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102 ついにバレてしまった


 あまり多くは語らないが、花火の最中は佳奈美(かなみ)とイチャイチャしまくった。


「ふぅ〜、楽しかったね〜♪」


 そして今は花火が終わって駅に向かっているところなのだが、当然混んでいるのであまり進んでいない。なので今は彼女と手を繋ぎながらイチャイチャしているのである。


 いやイチャイチャしかしてないやん。


「ああ。めっちゃ綺麗だったな」

「ふふ、それはどっちに言ってるの?」

「もちろん佳奈美だけど」

「もう♡(しゅう)のばか…♡」


 イチャイチャすんな。普通に周りに人いるんだぞ。

 でもそんなことこのカップルには関係なくて、完全に二人の世界に入ってしまっている。


「佳奈美が可愛いのがいけないんだぞ?俺を惚れさせすぎたのが悪い」

「ふふ♡それは柊も同じだよ?♡」

「そっかぁ。ならお互い様だな」


 手をにぎにぎしながらイチャつくカップル。

 平たく言えば、バカップルである。でも二人にとってはそれが一番居心地が良くて、つい人前でもやってしまうのである。


 だがそれには勿論、リスクが伴うことがある。


「あら?柊くんに、香賀(かが)さん?」

「「__!!???」」


 名前を呼ばれた方を一瞬で向いた。


 そしてそこには、見覚えのある女の子の姿があった。


「二人もここに来てたのね。香賀さんは終業式ぶりね。柊くんは…結構久しぶりな気がするわ」

「ど、どうも…」

「どうして四宮(しのみや)さんがここに…?」


 二人の前に現れたのは綺麗な浴衣を見に纏っている生徒会長、四宮麗沙(れいさ)だった。彼女とは生徒会に入るかどうかの話をしたから面識がある。


 だからこそ、この空気はかなり気まずいのだ。


「親戚の家が近くにあるから、ここには毎年来てるの。それよりも…二人はどうしてここに?」

「っ……」


 デートをしに来たと正直に言えれば良いのだが、上手く口が動いてくれない。


 だがその間に佳奈美が説明をし始めてくれた。


「えと…二人でどこか行きたいねって話してて、ちょうど花火の季節だったから花火大会に行こうってなりまして…」

「なるほど、そういうことだったのね。ここの花火大会は結構大きいから、二人で訪れて花火を堪能したってわけね」

「はい」


 ま、嘘は言っていない。二人で花火大会に行きたいという話になったのは本当である。


 でも何故か勘のいい麗沙は、気づかないでいいところに気づいてしまう。


「でも二人で来るなんて…まるでデートね」

「っ…!?」

「それはまあ…そうですね…」

「そんなに仲が良かったのね。二人は付き合っていないのでしょう?」


 麗沙は早速その質問を投げてきた。

 流石に今こういう展開になるのは想定外であったため、二人は完全に黙り込んでしまう。


 だがそれは向こうからすれば肯定の沈黙であるため、彼女は驚いて目を見開いた。


「も、もしかして二人は付き合っているの…!?」

「「……」」


 佳奈美と目を見合わせる。そしてもう仕方ないという感じのアイコンタクトを取り、麗沙に真実を話すことにした。


「はい…付き合ってます…」

「そ、そうだったのね…おめでとう」

「あ、ありがとうございます…」


 祝福されてしまった。


 いやそんなことはどうでもいい。それよりも今は、あのイチャイチャシーンを見られたのではと気が気じゃないのだ。


「それより四宮さん。もしかしてですけど、俺たちに話しかける前から気づいてましたか?」

「いえ。まさか目の前にいるカップルが知り合いだなんて思ってもみなかったわ。でもよく見てみれば、後ろ姿に見覚えがあると思ったの」


 なるほど。ならイチャイチャしていたシーンまではバレていないか?


「ま、流石に二人だと気づいた時は驚いたわね。さっきからすごくイチャイチャしていた人たちが、まさかあなたたちだなんて思ってもみなかったわ」


 ……。


 いや全部見られてるやん。


 彼女の言い振りからして、どうやらずっと二人の後ろにいたらしい。だがどちらも互いの存在に気づかず、最終的に最悪なタイミングでバレてしまった。


 つまり、羞恥心で心が満たされるということ。


(あ〜…俺の人生終わった…)


 先程までのイチャイチャを見た麗沙が生徒会やクラスで話を広め、次第に噂が広まって冷めた目で見られるようになって…。

 きっとそのまま退学に追い込まれるんだ…。


(いや流石に被害妄想がすぎるか)


 麗沙は生徒会長であるため、ある程度の常識は持ち合わせているはずだ。だからこうやって知り合いが二人でイチャイチャしていたことも黙っていてくれるだろう。まあコレはただの予想というか、願望でしかないけど。


 でも多分、恐らく彼女なら黙っていてくれるはずだ…!!もうそう信じるしかない。


「四宮さん」

「?」

「信じてます」

「…何の話?」

「私も信じてます…!」


 同じ考えを持つ佳奈美も麗沙のことを信じることに決めたようだ。


 だが当の本人は何のことか全くわかってなく、困惑で首を傾げている。


「そ、そう…ありがとう…?」


 まあそんな感じで、二人のお付き合いのことが露呈したのだった。でも最初にバレたのが麗沙みたいな知り合いでよかったと心から思う。


 そうでないと、マジで退学してたかもしれないから。


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