおも責め立てられ、ついには直接的な暴力までふるわれた。
そしてなおも忍足は◎◎に対しすごむ。
「そこまでにしてもらいまショーカ」
直後にそれを止める闖入者が現れた。
それはスーツを着た女性だった。
人形のように整った顔立ち
小麦畑を思わせる金髪
アクアブルーの瞳
どれもが日本人らしからぬものだった。
「あ゛?ここは関係者以外は立入禁止だぞゴルァ」
しかし、忍足は責め立てることに興が乗ったのかそんなことは気にせず闖入者に対しても声を荒げる。
対する闖入者は冷静に対応した。少々挑発気味だったが・・・
とここまでヒートアップしそうになった忍足ははたと気付く。こいつは誰だと
「申し遅れましタ。ワタシは◎◎の弁護士の氷上ディジア。それよりもこの不当な扱いは法律で禁止されてれいるのデハ?」
「おいおい、こっちはただ話を聞いてただけだぜ。それを───」
カチッ
『ドカッ 嘘ついてんじゃねぇぞ!!おら吐けや、その演技は───』
「これがアナタ方のいう”話を聞く”ですカ。よく言いまスネ」
「チッ」
忍足が不法捜査について否定しようとしたときにディジアはボイスレコーダーを取りだし再生する。
それは先ほどのやり取りが録音されたものであった。
いかに忍足が否定しようとこれが世に出回れば警察の信用は失墜してしまう。
しかも良くて自身が懲戒免職、場合によっては逮捕されてしまう可能性も出てくる。
だからこれ以上の抵抗は止めた。
───が、しかしディジアは攻勢の手を緩めなかった。
◎◎は犯行時刻にどこにいたのか、犯行の動機は何か。
そもそも彼に人間をズタボロの様にする力はあるのか。
突如始まった息もつかせぬ舌戦はどうやらディジア優勢で終わったようである。
途中、女性よりも体力のなさを示すためディジアに腕を持ち上げられ、◎◎はぶつくさとぼやいていたが。
「良かったですネ?◎◎」
「え?あ、ありがとう?」
「全く・・・この状況になっても理解していないなんテ」
「ごめん」
◎◎はディジアに不当な理由で捕まることがないことを言われたが何のことだか理解できず、けれど、ここは空気を呼んでお礼を言ってみたが、そんなことディジアにはお見通しで、苦言をこぼされた。
そしてディジアがここに来た理由───美香に連絡を受けたことを聞き、◎◎はそのお礼と現状報告を兼ねて電話をかける。
『そっか分かった。
じゃあ刑事さんに代わってくれないかな?
昨日家にいたこととか君のこと説明したいし』
「わかったよ。───刑事さん、美香ちゃんが代わってほしいって」
「あぁ・・・もしもし忍足ですがぁ?」
美香と一頻り会話した◎◎は、美香の要望により忍足に電話を渡す。
しかし、忍足は先ほどのやり取りにまだ納得していなかった様で若干不機嫌であった。
そして電話を渡した◎◎は思い出したようにふさぎこむ。
そんな様子の◎◎にディジアは優しく声をかけた。
「大丈夫ですカ?あんなことがあったばかりですものね。なんなら家に泊まり───」
『ギャーーーーーーッ!!』
その断末魔のような悲鳴は忍足に渡した電話の向こうから響いてきたものだった。