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世にも不思議なショートショート  作者: 西季幽司
アロイカ・インベージョン
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クマベリ・インベージョン

 アロイカから救助要請を受けた地球軍は湧きたった。

 宇宙を航行する技術をアロイカから供与された地球のリーダーたちは、共同で地球軍を設立し、宇宙戦艦ノストラダムスの建設に取り掛かった。

 アロイカから救助要請があった時、宇宙戦艦ノストラダムスは既に完成し、処女航海を控える段階に来ていた。宇宙戦艦ノストラダムスはありったけの武器と兵員を乗せ、アロイカへと出航した。

 クマベリ相手にアロイカは善戦していた。

 戦況は五分五分、「地球軍、現る!」の報告はアロイカ軍を勢いづかせた。

 戦場に到着すると、宇宙戦艦ノストラダムスは次々とクマベリの戦艦を破壊して行った。僅か三日でアロイカ上空を制圧していたクマベリ艦隊を全滅させると、地上で作戦を展開していたクマベリ軍の掃討作戦に移った。

 クマベリ兵を見た地球軍の兵士たちは狂喜乱舞した。

 クマベリはアロイカよりずっと大きいが、地球人に比べると、かなり小さかった。だが、地球軍の兵士たちが喜んだのは、そんなことではなかった。

 クマベリが鶏にそっくりだったからだ。

 飛べなくなった翼が発達して腕のようになっている点を除けば、姿格好が鶏にそっくりだった。新種の鶏にしか見えなかった。

 地球軍の兵士たちはクマベリを捕獲すると、から揚げにして食べた。

 それを見てクマベリは震えあがった。クマベリは人間を見ると、蜘蛛の子を散らすように逃げて行った。

 アロイカは地球の二百分の一しかない。重力が違う。地球軍の兵士たちは地球にいる時より遙かに身軽に動けた。

 逃げ惑うクマベリ兵を追いかけ回し、捕まえ、更に、罠を仕掛けて一網打尽にすると、宇宙戦艦ノストラダムスへと連れ帰り、地球へ戻って行った。

 アロイカ首相は地球軍へ感謝の言葉を贈ると共に、側近にこう漏らした。

「味方にすれば、こんな心強いことはないが、あんな野蛮な連中と戦っていたなんて・・・全滅させられなくて良かった」


                                             了


 拙作をご一読いただき、ありがとうございました。


 地球侵略に失敗する度に、アロイカの総数が減ってしまう。そろそろ、地球と講和してもらって、兵力を回復し、また新たな侵略に励んでもらいたいという思いから、パートVが生まれた。

 最初は地球と講和し、アロイカが豊になるという筋書きだったが、それだとタイトルのインベージョン(侵略)と関係なくなってしまうと思い直し、じゃあ、逆にアロイカが侵略されたら?というお話にした。

 そうしてパートVを書いていたら、「これ、アロイカ・インベージョンじゃなくて、クマベリ・インベージョンじゃん!」と思い始め、タイトルを変えようか思い悩んだ末に物語を二つに分けて、前半部分をパートVに、後半部分をクマベリ・インベージョンとした。


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