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103 次はどうする?


 その後何とか混雑から抜け出し、麗沙(れいさ)と別れを告げた。


「じゃあ、また学校で」

「「はい」」


 手を振って別れた後、二人はハァっと息を吐いた。


「なんか…疲れたな」

「そうだね…」


 とうとう学校の知り合いにこの関係のことがバレてしまった。


 二人はそのことで先程までかなり焦っていて、今ようやく一息つけたのである。


「まさかここに四宮(しのみや)さんがいるなんてな…完全に予想外だった」

「うん…。でもこれからデートするってなったら、こういうことも起こるかもしれないよね?」

「まあそうだろうな」


 特に夏休みの間、誰にも恋人関係を知られていない時が問題だ。


「だからその…これからデートする時はちゃんと気をつけないとね」

「だな…」


 まだまだ夏休みは長い。つまり、佳奈美(かなみ)とデートすることも多くあるだろう。

 だがそうなってくると今日みたいなことになる可能性も高くなるため、これからデートをする時は慎重になる必要がある。


「じゃあ…次のデートはどこに行く?」


 ここでさりげなく次のデートの話を持ち出していい感じにもう一度デートをする流れに持っていく。


「そうだね…あまり高校生がいないところとか?」

「ん…なんかあるかな…」


 二人は頭を悩ませるが、特に良い案は思い浮かばない。


「…やっぱ人を避けてデートするなんてできないんじゃないか?」

「…いや、できるかも」


 そこで佳奈美が何かを思いついたらしく、目線をこちらに向けてくる。


「お家でデートすれば誰にも会わなくていいんじゃない?」

「…なるほどな。確かにそれなら家族以外誰とも会わないからバレる心配もしなくていいな」


 これは盲点だった。二人の家は隣同士だから、デートをしようと思えばすぐにでもできるし。


 これはかなり良い案なのでは?


 そう考えた(しゅう)は、意を決したように拳を握った。


「よし、じゃあ次はお家デートするか!!」

「うん!!」


 というわけで、次のデートはお家デートをすることに決まった。


「いつにする?俺はいつでも大丈夫だけど」

「ん〜、私もいつでも大丈夫だから…明日とか…?」

「いいなそれ。明日も佳奈美とデートできるなんて最高すぎる」


 という感じで、明日にお家デートをすることに決まった。


「ふふ♡私も楽しみ♡」

「じゃあ、どっちの家でやる?俺は全然ウチで大丈夫だけど」

「そう?ならお邪魔しよっかな♪」

「わかった」


 まさかこんな早い流れでお家デートをする流れになるとは思っていなくてあまり心の準備はできていないが、周りを気にせずイチャイチャできることを考えるとどうでもよくなってくる。


 だがしかし、ここで一つ解決しなければならない問題が頭をよぎった。


(あれ、俺部屋片付けてたっけ)


 今日部屋を出る前の光景を思い出してみる。

 散らかっているお菓子のゴミや、片付けていない服。いつも片付けていないツケがここで回ってくる。


(ヤッベェ…めちゃくちゃ散らかってるわ。流石にあのままじゃ佳奈美を部屋に入れられないな…)


 家には普通に母や姉がいるので、お家デートをするとなると彼女を部屋に入れる必要が出てくる。なので部屋は絶対に綺麗にしておかないといけない。


 だが今の部屋はどうだろうか?


 姉や母に叱られるぐらいには散らかっているではないか。


 明らかに彼女を部屋に上げられるような状態ではない。


(帰ったら速攻で片付けねぇと…)


 時間も遅いことだし、あまり時間は取れない。だからこそ、死ぬ気で取り掛からないといけないのだ。


「ねぇ、明日何時に行けばいい?」


 だが今は目の前に可愛らしい彼女がいる。彼女のことを見ていると、部屋のことなんて自然とどうでもよくなってくる。


「ん〜そうだなぁ…もしよかったら、お昼一緒に作るか?」

「!!??」


 なぜか驚きながら顔を青ざめている。

 確かに料理は下手だったが、最近は親たちの指導のもとお手伝いをしている。だからきっと恐らく一万分の一の確率で、大丈夫だと思う。


「俺、最近練習してるから任せてから!!」

「そ、そうなの…?それならまあ…うん。一緒に作ろっ!」

「ああ。じゃあ十一時ごろに来てくれ」

「うん!!」


 満面の笑みを向けてくる彼女。その笑顔を見ていると、この後の片付け地獄なんて本当にどうでもよくなってくる。


「佳奈美」

「ん?」

「明日のデート、楽しもうな」

「うん!!」


 彼女のことを見ていると、こちらまで自然と笑顔になる。そういう誰にもない個性を持っているのが佳奈美という女の子であり、柊の彼女である。


(ああ…俺、幸せすぎるな)


 天を仰ぎながら、神のような存在に感謝を示す。そしてもう一度、小さくて可愛い彼女に笑みを向けた。


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