5+1i まだ生徒会室だけでの話
「キミカ王はどうするつもりだろうね〜?」
ニトロは相変わらず緊張感のない声だ…。
この街の学校には、教会がある。
そして教会を囲むように校舎がある。
正門から入って、教会の裏。そこには、生徒会室が会った。
「最近、貴族院どもの動きが怪しい。開拓者チームよ、そろそろ計画を切り上げてもいいのではないか?国の外の探索をさせているが、キミカ国の目的は未だにわからない。私には何か裏があるように思えるが?」
そう言うのは、生徒会長のヒドル。
静かな夜の学校で、ニトロとヒドル、それから私…ウラノは話していた。
…キミカ王国。
人口推定400万人。
比べ私達の街…オクト市は人口150万人。
キミカ王国は、初めて都市国家として成立したが、私達の街は大きくなりすぎた。
独自の宗派を持ち、独立した文化まであるこの街。 さらに、この街のこの魔法学校は今、新たな公共団体になりつつさえある。
新たな国家が生まれるのも、そう遠くないのだ。
「君達、コレを見たまえ。」
ヒドルが何か、紙を取り出した。
「機密文書さ。数日前、城内にて盗んできたやつだ。」
ヒドルは、ニヤッと笑う。
コイツはまた、盗みなどという卑劣な行為を…。
「ヒドルちゃん〜?もしそれ、君がとったのがバレたら、それこそ戦争ものじゃない?」
ニトロは少し真剣になっているようだ。
「へへっ、まぁ見てみろ。」
生徒会室の中央にある、大きな丸い机に、ヒドルはその紙を広げてみた。
…何?
【キミカ王国統一計画】だと?
「なぁ、コレどう思う?コレはもうあかんやつだよな?オクト市所在のキミカ国立魔法高等学校への資金提供の停止、および閉校までの計画。奴らにとって私達は、所詮邪魔者でしかない。キミカに国は二つもいらないんだよ。」
三人は、王国の計画書を見た。
コレはいつ実行するつもりだったのだろうか。